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空き家の固定資産税はいくら?特定空き家とは?かかる税金や対処法を解説

使わない家は空き家として放置しても大丈夫だと思っていませんか?
仮に誰も利用していない空き家だったとしても、税金や管理責任が発生します。

今回は固定資産税をはじめとする空き家の税金や責任について解説していきます。
 

目次

空き家の定義:「空き家」と「特定空き家」

空き家とは、1年以上誰も住んでいない、または使われていない家のことと国土交通省は定義しています。
2015年5月施行の空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)によると、判断基準は電気・ガス・水道の使用状況や管理状況、利用実績などです。
さらに、空き家の中でも次の4つに当てはまる場合、特定空家等に認定されます。

・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

ただし、人が住んでいないとしても、直ちに空家になるわけではありません。
空き家には4つの種類があるからです。


近年問題となっている空き家は、その他の住宅に当てはまります。

空き家にかかる税金

誰も利用していない空き家であっても税金は発生します。空き家に発生する税金には以下のようなものがあります。
 

(1)固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や建物、償却資産を所有している場合に課される税金です。空き家にかかる固定資産税は下記のように計算されます。
 


  固定資産税=課税台帳に登録されている価格×税率1.4%
 


課税台帳に登録されている価格は、対象となる空き家の所在地を管轄する都税事務所や市区町村役場にて確認することができます。
 

(2)都市計画税

都市計画税とは、1月1日時点で都市計画区域のうち市街化区域に土地や建物を所有している場合に課される税金です。
都市計画税は下記のように計算します。
 


  都市計画税=課税台帳に登録されている価格×税率0.3%(市町村によって異なる)
 

なお、特定空き家ではない空き家の場合、一定の軽減税率を受けられることがあります。
 

(3)相続税

空き家を相続した場合、その空き家には相続税がかかります。
相続税は空き家以外の財産も含めて次のように計算します。
 


  相続税=課税遺産総額×自身の相続分×相続分に応じた税率-控除額
 


なお、空き家についても一定の場合において相続税が軽減されることがあります。
 

(4)所得税

空き家を売却した場合、その売却金額に所得税が課されます。
空き家を売却した場合の所得税は次のように計算されます。
 


  収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額
 

空き家は解体しないほうが税制的に得?

空き家であっても、解体せずにそのまま残したほうが得になるとよく言われます。
その理由として、固定資産税が減額される住宅用地特例があるためです。

住宅がある土地の固定資産税が少なくなる制度で、建物を解体すると固定資産税は最大で6倍、都市計画税は最大3倍の税金が発生するとされています。
あくまで土地に対する固定資産税だけですが、建物を残しておけば税制上はお得に感じる人が多いでしょう。
しかし空き家を放置すると特定空家に認定され、結果的に住宅用地特例が適用されなくなる可能性が高いです。

また、特定空家に認定されると50万円以下の過料に加え、建物解体の行政代執行費用を請求されるなどのペナルティもあります。
空き家を残して固定資産税を安くするよりも、結果的にデメリットのほうが大きくなると考えられます。

特定空家に認定されないようにするには、定期的に管理を行うこと、電気・水道・ガスなどの生活インフラの契約をしておくことが重要です。
空き家の解体には多額の費用が必要になるため、税負担の比較して、どちらがお得になるか計算して選択しましょう。
 

特定空き家に指定されるまでの流れとリスク

ここでは、空き家が特定空き家に指定されるまでの流れをご紹介します。また、指定された場合に考えられる、いくつかのリスクも見ていきましょう。
 

特定空き家指定までの流れ

特定空き家は2015年5月26日に施行された空家等対策特別措置法に、その規定が定められています。以下が特定空き家に指定されるまでの大まかな流れです。

1.行政に空き家の苦情や相談が入る
2.該当する空き家の状態把握
3.空き家の所有者に管理状況の問い合わせ
4.空き家の所有者に建物の除却、修繕、立木竹の伐採など、助言・指導
5.空き家の現地調査・立入調査
6.特定空き家指定の最終的な判断・認定

行政から受けた助言・指導ののち、それでも空き家の状態が改善されないと認められた場合、該当する空き家の所有者などに対し、相当の猶予期限を設け、必要な措置をとるように勧告がおこなわれます。
空き家の規模や措置の内容によっても異なるため、相当の猶予期限に具体的な期間はありません。一般的には、空き家を整理するための期間や工事の施工に要する期間などを合計したものが基準となるようです。
 

特定空き家は固定資産税の負担が増大

空き家のずさんな管理に対し、行政から受けた助言や指導、勧告にも従わなければ、該当する空き家が建つ土地の固定資産税に適用された住宅用地の特例が解除されます。固定資産税は、土地や建物といった不動産の所有者に課せられる地方税であり、課税評価額に1.4%をかけた金額が基本です。

