ポラスの不動産売却 ポラスの不動産売却

ポラスの仲介

古家付き土地を売買するメリット・デメリットは?更地との比較も解説

実家の親が住んでいた築古住宅を相続して処分に困っていたり、以前から話題になっていた空き家問題の解決策として、最近注目されているのが「古家投資」や「古家リノベーション」「古家リフォーム」といった古家を再活用する方法です。でも古家なんて、大丈夫なのでしょうか?
古家購入を検討するヒントとして、古家付き土地のメリット・デメリット、さらに出口戦略である売却時の更地との比較まで徹底解説します。

目次

古家付き土地とは?

築20~30年を超えた中古戸建はそのままでは建物の利用が難しく、「中古一戸建て物件」としては売りにくい物件です。ですからあえて価値のない建物は無視して、資産価値のある土地に着目し、「土地物件」として売り出します。その際、「この土地には資産価格0円の建物が残っています」ということを表したものが「古家(ふるや)付き土地」で、一般的には「土地※現況 古家あり(上物あり)」として販売されています。 このような物件は古家建物の撤去費用を考慮して、その分安く売り出されていることがあります。「古家付き土地」と広告掲載することで、土地を探している人だけでなく、とにかく安い中古戸建を探している人の目にも留まりやすくなるのです。

売買の際には資産としての価値を認められていない古家ですが、実際に価値がないものなのでしょうか? 実は、築何年から「古家」と呼ぶかは、明確な基準がありません。建物の資産償却期間から木造は築20年超を古家といったりもしますが、実際には、築25年でも丁寧に使われて見た目もきれいな物件は「中古物件」で取引されているものもあります。

古家と聞くと基礎や柱が朽ちて今にも倒れそうなものを想像しますが、なかには手を加えればまだまだ住むことができる物件もありますし、売主が売却までふつうに居住しているケースもあります。同じ物件でも、築年数にこだわる方にとっては無価値でも、住居として使用できればいいと思っている方には利用価値のある物件になるのです。

ひとくくりに「古家付き土地」といっても、どのような古家かは物件1つ1つで違っています。

古家付き土地を購入するメリット

土地の価値のみで取引される古家付き土地を、あえて購入するにはどのようなメリットがあるのでしょうか?


相場より安く購入できる

買主にとって価値のない余分な建物を解体しなければならない古家付き土地は、解体費用を見込んだ安い価格で売りに出されていることが多く、またそうでなくても値引き交渉に応じてもらいやすいので、周辺の土地相場よりたいてい安く購入できます。


建物をリノベーションして利用できる場合がある

老朽化の程度や居住性能にもよりますが、資産としての価値はなくても居住用として建物も利用できる場合があります。築年数が古くても基礎や柱に問題がない場合、内装や傷んだ部分をリフォームしたり設備を新しいものに取り替えれば、じゅうぶん気持ちよく生活することができるでしょう。 すぐに賃貸に出すこともできるので、投資物件としての利用も1つの方法です。
 

新築したときのイメージができる

古家を取り壊し新築する場合、解体前の建物で日当たりや部屋からの眺望を確認することができます。新しい家の間取りや窓の位置をデザインする際の参考にできるうえに、更地だとわかりにくい広さの実感や住んだときの具体的なイメージが、建物があると把握しやすくなります。

古家付き土地を購入するデメリット

古家付きを前提に土地を購入する際には、古家ゆえのデメリットがあります。


解体費用がかかる

建物を利用しない場合は、解体費用がかかります。その分安く買ったつもりでも、重機搬入時の周辺道路の状況や隣接する建物との関係、建材に石綿(アスベスト)が含まれていると、その対策に想定外の手間と費用がかかることがあります。 塀や庭木の撤去など整地にも相応の費用がかかるうえ、解体中に地中から過去の汚水桝や浄化水槽など地中障害物が発見されたケースもあり、想定外の撤去費用が発生することもあります。
 

上下水道引込や給排水管工事が必要な場合がある

地域にもよりますが、古い住宅の場合建築当時の汚水浸透桝のままになっていて、建物新築の際に下水道引込工事が必要になることがあります。上下水道とつながっていても、途中の管や桝、屋内の給排水管も老朽化しているため、多くは取替工事をしなければならないでしょう。
 

契約不適合責任が免責される

古家付き土地として売買される物件では古家の契約不適合責任(※)は免責することも可能なので、原則として建物の使用については買主の自己責任になります。 (※旧民法「瑕疵担保責任」が、2020年4月より「契約不適合責任」に変わっています)
 

土地の境界があいまいなものがある

古い住宅には土地の境界があいまいなままのものがあり、測量や境界確定図で確認しておく必要があります。

古家付き土地売却のメリット!更地との違い

相続した築古物件を処分するときや古家投資の出口戦略の1つとして、古家付き土地をそのまま売却すべきなのか、更地で売却する方が良いのかも考えておきたいところです。 売却する際のメリットを、更地の場合と比較しながら見てみましょう。
 

