共有名義で所有している不動産の売却方法

不動産を複数人での共有名義で保有している場合、簡単に不動産を売却することができません。
それでは共有名義で不動産を所有している場合、どのような方法をとれば円滑に売却をすすめられるのでしょうか。
今回は不動産が共有名義になってしまう仕組みやメリットデメリット、共有名義の不動産の売却方法などについてご紹介します。
共有名義の不動産が発生するのはなぜ?
不動産はとても高額で、カメラや車を買うのとは勝手が違います。よほどのお金持ちでもない限り、現金でそのまま買うのは難しく、ローンで購入するスタイルが一般的です。
不動産の購入をあなた1人で行う場合は、もちろん名義はご自分だけになりますが、例えば親と共に家を建てたり、夫婦でローンを背負っていく場合では、本人だけでなく、親や配偶者も共有保有者となります。
共有名義には割合があり、不動産を購入する(家を建てる)のに、それぞれどれくらいの金額を出したかによって計算されます。
以前は働いているのが夫だけで、妻は専業主婦をしているため収入がなく、夫の名義だけで家を建てるのが普通でしたが、今では夫婦共働きという世帯も多く、ローンも共有で背負っていくスタイルが確立され、不動産の名義も夫婦共有になっているケースが見受けられます。
このほか、親が亡くなって実家を兄弟で相続した場合なども共有財産となるケースもあります。
共有名義のメリット・デメリット
【メリット】
不動産の共有名義のメリットとしては、税金面の待遇が大きいことが言えます。
住宅ローンを抱えている場合、住宅ローン控除(減税)というものがあり、通常はローン残高の1%の税控除を受けることができます。
例えば、夫婦2人でローンを支払っている場合、主人側にも妻側にもそれぞれ1%の控除を受けることができるため、節税面で非常に強いメリットがあります。
また、売却時の3000万円までの特別控除も、共有名義ですと倍の6000万円まで税金がかからなくなるため、高額な不動産を売る場合などにも節税のメリットが大きいと言えます。
【デメリット】
特にローンを支払っている場合に、例えば妻が会社を辞めたり、専業主婦になってしまった場合には所得がなくなってしまうため、ローンを支払うことができなくなります。事実上は夫が立て替える形になりますが、妻への贈与という形になるので、金額が高額になると贈与税の対象になる場合があります。
また、離婚をした場合では、不動産を半分に割ることはできないので、売らなければならない可能性があります。そのほか、不動産を売却するには共有者の承諾が必要となるため、自分だけの判断で売ることができなくなります。
仮に90%が自分のものであっても、共有名義ということになっていれば、割合に関係なく同意が必要で、自分の持ち分だけを売るということはできません。
共有名義の不動産を売却する方法
売却の契約に必要なものとして、一般的な不動産売却に必要な登記の権利書や識別書類、土地の測量図や境界確認書類などは必須です。
これら以外に共有者全員の実印と印鑑証明、免許証などの身分証明を準備するようにしてください。
そして売買契約時や決済には共有者全員が立ち会うことが原則で、それぞれ直筆でのサインが求められます。
不動産の共有は相続や夫婦でローンを背負う場合などに設定されることが多く、税金面のメリットが受けられる反面、手放す際にトラブルとなるケースも多いようです。
上記を参考にスムーズに共有不動産を売却してみてください。
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