所有する土地の上に住宅が建っている場合、住宅用地の特例が適用され、土地に対する固定資産税の課税標準が1/3~1/6に減額されます。しかし、この特例が解除されてしまえば、固定資産税が3倍~6倍までに跳ね上がり、その負担が増大してしまうのです。
また、地域によって課税されている都市計画税の特例も解除されてしまいます。

これらの改善措置命令もすべて無視した場合、最終的にとられる手段が行政代執行です。これは、行政による強制的な改善措置を指すものであり、所有者の代わりに行政が空き家の改善・解体をおこないます。代執行にかかった費用は、所有者に請求されるうえ、残った土地や所有者の給与所得などを差し押さえられる可能性もあるでしょう。

空き家を所持するデメリット

基本的に空き家のまま家を所有することには多くのデメリットがつきまといます。
具体的には下記のようなデメリットがあります。
 

固定資産税が高くなる

空き家が特定空き家であると判断されてしまうと、空き家の立っている土地について固定資産税の計算における軽減の特例が適用されなくなってしまいます。それにより、土地部分の固定資産税が大幅に高くなってしまいます。
 

建物の劣化

空き家のように人の出入りのない建物は換気の頻度が低くなり劣化が早くなります。環境次第では、数年の放置であたかも10年以上もの時間が経ったかのように劣化してしまうこともあります。
 

防犯

家屋が空き家のまま放置されているとその空き家が犯罪に利用される恐れがあります。仮に空き家自体が直接的に犯罪に利用されなくとも、ゴミが不法投棄されるなど地域の治安を悪化させる原因にもなります。
 

景観悪化

放置されてボロボロな空き家が存在していると周囲の景観が大きく損なわれます。それにより周辺住民から苦情が来たり、自治体から注意を受けたりすることもあります。

空き家が原因で損害賠償を請求される場合も

劣化した空き家が原因となって他人にけがをさせてしまったり、財産に損害を与えてしまったりした場合はそれによって生じた損害を賠償しなければなりません。
例えば、空き家が倒壊して通行人にけがをさせてしまった場合や、空き家からの飛来物で隣家の車を傷つけてしまった場合などがその代表例です。

固定資産税が減税される場合

空き家には土地の部分について住宅用地の特例という軽減制度があります。
具体的には、敷地面積20平方メートルまでの部分については土地の評価額を6分の1として、20平方メートルを超える部分については3分の1として固定資産税を計算します。
しかし、その空き家が特定空き家に指定されてしまうと上記の特例は適用されなくなることに注意が必要です。

固定資産税を滞納した場合

固定資産税は税金です。固定資産税を滞納すると下記のような段階で手続きが進められます。最終的には財産を差し押さえられて強制的に徴収されることになります。
 

延滞金が発生する

固定資産税の支払いが遅れるとそれに応じた延滞金が発生します。延滞金は空き家の広さにもよりますが、年間で数万円から数十万円程度となることが想定されます。
 

督促状が届く

固定資産税の納付期限から20日を過ぎても固定資産税が納付されない場合、空き家を管轄する市区町村から督促状が届くようになります。
それでも支払いがない場合は内容証明郵便にて催告書が届きます。
 

財産調査が行われる

催告書が送られても納付がなかった場合は財産調査が行われます。財産調査によって固定資産税を払うだけの財産があるのかどうか、隅々までチェックが入ります。
 

差し押さえられる

財産調査が終了した段階においてもなお固定資産税の支払いがない場合、いよいよ給与や預金といったお金はもちろん、家や貴金属などお金以外でも換金できる財産はすべて差し押さえられます。
その後、それらは競売によって換金されて固定資産税の支払いに充てられます。

空き家の対処方法・特定空き家にならないためにすべきこと

大きなリスクが生じる特定空き家に指定されないためにも、所有する空き家をしっかりと管理する必要があります。しかし、実際にどのような空き家対策を講じればよいのでしょうか?
売却と賃貸をキーワードに、具体的な対策の成功事例をご紹介します。
 

【事例1】不動産会社に売却を依頼する

空き家を使用するつもりがない場合、不動産会社を仲介に売却すれば、効率的な空き家対策をおこなうことができます。

田中さん(仮名)が所有する築50年を超える空き家は、外壁や屋根瓦の損傷が激しいため、周囲から家屋の倒壊を心配されるほど老朽化が進んでいました。もう住む予定がないことから、思い切って空き家の売却を決意した田中さん。
家屋の状態はよくないものの、空き家のある場所が最寄り駅から徒歩5分の好立地であることが幸いし、不動産会社から提示された金額が想像を超える高額査定だったそうです。

また、井上さん(仮名)が売却した空き家は、家屋の築年数や状態を考えると一般的な相場よりも低い査定額になってしまいましたが、固定資産税の支払いや維持管理の費用や手間などから開放されたことを喜んでいました。
不動産を売却すれば、譲渡資産税を課税されますが、それも「空き家の3000万円特別控除」などの特例を利用することにより、上手な資産管理につなげることができるでしょう。
 

