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相続診断士直伝!エンディングノートには何を書くべきか?

エンディングノートは、親世代が自身の遺志や希望を明確に伝えるための重要なツールです。財産分配や葬儀の具体的な希望を記載し、定期的に更新することで、家族間の争続を防ぎ、心理的な安心感を提供します。終活セミナーに参加して書き方を学ぶことで、エンディングノートの効果を最大限に引き出せます。この機会に親世代にエンディングノートを書くことを促し、家族全体の未来を守るための一歩を踏み出しましょう。
エンディングノートの書き方がわからないあなたへ
- なぜエンディングノートがお勧めされるか?
- どんなことを書くべきか?
エンディングノートとは何か?
エンディングノートとは、自分が亡くなった後に残された家族や友人に対するメッセージや情報を記録するためのノートです。例えば、母親が自身の生涯や家族への思いを書き記すことで、残された家族がその意思を尊重した行動を取ることができます。終活セミナーの認定資格を持った講師が指導する場合、このエンディングノートは終活の入口とも言われており、基本となる情報や大切にしたいメッセージを一冊にまとめることができます。
具体的には、生年月日や故郷、学生時代の思い出や、家族への感謝の気持ち、亡くなる前にしておきたいこと(バケットリスト)などを順に書くことができます。また、生前から家族に伝えておきたかったが、実際に伝える機会がなかった思いや後悔を詰め込むこともできます。これにより、家族はそのメッセージを受け取り、日常の中であなたの存在を感じ続けることができます。
エンディングノートは一度書き始めたら終わりではありません。例えば、「子供が結婚するたびに祝電を送られるようにしてほしい」とか、「遺産を一定の割合で◯◯基金に寄付してほしい」といった新しい情報や思いが年々加わっていくかもしれません。そのため、定期的に見直し、情報を最新のものにすることが重要です。これにより、親世代の方々は変わりゆく自身の意思や願いを確実に家族に共有することができるのです。
エンディングノートを書くメリット
エンディングノートを作成することで得られるメリットは多岐にわたります。その最も大きなメリットの一つは、家庭内での「争続」を防ぐことができる点です。例えば、ある家庭では父親が遺産の分配や葬儀の具体的な方法をエンディングノートに明記していたため、子供たちが無駄な争いをせずに協力して事を進めることができました。このように、親世代が自身の希望や財産分配の意向をきちんと記しておくことで、家族間のトラブルを未然に防ぐことができます。
また、エンディングノートがあることで、葬儀や遺産の処理がスムーズに進みます。例えば、「私の葬儀は簡素なものにしてほしい」とか、「祖父母の墓の隣に埋葬してほしい」といった具体的な希望が書かれていることで、家族がその意向に従ってスムーズに手続きを進めることができます。また、遺産も「この絵画は長男に、家は次男に」といった具体的な分配指示があると、家族の負担を大幅に軽減することができます。
さらに、エンディングノートは心理的な安心感ももたらします。親世代が「自分の最後の意思がしっかりと家族に伝わっている」と感じることで心の平穏を得られますし、残された家族も「親の遺志を尊重している」という自信を持つことができます。この心理的な安心感は、家族間の関係を良好に保つうえで非常に重要です。終活セミナーに参加することで、ノートの具体的な書き方や含めるべき項目について詳細な指導を受けられるため、一度参加をおすすめします。
エンディングノートの基本的な書き方
エンディングノートの書き方には特別なルールはありませんが、基本的なフレームワークを理解しておくと書きやすくなります。まず、自分の名前や住所、生年月日などの基本情報を書き始めると良いでしょう。例えば、出身地や家族構成、職業歴なども含めると、家族が簡単にあなたの正式な身元を確認できるため、後々の手続きがスムーズに進みます。
次に、家族の情報や連絡先を記載します。例えば、「緊急連絡先として、兄の〇〇や姉の△△を頼りにするように」とか、「親友の□□にも知らせてほしい」といった具体的な情報を記載します。これにより、残された家族が迅速に対応できるようになります。
財産に関する情報も詳細に記録します。例えば、「銀行口座は〇〇銀行の支店に、証券口座は△△証券にある」といった具体的な情報を記載します。これにより、相続の手続きがスムーズに進みます。特に、「家族誰にも相談せずにこの不動産を△△に寄付してほしい」といった具体的な指示があると、家族がその意向に基づいて動けます。
葬儀の希望も詳細に記しておきましょう。例えば、「自宅の庭で小さな家族葬をしてほしい」とか、「海に撒いてほしい」といった具体的な希望を書き込むことができます。また、遺産の分配に関する希望や、特定の人へのメッセージも含めると良いでしょう。これにより、「この古い時計は姪に受け継いでほしい」とか、「この土地は特定の団体に寄付してほしい」といった具体的な指示が家族に伝わりやすくなります。
最後に、エンディングノートは一度書いたら終わりではなく、定期的に見直すことが重要です。例えば、「新しい車を購入したので、その詳細も記載しておかなければ」といった風に、生活状況や価値観が変わるたびに更新を行うことで、常に最新の情報を家族に提供できます。
まとめ
エンディングノートは、親世代の方々が自分の遺志や思いをしっかりと家族や友人に伝えるための非常に重要なツールです。これを記すことで、家族間のトラブルを防ぎ、残された人々が心理的にも安心して事を進めることができます。特に、終活セミナーに参加して、具体的な書き方や注意点を学ぶことで、エンディングノートの効果を最大限に引き出すことが可能です。
親世代にエンディングノートを書かせることで、将来に向けた備えが整い、家族全体の幸福につながります。例えば、「母がこんなに具体的にいろんなことを考えていたとは知らなかった」と驚くことも多々あります。終活は難しいことばかりではなく、むしろ大切な人々に対する最善の配慮です。この機会に、ぜひ親世代の方々にエンディングノートの重要性を伝え、一緒に書き始めてみてはいかがでしょうか。家族全体の将来を守るためのこんな小さな一歩が、やがて大きな安心感をもたらすことでしょう。
監修者

岩本 大介(いわもと だいすけ)
相続診断士・
不動産終活士・不動産終活アドバイザー・
終活セミナー講師認定資格・
福祉住環境コーディネーター2級
不動産営業及びマーケターとして20年以上従事。
シニアやその子世代に寄り添い、
不動産のエキスパートとして
不動産の相続・空き家問題に取り組む。