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3000万円の特別控除とは?適用条件や計算方法などを徹底解説!

不動産を売却した際には、税金が発生するケースがあります。これを知らないと税金の納め忘れなどが発生してしまいます。
いざというときに慌てなくてもいいように、不動産売却における控除について理解しておきましょう。
この記事では、3000万円の特別控除の特例と不動産売却における控除について解説をしていきます。

目次

譲渡所得税とは

譲渡所得税とは、不動産を売却して利益が発生した場合に発生する税金のことです。
重要なのは、あくまでも利益が発生した場合に発生するということです。そのため、3000万円で購入した不動産を2000万円で売却したとしても、譲渡所得税は発生しません

しかし、4000万円で売却したのであれば、利益となった1000万円には譲渡所得税が課せられます。

3000万円の特別控除の特例とは

住むことを目的にした不動産を居住用財産と呼びます。その居住用財産を売却する際には、譲渡所得から最大で3000万円の控除が発生します。
そのため、先ほどの例で紹介した不動産が居住用財産だった場合は、1000万円の利益が出てもそれに控除が適用されるため、譲渡所得税が発生しない可能性があるということです。
 

3000万円の特別控除の特例の適用要件

3000万円の特別控除が適用されるには、居住用財産を売却する必要があるのですが、適用されるかどうかわかりづらいケースがあります。それについて確認をしていきましょう。
 

●被相続人が老人ホームに入所

被相続人が老人ホームに入所すると、それまでに使われていた不動産は居住用不動産でなくなってしまいます。その不動産に3000万円の特別控除を適用するには、以下の要件を満たさなくてはいけません。
 


 ・被相続人が介護保険法に規定する要介護認定を受け、相続開始の直前まで老人ホームに入所をしていたこと。
 ・被相続人が老人ホームに入所をしたときから、相続開始の直前までその不動産について一定に使用がされており、事業や貸付などで利用されていないこと。
 


これらの要件を満たした場合のみ、3000万円の特別控除が適用されるのです。
 

●兄弟で相続した土地建物を売却

兄弟で相続した土地建物を売却する場合は、それぞれが3000万円の控除を受けることができます。
しかし、兄は土地、弟は建物といった分配をした場合は、受けることができないので気を付けましょう。
 

●相続した空き家と自宅を両方売却

相続した空き家と自宅を両方売却する場合は、どちらの物件も控除対象となります。しかし、両方合わせて3000万円が控除額の上限となるので気を付けましょう。
 

●敷地の一部を売却

敷地の一部を売却する場合は、それが居住用財産の売却とみなされるかどうかで控除が適用されるかどうかが異なります。
例えば、庭先部分だけを売却した場合は、そこだけでは居住用の土地に該当しないので控除は適用されません。
 

●店舗併用住宅を売却

店舗併用住宅の場合は、居住用に使っていた部分に限って3000万円の控除が適用されます。利用面積の比率で計算を行います。

3000万円の特別控除の特例適用時の計算方法

ここでは3000万円特別控除が適用された場合の計算方法について確認していきましょう。

3000万円の特別控除の特例適用時の計算方法

まずは譲渡益を計算します。これがマイナスの場合は、そもそも税金が発生しません。
そこから特別控除額である3000万円を引くことで、課税譲渡所得を求めることができます。
 

10年超所有の場合の軽減税率と併用したときの計算方法

10年を超えて不動産を所有した場合は、軽減税率が適用されます。
この場合の計算方法は、先ほどの方法で求めた譲渡所得額に所得税と住民税を適用します。
10年を超えて所有した不動産に関しては、6000万円分のみ税率が異なるため、分けて計算を行わなくてはいけません。
 


 仮に2億円の課税譲渡所得があるとしましょう。
 この場合は、
 6000万円に対する所得税=6000万円×10.21%
 6000万円に対する住民税=6000万円×4%
 で計算が可能です。

 そして残りの1億4000万円に関しては、別の税率が適用されます。
 1億4000万円に対する所得税=1億4000万円×15.315%
 1億4000万円に対する住民税=1億4000万円×5%
 