【事例2】空き家を古民家として賃貸物件に

使用していない空き家を賃貸物件として活用する方法もあります。
山本さん(仮名)が相続した築40年の空き家は、幸いにも外壁や屋根瓦に大きな問題はないものの、内装や設備機器などが劣化を起こしている状態です。

そこで、昨今の古民家ブームを意識したうえで、空き家をリフォームし、賃貸物件にすることを考えます。外観の雰囲気を損なわず、問題点である内装や設備を改装したところ、ギャラリーとしても使える古民家を探していた夫婦と無事に賃貸契約を結ぶことができました。

また、佐藤さん(仮名)も管理に悩んでいた郊外に所有する農地付きの空き家を、最小限の設備投資でリフォームし、農業を楽しみたいというご家族に貸し出したそうです。どちらも設備投資にかかった費用や固定資産税の支払いなどを賃料からまかなえる収益物件として、大いに空き家を資産活用しています。

空き家の対策の成功事例

大きなリスクが生じる特定空き家に指定されないためにも、所有する空き家をしっかりと管理する必要があります。しかし、実際にどのような空き家対策を講じればよいのでしょうか?
売却と賃貸をキーワードに、具体的な対策の成功事例をご紹介します。
 

【事例1】不動産会社に売却を依頼する

空き家を使用するつもりがない場合、不動産会社を仲介に売却すれば、効率的な空き家対策をおこなうことができます。

田中さん(仮名)が所有する築50年を超える空き家は、外壁や屋根瓦の損傷が激しいため、周囲から家屋の倒壊を心配されるほど老朽化が進んでいました。もう住む予定がないことから、思い切って空き家の売却を決意した田中さん。

家屋の状態はよくないものの、空き家のある場所が最寄り駅から徒歩5分の好立地であることが幸いし、不動産会社から提示された金額が想像を超える高額査定だったそうです。

また、井上さん(仮名)が売却した空き家は、家屋の築年数や状態を考えると一般的な相場よりも低い査定額になってしまいましたが、固定資産税の支払いや維持管理の費用や手間などから開放されたことを喜んでいました。
不動産を売却すれば、譲渡資産税を課税されますが、それも「空き家の3000万円特別控除」などの特例を利用することにより、上手な資産管理につなげることができるでしょう。
 

【事例2】空き家を古民家として賃貸物件に

使用していない空き家を賃貸物件として活用する方法もあります。

山本さん(仮名)が相続した築40年の空き家は、幸いにも外壁や屋根瓦に大きな問題はないものの、内装や設備機器などが劣化を起こしている状態です。

そこで、昨今の古民家ブームを意識したうえで、空き家をリフォームし、賃貸物件にすることを考えます。外観の雰囲気を損なわず、問題点である内装や設備を改装したところ、ギャラリーとしても使える古民家を探していた夫婦と無事に賃貸契約を結ぶことができました。

また、佐藤さん(仮名)も管理に悩んでいた郊外に所有する農地付きの空き家を、最小限の設備投資でリフォームし、農業を楽しみたいというご家族に貸し出したそうです。
どちらも設備投資にかかった費用や固定資産税の支払いなどを賃料からまかなえる収益物件として、大いに空き家を資産活用しています。

空き家のままで維持する場合のポイント

空き家をそのままにしておくか、それとも解体するかは大きな決断です。
空き家を今のままで維持したい方は、次のポイントを参考にお得に維持する方法を検討しましょう。

・月に1度は換気・通水・清掃を行う
・害虫駆除や庭木の手入れを行う
・定期的に外壁・内装のメンテナンス
・防犯カメラの設置

自治体の空き家改修補助金を利用する住宅は人が住んでいる間は問題なくても、人が住んでいないと急激に老朽化します。
白アリなどの害虫の発生はもちろん、屋内に湿気がこもって木造の建物は腐り、水道管も錆びやすくなるでしょう。

空き家を放置して老朽化すれば、いずれ特定空家に認定され、固定資産税が高くなるリスクもあります。空き家の現状を維持するためには、月に1回程度でも訪れ、換気や掃除、敷地内を管理することが重要です。
また、空き家には犯罪者やホームレスなどの不法侵入も起こりやすいため、防犯カメラの設置も欠かせません。

最後に、自治体に空き家ではないことを証明するため、改修や修繕の補助金申請もしましょう。
空き家であっても適切に管理されていれば、そのままの状態を長く維持できます。

固定資産税は空き家にも発生する

固定資産税をはじめ、各種の税金は空き家に対しても発生します。
空き家は管理責任について問題になることが多く、特定空き家に指定されてしまうと税金の負担も重くなります。

近年では空き家が原因となる事件や事故、治安の悪化が深刻になっており、国や自治体も空き家に対して厳しい目を向けています。
空き家を所有する場合は放置することなく、何らかの手段を講じて対策していきましょう。

 

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監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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