解体費用がかからない

古家付き土地で売却すれば、売主は解体に関する費用を負担する必要はありません。解体費用の一般的な相場は坪単価約6万円程度~で、延床50坪だと約300万円前後かかります。


すぐ住むことができるので売りやすい

状態の良い古家なら簡単なリフォームだけでも居住することもできるため、買主にとってメリットがあります。買主が賃貸物件として考えている場合、すぐに賃貸に出せて利回り収益を上げられる古家付き土地は投資物件としてお得感があり、買い手の幅が広がります。
 

古家があると固定資産税が軽減される

古家を解体して更地にしてしまうと、住宅用地の特例が適用されず建物が建っているときより固定資産税が上がってしまいます。 固定資産税では土地に古家(居住用建物)が建っていれば、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)の場合は1/6、一般用住宅用地(200㎡超の部分)の場合は1/3に負担調整されるのです。都市計画税でも一部地域で居住用建物が建っていることを条件に、軽減措置が適用されます。

古家付き土地売却のデメリット!更地との違い

更地で売却するのとくらべて、古家付き土地での売却にはどのようなデメリットがあるのでしょう?
 

売値が低くおさえられる

解体費用や整地費用を買主が負担することになるため、古家付き土地は更地にくらべて売値を低くしないと売れない傾向にあります。また、買主から値引き交渉されたり、契約条件として解体を要求されるケースもあります。 更地ならどのような建物を建てるのか買主の自由にできるうえ、購入後すぐに新しい建物の建築に着手できることから流動性が高く、土地の査定価格も高値が付きます。
 

「建物」として売ると契約不適合責任を負うことがある

建物の契約不適合責任(瑕疵担保責任)について「免責」とする契約にしておけば原則問題はないのですが、古家を「建物」「中古戸建」として売った場合、建物の不適合責任に問われることがあります。建物が存在しない更地では、そもそも建物に関するそのような問題は起こりません。 ただ地中障害物については、更地でも古家付き土地でも売主に処理費用等の支払い義務が生じることがあります。
 

エリア特性で売りにくい場合がある

高級住宅が立ち並ぶ地価の高いエリアや新築住宅の多いエリアでは、買主が建替えを希望することが多く、古家付き土地より更地の方が買い手が付きやすい傾向にあります。更地で売り出すか古家付き土地で売り出すかは、エリアの特性を考慮する必要もあるでしょう。

古家付き土地に関する注意点

古家付き土地を購入する場合、更地の購入と異なる注意点がいくつかあります。その代表的なものが、解体費用の負担や瑕疵担保責任の免除、隣地との境界線などです。購入前に、古家付き土地ならではのポイントをしっかりと押さえておきましょう。
 

注意点1:余分な解体費用が出ないようにする

余分な解体費用を出さないように注意が必要です。そのためにも、古家の中に家具などの物品を残させないことなどを、売買契約の条件に入れておきましょう。また、地中障害物が出てきた場合、撤去費用を自己負担しないため、売り主の瑕疵担保責任期間内に解体工事が終わるような日程を組むことをおすすめします。
 

注意点2:リノベーションして住む場合の瑕疵担保責任は免除される

古家をリノベーションして住むとき、すべて自己責任になります。古家付き土地を購入は、あくまでも土地の売買とみなされるため、売主の古家に対する瑕疵担保責任は、免責されるからです。耐震性を例に挙げた場合、古家の確認申請が1981年6月以前のものであれば、耐震補強の工事が必要となり、その費用を買主が負担しなければなりません。
 

注意点3:隣地との境界線を把握しておく

隣地との境界線も注意が必要です。特に古い土地は、土地の境界が曖昧になっていることが多く、明確な境界線が決まっていないケースも珍しくありません。この状態を放置していれば、配管や塀などが隣地に越境していた、自分の土地が隣家の土地だと主張されるなど、購入後のトラブルにつながることも考えられます。これらの回避するためにも、境界確定図で境界線を把握しておくべきです。
 

注意点4:地域の確認を怠らない

購入予定の古家付き土地が「市街化調整区域」にある場合、基本的に建物の再建築ができません。市街化調整区域とは、都市計画法により、地域の市街化を抑えているエリアです。これは、自治体によっても詳細が異なるため、仲介している不動産会社をはじめ、自治体への確認も怠らないようにしましょう。

古家を扱う際にはプロに相談

古家付き土地の場合、外観だけではわからない建物の状態や給排水管の問題があります。特に上下水道に関わることは、自治体によってもルールや対応が異なり、補助金の有無も違っています。 割安だからと購入したものの、後から想定外の出費が必要になることもあります。古家は一般的な中古住宅や新築物件より、トラブルに発展する要件が多いのです。

古家付き土地は一般市場でも売買されていますが、投資家向け独自販売ルートを持つ不動産会社もあります。古家を購入したり売却する際には経験豊富なプロに相談し、古家ならではのリスクをしっかり理解して取り扱うようにしましょう。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

無料まずは気軽に無料査定

WEB査定依頼

お電話でも査定受付中!

【不動産売却専用ダイヤル】0120-89-9121

受付時間9:00~18:00 定休日:毎週水曜日

売却をご検討の方へ