このように課税譲渡所得を分配して、異なる税率を適用するのです。

3000万円の特別控除の特例の手続き方法

ここでは、実際に3000万円の特別控除の特例の手続き方法について確認していきます。

(1)必要書類を準備する

まずは、必要書類を準備します。申請において必要な書類は以下の2つです。
 


 ・譲渡所得の内訳書
 ・住民票の写し
 


譲渡所得の内訳書に関しては、税理士に依頼をして記入してもらうケースが多いです。
 

(2)確定申告を行う

譲渡所得税は分離課税なので、給与とは別で確定申告を行う必要があります。不動産を売却した翌年の2月15日~3月15日の間に行いましょう。

3000万円の特別控除の特例の注意点

ここでは、3000万円特別控除の特例における注意点について解説をしていきます。
 

●空き家後の譲渡

空き家にした後に譲渡する場合は、一時的に空き家にするのか、今後住む予定がないのかをはっきりさせておきましょう。
実態として居住用財産と認められなければ、控除は適用されません。

●人に貸していた居住用財産の譲渡

控除は所有者が住んでいることが条件となります。
所有者が住まなくなってから3年が経過した後に売却すると控除が適用されないので注意しましょう。
 

●居住用財産の家屋を取り壊しての譲渡

居住用財産の家屋を取り壊して譲渡する場合は、1年以内の売買契約、住まなくなってから3年目の年末までの引渡しを行えば控除が適用されます。
しかし、人に貸してしまうと控除は適用されないので注意しましょう。
 

●相続した家の譲渡

居住用不動産として認められるのは、あくまでも自分が名義の不動産に居住していた場合のみです。
そのため、別名義の居住用不動産を相続したとしても、特例は適用されないので注意しましょう。  
 

●購入者が親族の場合は適用されない

3000万円の特別控除の特例を適用されるためには、該当する住居を「配偶者その他特別な関係のある者以外」に売却しなければなりません。つまり、売手と買手が特別な関係でないことが要件になります。
ここでいう特別な関係とは、夫婦や親子などを指す配偶者や直系血族のことです。また、生計を一にする親族も3000万円の特別控除の特例適用外に当たります。生計を一にするとは、日常生活の資金や資本を共にしていることであり、同居や別居に関わらず、家族と生活費を共有している場合をいうものです。その他には、住居を売った後もその住居で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

ただし、親族にあたる夫婦が離婚した場合、財産分与で手にした土地や建物ならば3000万円の特別控除の特例を適用することが可能です。離婚すれば、相手が親族ではなくなります。その後におこなう財産分与は、親族以外への譲渡になるため、特例が適用される要件に該当するからです。


●特例によっては併用できない

3000万円の特別控除の特例には、併用ができない他の特例があります。そのひとつが住宅ローン控除です。新居の買い換え(住み換え)時に適用できる住宅ローン控除を利用した場合、購入した新居に入居した年を境とし、前後2年間は3000万円の特別控除の特例を受けられなくなります。

自宅を売却する際、大半の人が同時に新居を購入するものです。そのため、住宅を売却して譲渡所得を手にし、上記の期間内に新居を購入する場合は3000万円の特別控除か住宅ローン控除いずれかの特例を選ばなければなりません。その他に、譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていた場合も3000万円の特別控除を利用することができなくなります。また、認定住宅新築等特別税額控除や、収用等により土地建物を売ったときの特例などを利用しているときも同様です。さらに、居住用財産に保有期間の要件はないものの3000万円の特別控除の特例を利用できるのは3年に1度だけとなっているため、注意するようにしましょう。

その他譲渡所得税に関わる控除

最後に、譲渡所得税に関わる他の控除について確認をしていきます。
 

●10年超所有軽減税率の特例

先ほどご紹介しました、10年を超えて不動産を所有した場合の軽減税率です。
これは課税譲渡所得のうち、6000万円を上限として所得税と住民税に関して税率が軽減されるというものです。
 

●特定居住用財産の買い換え特例

居住用財産を買い換えた場合は、買い換えたマイホームを将来的に譲渡したときまで譲渡益に対する課税が繰り延べられるという特例が適用されます。
 

●被相続人の居住用財産を売ったときの特例

相続などによって居住用財産を手に入れた場合に、それを売却すれば一定の要件を満たした場合に限って、譲渡所得の金額から上限3000万円まで控除の対象となります。
 

いろんな控除を有効活用しよう!

控除の種類はさまざまなものがあります。
それらを有効に活用すれば、支払う税金を大きく減らすことができるので、この記事の内容をしっかりと理解して不動産売却を行いましょう。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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