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不動産売却にかかる税金とは?計算方法や支払うタイミングは?控除についても解説

不動産を売却するときには、どのくらいの税金がかかるのかご存じでしょうか。また、その税金にはどのような種類があるのでしょうか。これらの税金について知っておかないと、損をしてしまう可能性もあるかもしれません。そこでこの記事では、不動産売却にかかる税金について解説します。また、それぞれの税金の計算方法や事例とシミュレーション、税金に関するのよくある質問も紹介していきましょう。

目次

不動産売却にかかる税金

不動産売却に関する税金には、どんなものがあるのでしょうか。ここでは段階ごとに説明していきます。
 

不動産売却にかかる税金① 印紙税

「印紙税」とは、課税文書を作成するときに支払う税金のことです。不動産売買する際には「売買契約書」を作成しますが、この売買契約書も課税文書のひとつです。その売買契約書に収入印紙を貼ることで、印紙税を支払うことになります。
収入印紙代は、売買金額によって異なります。印紙税額はのちほど説明します。 この印紙税は売買契約書を一通ずつ作成する場合、一般的には売主と買主がそれぞれが負担することになります。

〇いつ払うの?
売買契約書の作成時に支払います。前述したとおり、売買契約書に収入印紙を貼ることで、印紙税を支払うことになります。
 

不動産売却にかかる税金② 譲渡所得税

不動産を売却して発生した利益が「譲渡所得」です。正確には、家の売却金額から、家を購入した時の金額と購入にかかった経費、家の売却にかかった諸費用を差し引いたものが、譲渡所得となります。
この譲渡所得に所得税がかかります。所得とは言うものの、譲渡所得は「分離課税」となるため、一般的な所得(給与所得や事業所得など)とは切り離して計算します。

〇いつ払うの?
譲渡所得税は、いわゆる「所得税」です。不動産売却で利益が出たら、当然確定申告をしなければなりません。所得税は、確定申告後後一括して納付します。
 

不動産売却にかかる税金③ 住民税

住民税は、譲渡所得税同様、譲渡所得に対して課税される税金です。譲渡所得は「分離課税」となるため、ほかの所得と区別して納税します。

〇いつ払うの?
住民税は、確定申告後に納付税額が決まります。納付は、売却した翌年の6月からとなります。
 

不動産売却にかかる税金④ 登録免許税

不動産を売却するとき、売り主から買い主へ不動産の所有権が移転するため、新たに不動産登記をおこなう必要があります。この登記手続きに課税される税金が「登録免許税」です。つまり、名義変更に伴い、支払いが発生する税金を指しています。
登録免許税の税率は、登記の種類によって違い、不動産売却による所有権移転の場合、その税率は2.0%です。また、軽減税率が適用されることから、令和4年(2022年)3月31日までは、税率が1.5%となっています。

〇いつ払うの?
登録免許税は、登記申請をおこなうときに払います。申請する登記申請書に印紙台紙とするA4サイズの用紙を添付し、収入印紙か登録免許税を納付した金融機関の領収書を貼付してください。
 

不動産売却にかかる税金⑤ 復興特別所得税

「復興特別所得税」とは、2011年3月11日の東日本大震災による被災地復興の施策を実施するため、必要な財源確保を目的とした特別措置法に基づいた税金です。所得税の納税義務があるすべての個人が課税対象となります。
ただし、不動産売却において、譲渡所得がマイナスの場合、復興特別所得税は発生しません。また、平成25年(2013年)1月1日から、令和19年(2035年)12月31日までと期間限定の所得に対する課税です。

〇いつ払うの?
復興特別所得税は、所得税の1種です。不動産売却で得た利益は、所得として譲渡所得と同様に確定申告をおこない、申告期限日(3月15日)までに支払います。

簡単計算!税金の求め方

印紙税、譲渡所得税、住民税はどのくらいかかるのでしょうか。その税金の計算方法をご紹介します。
 

印紙税の求め方

印紙税は、難しい計算は必要はありません。なぜなら、売買契約書に記載された契約金額によって決められているからです。 売買金額による印紙税は下記のとおりです。

〇100万円を超え500万円以下:2,000円
〇500万円を超え1千万円以下:10,000円
〇1千万円を超え5千万円以下:20,000円
〇5千万円を超え1億円以下:60,000円
〇1億円を超え5億円以下:100,000円

