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贈与の落とし穴 知らぬ間に贈与税が?

贈与税の怖さは、贈与した人もされた人もその認識がないことだ。今回は、よくある事例として、親族間の贈与問題を取り上げることとする。

目次

二世帯住宅への改装費用を長男が支払った場合

独立して生計をたてていた長男一家が、実家に戻ってきて両親と同居するケースで、その改装費用を長男が負担したケースである。実家の建物の名義は父親になっている。

家屋の増改築が自己以外の人の支出によって行われた場合には、その増改築部分は旧家屋の所有者のものになると民法上定められている。したがって、何もしないで放っておくとあくまでもこの建物の名義は父のままなので、父は1円も支払わずに増改築部分を取得したことになる。よって、贈与税の対象となってしまうとういう図式である。金額が100万円などと低い場合はまだいいが、多額になる場合は要注意である。

例えば、増改築前の建物の時価が2000万円、増改築費用が1000万円だった場合、何もしなければ父は長男から1000万円もの贈与を受けたことになる。

では、これを避けるためにはどうしたらいいか。答えは、共有持分の登記をすればいいのである。
父2000万円/2000万円+1000万円=2/3
長男は1000万円/2000万円+1000万円=1/3

このケースでは父2/3、長男1/3の共有持分で登記をすれば、父に経済的利益が発生しないこととなり、贈与税は課税されないこととなる。

次男に自己所有マンションの1室を家賃0円で住まわせている

賃貸物件を所有している人の中には、このようなケースはよくあるケースだ。単純に考えるとどうも贈与税がかるのではないかとも思える話だ。

確かに、相続税法第9条に照らし合わすと課税の対象になる。しかし、さらに踏み込んでみてみると、通達があるのだ。関係する通達は相続税法基本通達9-10だ。

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9-10 夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊の関係がある者相互間で、無利子の金銭の貸与等があった場合には、それが事実上贈与であるのにかかわらず貸与の形式をとったものであるかどうかについて念査を要するのであるが、これらの特殊関係のある者間において、無償又は無利子で土地、家屋、金銭等の貸与があった場合には、法第9条に規定する利益を受けた場合に該当するものとして取り扱うものとする。ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする。
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一文が長くてわかりづらいが、ポイントは最後の部分で、要は少額で課税上弊害がなければ贈与税は課しません、ということである。通常に住む程度であれば課税はしないが、相場の賃料が月数十万以上もする高級マンションなどは論外なので注意が必要である。

三男との金銭のやり取りは贈与税の対象か?

親子間や祖父母と孫というように、特殊関係にある場合の金銭のやりとには、貸付期間や利息などを取り決めしていないケースも多く、「ある時払いの催促なし」や「将来の出世払い」という、実態としては贈与に近いものが多い。十分な証拠、書類がないと贈与として取り扱われることもあるので、注意が必要だ。

そうならないためにも、以下のことに気をつけていただきたい。

(1) 「金銭消費貸借契約書」を作成し、返済期日を明確にしていること。
(2) 1年に1回以上の支払い期限を設け、利息条項も入れる。
(3) 銀行口座で振込み(支払い)、証拠が残るようにすること。

 



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【監修者】

森重 克昌
税理士法人 さくら税務
業務部 本部長
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