任意売却を検討している方へ
- 任意売却をしたい方は、この記事でメリットデメリットをチェック
- 任意売却にはベストなタイミングがあります
任意売却はあまり推奨されるものではありませんが、知識を持って利用すれば、非常に便利な制度です。この記事を読んで、任意売却を詳しく知りましょう。
目次
そもそも任意売却とは？どんな場合にすべき？
任意売却とは、住宅ローンが残っている状態で物件を売買できる方法です。例えば離婚する際に、お金がなくて困るケースがあるでしょう。そのようなときに、任意売却は有効です。
ただし、任意売却にはリスクもあります。そのため、任意売却するべきパターンを知っておきましょう。
下記の2つに当てはまる場合は、任意売却を検討してください。
パターン① 実家や賃貸へ引越す
ひとつ目は実家や賃貸へ引越す場合です。離婚時、家族構成の変化から、広い家は管理も大変で不要に感じ、実家や賃貸へ引越しをする場合があります。
その際に残債が残っていれば、住宅ローンの支払と賃料の二重支払いが発生するリスクもあります。このような場合は任意売却するべきです。
パターン② 連帯保証人をやめたい
次に連帯保証人をやめたい場合です。夫婦で家を購入する際に、片方が債務者、もう片方が連帯保証人になる場合が多くあります。連帯保証人になっていると、債務者が住宅ローンを払えなくなった場合、もう一人が全ての住宅ローンを背負うことになることもありえます。
このような事態を防ぐために、連帯保証人をやめたい人もいるでしょう。ただし連帯保証人を辞めるためには、ローンを返済する必要があります。連帯保証人をやめたい、かつローン返済の見込みが立たない場合は、任意売却も視野にいれましょう。
任意売却はこちらの記事でも詳しく解説しています。より詳しく知りたい方は、チェックしてください。
任意売却の前に知っておくべきこととは？
任意売却を行う前に、知っておくべきことがあります。任意売却をしたのに、目的が果たせなかった、あまり得をしなかったという事態が起こらないように、注意してください。
知っておくべきこと① 任意売却をしても残債が残れば、自己資金で残債を支払わなければならない
任意売却をしても、残債が残った場合はその差損分は自己資金で支払わなければなりません。自己資金がない方は、不動産会社とよく話し合い、残債金額と売却金額の打合せを行いましょう。知っておくべきこと② 売却人は登記上の名義と一致しなければならない
任意売却を利用する場合、売却人と登記上の名義は同一でなければなりません。また登記上の住所、氏名と契約上の住所、氏名も一致する必要があります。もし離婚後に任意売却する場合は、名義が一致しない可能性もあるため、注意してください。
また、たとえ連帯保証人でも、名義が違えば不動産を勝手に売却できません。これらの理由から、任意売却は離婚前に済ませることをおすすめします。
離婚時に任意売却するメリットとは？
離婚時に任意売却する際は、離婚時に行うことをおすすめします。ローンを滞納してしまうと、自宅を競売にかけられてしまいます。
ここでは離婚時の任意売却がおすすめな理由を解説します。
メリット① 競売より高く売れやすい
ひとつ目のメリットは、競売より比較的高く売れやすいことです。任意売却せず、ローンを滞納していると競売にかけられます。しかし競売の場合は、売却価格が市場価格の7割と考えられています。任意売却は競売と違って、一般的な売却と同様の扱いになるため、高く売れやすいのです。離婚時に任意売却するデメリットとは？
任意売却は競売に比べて、メリットがありました。しかし一般的に任意売却は避けるべきと言われています。その理由をデメリットとともに解説します。
デメリット① 個人の信用情報に傷がつく
任意売却を行うと、信用情報に傷がついてしまいます。なぜなら任意売却を行うためには、住宅ローンの滞納状態が認められている必要があるためです。つまり任意売却を行うことは、住宅ローンを滞納したと証明していることとなります。
住宅ローンを滞納してから5年～10年、金融機関から融資を受けることができず、新たにクレジットカードを作ることもできません。
デメリット② 債権者との交渉に手間がかかる
任意売却は、通常の売却に比べて交渉の手間がかかります。通常の売却であれば、不動産会社に仲介を依頼して、売主を探すだけで済みます。しかし任意売却の場合は、借入先の金融機関との交渉も必要です。
住宅ローンが離婚時にトラブルになりやすい理由とは？
住宅ローンに残債がある場合は、トラブルになりやすいと考えられています。
その理由は主に下記の2つです。
・家を出る側に不満が残る
・金銭面の負担が増えて返済が難しくなる
まず離婚をすると、少なくとも片方が家を出ることとなります。この場合、二人が同様にローンを返済することには不満が残るでしょう。法律上は家を出た方もローンを返済しなければならないためです。
次に、離婚によって金銭面の負担が増えることで、トラブルに発展しやすくなります。特に夫だけ働いていて、妻が専業主婦だった場合が典型的な例でしょう。離婚後に妻もローンを支払わなければならなくなった場合、生活が苦しくなることは否めません。
離婚前に任意売却を進める方法とは？
任意売却をスムーズに進めるためには、離婚前から進めることをおすすめします。ここでは離婚前に任意売却を進める方法を解説するため、参考にしてください。
１：夫婦間の冷静な話し合い
任意売却するためには、夫婦2人の同意が必要です。離婚してしまうと、なかなか二人で話し合う機会を作ることも難しいため、離婚前に冷静に話し合いましょう。２：任意売却に強い不動産会社を探す
次に任意売却に強い不動産会社を探しましょう。どの不動産会社も、同様に任意売却ができるわけではありません。やはり任意売却に強い不動産は、安心して依頼ができます。任意売却は手続きも多いため、不動産会社をしっかり選定することが大事です。３：債務者との契約内容を再確認
不動産会社探しと同時に、債務者との契約内容の確認も行いましょう。債務者が認めてくれなければ、任意売却を進めることはできません。住宅ローンの規約や契約書に、任意売却に関する記載がないか、確認してください。任意売却を上手に活用しよう
任意売却は、一般的に推奨されるものではありませんが、上手に使えば非常に役立ちます。
離婚してしまうと、経済的に困難になる人もいるでしょう。その時は、便利な制度をうまく活用して、少しでも負担を減らすしかありません。
今回紹介した方法や時期を参考に、任意売却を活用してください。
監修者
大沼 春香（おおぬま はるか）
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。