該当する収入印紙を、売買契約書に貼ってください。
 

課税譲渡所得金額の求め方

住民税と譲渡所得税を算出するには、まず、譲渡所得を計算しなければなりません。譲渡所得の計算方法は、次のようになります。
四角譲渡所得の計算方法
譲渡所得 = 譲渡収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)

それぞれの用語の意味を説明します。

〇譲渡収入金額

 不動産の売却金額。
 

〇取得費

 不動産を購入したときの金額と購入にかかった諸費用から、減価償却相当額を引いた金額。
 

〇譲渡費用

仲介手数料や印紙代などの売却にかかった諸費用。簡単に言えば、不動産を売った額から売却にかかった費用などを差し引くことで、譲渡所得が算出できるのです。
 

所得税・住民税の求め方

譲渡所得金額がわかったら、次は実所得税・住民税の計算方法を解説していきます。 所得税・住民税は、不動産の所有期間によって変わります。なお、所得税には、復興特別所得税として2.1%が上乗せされることも覚えておきましょう。
 

〇所有期間が5年超の場合

 
所得税15%×復興特別所得税2.1%、住民税5% 合計の税率20.315%
 

〇所有期間が5年以下の場合

所得税30%×復興特別所得税2.1%、住民税9% 合計の税率39.63%
 
所有期間が5年以上ほうが、税率が低くなります。
 

こんなときは特例が適用される

条件に当てはまれば、特別控除や繰越控除などの特例が受けられ、税金を抑えることができます。
その特例には、下記の5つがあります。

〇3,000万円特別控除

自己居住用不動産を売却した場合、所有期間の長さに関係なく、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができる特例のことです。ですので、譲渡所得が3,000万円までなら、所得税・住民税がかからないということになります。

〇10年超所有軽減税率の特例

この特例は、10年超の自己居住用不動産を売却した場合であれば、課税譲渡所得が6,000万円以下なら、所得税・住民税の税率が低くなるというものです。 課税譲渡所得が6,000万円までの場合、「所得税10%×復興特別所得税2.1%、住民税4% 合計の税率14.21%」となります。

〇特定居住用財産の買換え特例

「特定居住用財産の買換え特例」は、居住していた家を売却し、買い替える場合に適用できる特例です。売却した家の譲渡価額より買い替えた家の取得価額の方が高い場合、売却によって発生した譲渡所得の課税を繰り延べることができます。

〇居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

譲渡所得がマイナスになったときにも、要件を満たせば特例を受けることができます。そのひとつが、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」です。 そもそも、譲渡所得がマイナスになった場合には、所得税や住民税はかかりませんが、家の売却損を給与などのほかの所得と相殺することで、所得税や住民税を引き下げることができます。これは、不動産を売却した年の翌年から以後3年間の所得までを繰り越して控除できます。

〇空き家に係る譲渡取得の特別控除

空き家を相続し、耐震リフォームや家屋の取り壊しなどを行なって不動産を売却する場合にも、3,000万円特別控除を受けることができます。

不動産売却時の税金対策に関する注意点

不動産を売却した際に発生する税金は、各種控除の特例を上手に適用すれば、減税につなげることができます。しかし、これらの特例を活用する場合、いくつかの注意も必要です。
ここでは、不動産売却時の税金対策に関する具体的な注意点を解説します。

控除は併用できない場合がある

不動産売却時に利用できる各種控除の特例は、併用できないものがあります。それが「住宅ローン控除の特例措置」と「3,000万円特別控除」です。
また「特定の居住用財産の買換え特例」も、住宅ローン控除の特例措置と併用ができません。ポイントは、それぞれの特例が持つ特徴や条件などをしっかりと把握することです。どの特例が最善の税金対策につながるのか、事前に確認・吟味し、控除の適用を受けるようにしましょう。

事例とシミュレーション

不動産の売却にかかる税金や計算方法がわかったところで、よくある事例を使って、シミュレーションしてみましょう。
 

築10年の居住用マンション(購入価格5,000万円)を売却

築10年、購入価格5,000万円の築10年の居住用マンションを売る場合の、譲渡価額、取得費、譲渡費用、課税譲渡所得、譲渡所得税と住民税をそれぞれ算出していきます。 このマンションは、都心にある、鉄骨鉄筋コンクリート造を想定しています。

