楽しい老後の住まいを実現するための考え方

老後に住宅を売却し住み替えをする理由

「子供が独立したら思い切り自分の時間を楽しみたい」、「老後には新しい趣味を見つけたい」など、より充実したセカンドライフを過ごすために、住み替えを決めるケースが多く見られます。

通勤や通学に便利な都心から、四季折々の景色を楽しめる郊外への住み替え、孤独になりやすい一戸建てから、ご近所同士の繋がりを築きやすいマンションへの住み替えなど、住まいに対する価値観の変化が生じているのも特徴です。

また、万が一、夫婦いずれかに看護や介護が必要になったときに備え、バリアフリー住宅へ住み替えをするケースもあります。2階建ての戸建て住宅から平屋へ、移動に時間を要する高層マンションから低層マンションへなど、手足が不自由になっても安心して暮らせる環境を身体が元気なうちに確保しておこうと考えるケースも多いようです。
 

老後の住まいのポイント

1日でも長く健康で自立した生活を送るために、徒歩圏内に生活必需品を購入するスーパーや病院、銀行、行政機関などが揃っていると安心です。また、高齢者でも通えるスポーツ施設や文化施設、公民館、図書館などがあれば、趣味や教養の時間を充実させることができます。

お互いが年をとっていくなかで、将来的に「老々介護」の問題を目の当たりにするかもしれません。最近では、独居高齢者の世帯数も増加しており、体調を崩しても通院も自由にできず孤立するケースが問題視されています。そのため、老後の住まいを子供夫婦と行き来しやすい場所に求めるのは大変重要なポイントです。

定年後に住宅購入する場合の返済プラン

理想的な暮らしを追求する一方で、住宅ローンの返済で生活に支障をきたさないよう、しっかりと資金計画を立てておくことが大切です。

貯蓄額と年金収入、既存住宅を売却した場合に得られる金額から、住み替えに費やせる金額の上限を設定し、その範囲内で老後の住まいを取得するようにします。住宅ローンは、各銀行によって返済終了の年齢の上限が定められている場合が多いので、いざ住宅ローンを利用としたときに、借り入れが難しいこともあります。

また、最近では持病があっても入れる保険が出てきていますが、銀行としてはちゃんと返済してくれないと困るので、原則として健康でないと住宅ローンの利用が難しいです。

もし、セカンドライフで新たな住宅の購入を検討する際は、早めに検討を始めて、住宅ローンの利用をするのかどうかを考えなくてはなりません。持病がある方も早めに相談することが重要になってきます。

また、新築にこだわらず、中古住宅を購入して使い勝手の良い間取りにリフォームする方法も良いでしょう。老後のことを考えて住み替えを検討する際、既存住宅を思い通りの金額で売却できるかどうかが最も心配な要素です。

諸費用の精算や住宅ローン減税申請の有無も資金計画に影響するため、素人だけで資金計画を立てるのは難しいかもしれません。

楽しい老後の住まいを実現するために、住み替えを決めたら早めに不動産会社などの専門家に相談することをおすすめします。

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監修者

大沼　春香（おおぬま　はるか）

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。