〇譲渡価額

売却想定価格5,500万円+固定資産税清算金15万円=譲渡価額5,515万円

〇取得費

まずは、減価償却費を算出します。
・建物の購入価格3,000万円×0.9×0.015×10=減価償却費405万円

購入価格から、減価償却費を引き、取得費を計算します。
・土地の購入価格2,000万円+建物の購入価格3,000万円-減価償却費405万円=取得費4,595万円

〇譲渡費用

仲介手数料、印紙税をまずは出します。
仲介手数料は、売却価格の3%が一般的なので、その数字で計算していきます。
・売却想定価格5,500万円×3%×1.1(消費税)=181万5,000円

売却想定価格5,500万円なので、印紙税は6万円です。

仲介手数料と印紙税を足して、譲渡費用を計算します。
・仲介手数料181万5,000円+印紙税6万円=譲渡費用187万5,000円

〇譲渡所得

譲渡価額4,595万円-取得費3,676万円-譲渡費用187万5,000円=譲渡所得731万5,000円

〇課税譲渡所得

譲渡所得は、731万5,000円です。譲渡所得が3,000万円以下なので「3,000万円特別控除」の特例が適用でき、731万5,000円全額が控除されます。
・譲渡所得731万5,000円-特別控除731万5,000円=課税譲渡所得0円

〇譲渡所得税と住民税

課税譲渡所得がプラスになっていないので、税金はかかりません。よって、譲渡所得税と住民税は0円です。
 

住まなくなって4年経った築10年の居住用マンション(購入価格5,000万円)を売却

前述したシミュレーションのマンションが、住まなくなって4年経った場合だと、それぞれの金額はどのようになるのでしょうか。計算していきましょう。

〇譲渡価額

売却想定価格5,500万円+固定資産税清算金15万円=譲渡価額5,515万円

〇取得費

減価償却費を算出します。
・建物の購入価格3,000万円×0.9×0.015×10=405万円

購入価格から、減価償却費を引き、取得費を計算します。
・土地の購入価格2,000万円+建物の購入価格3,000万円-減価償却費405万円=取得費4,595万円

〇譲渡費用

まずは、仲介手数料、印紙税を算出します。
仲介手数料は、売却価格の3%が一般的なので、その数字で計算していきます。
・売却想定価格5,500万円×3%×1.1(消費税)=181万5,000円

売却想定価格5,500万円なので、印紙税は6万円です。

仲介手数料と印紙税を足して、譲渡費用を計算します。
・仲介手数料181万5,000円+印紙税6万円=譲渡費用187万5,000円

〇譲渡所得

譲渡価額4,595万円-取得費3,676万円-譲渡費用187万5,000円=譲渡所得731万5,000円

〇課税譲渡所得

譲渡所得は、731万5,000円です。ここまでは前述のシミュレーションと変わらないのですが、住まなくなって4年経過した物件なので、特例が適用できません。特例の適用条件には、「実際に居住している物件」もしくは「実際に居住していた事実があり、住まなくなってから3年が経過した日の12月31日までの物件」でなければならないからです。

そうなると、
・譲渡所得731万5,000円-特別控除0円=課税譲渡所得731万5,000円
となります。

〇譲渡所得税と住民税

所有して5年が経過しているので、税率は、所得税15%×2.1%(合計15.315%)、住民税5%です。

所得税は、
・課税譲渡所得731万5,000円×15.315%=所得税112万200.9円。100円未満切り捨てのため、112万円

住民税は、
・課税譲渡所得731万5,000円×5%=住民税36万5,750円

となり、所得税と住民税の合計は、148万5750円となります。

これによってわかるように、特例を受けることができれば、税金を抑えることができます。特例をしっかり理解し、上手に活用しましょう。

税金に関するよくある質問!

ここでは、不動産を売却するときに関わる税金についてのよくある質問を、回答も合わせてご紹介していきます。
 

譲渡所得税と住民税は必ず払わなければならないの?

譲渡所得税と住民税は、必ず納税しなければならないわけではありません。譲渡所得税と住民税は、不動産を売却したことによって利益が発生したときのみ支払います。ですので、利益が出ていない場合は払う必要がないのです。
 

所有期間で税率は変わるの?

不動産の所有期間によって、税率は変わります。その節目となるのが「5年」です。

〇不動産を売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えている場合

長期譲渡所得(所有期間が5年超えの場合):20.315%(所得税15%×復興特別所得税2.1%+住民税5%)

〇不動産を売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年以下の場合

短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合):39.63%(所得税30%×復興特別所得税2.1%+住民税9%)

所有期間が5年を超えたほうが、税率が低くなるのです。
 

不動産を売ったら確定申告が必要?

不動産を売却したときには、必ず確定申告をしましょう。というのも、売却した不動産で利益が出た場合にはその所得額を申告しなければなりません。また、利益がなければ、確定申告の必要はありませんが、所得税の還付を受けることができる可能性もあります。
自営業の方は確定申告を行いますが、サラリーマンなどの給与所得者でも、不動産の売却でより利益が出た場合は、会社の年末調整とは別に確定申告をしてください。
 

相続した土地を売却する場合の税金は?

相続した土地を売却する場合、譲渡所得税、住民税、印紙税といった相続税が課税されます。さらに、該当の不動産に金融機関の抵当権が設定されているときは、抵当権抹消登記をおこなうため、登録免許税も負担しなければなりません。抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、不動産の数×1,000円です。

譲渡所得税と住民税の税率は、不動産の所有期間によって異なり、その所有期間とは、被相続人(亡くなった人)が所有していた期間も含めたものです。つまり、土地を相続した日からではなく、被相続人が土地を取得した日から税率が判定されることになります。
譲渡所得税の算出には、譲渡収入金額や取得費、譲渡費用が必要です。特に取得費は、被相続人が土地を購入したときの金額が適用されるため、あらかじめ調べておきましょう。ただし、取得費が不明な場合、譲渡価格の5%を所得費として計算することができます。

この相続した土地を売却して得た利益には「取得費加算の特例」を使うことにより、所得税を取得費に加算することができるため、課せられる相続税を減税できます。 といっても、取得費に加算できる所得税は、特例の計算式に基づいて算出された金額の一部であり、全額ではありません。
また、特例を受けるためには「相続または、遺贈によって取得した財産である」「相続時に相続税が課されていて納税している」「相続開始日の翌日から3年10ヶ月以内に売却している」といった条件を満たしていることが必要です。
 

不動産売却に消費税はかかる?

消費税の課税は、基本的に相手が課税事業者であるかなどで判断します。したがって個人間であれば、不動産売却に消費税はかかりません。それは、土地・建物どちらでも一緒です。しかし、不動産会社に売買の仲介を依頼する場合、仲介手数料や司法書士報酬に消費税が課税されるようになっています。
また、家賃収入を得ることが目的だった中古マンションなどの投資用不動産を売却する場合、個人間の売買であっても、売り主が事業者に該当するため、消費税の課税対象です。
ちなみに、不動産会社でも土地の売買のみならば、非課税扱いとなります。土地の売買は、資本の移転であり、消費される対象ではないからです。ただし、土地と建物を購入する場合、建物の方に消費税が課税されることになります。
 

土地と建物の売却における税金の違いは?

不動産を売却する場合、空地になった土地のみを売却するケースや、一戸建て・マンション・ビルなどの土地と建物の両方を売却するケースがあります。
どちらのケースでも、課税される税金は同じです。しかし、税金対策として特例の適用を受ける場合、土地のみに適用される特例や建物が対象となった特例などがあるため、ケースごとに課税額の差が発生します。
また、土地を売却する場合、必要となる測量費や造成費などを取得費・諸費用として計上することが可能です。

シミュレートして不動産売却税をチェック!

税金というと、計算がややこしいイメージがあります。しかし、不動産の売却にかかる税金に計算方法は、ほかの税金よりも比較的簡単です。ぜひ、ご自身でシミュレートしてみてください。
また、売却にかかる税金には特例があり、税金を抑えられることもご紹介しました。適用条件はありますが、損をしないためにも特例が該当するかどうかチェックしてください。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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