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マンションの耐用年数は何年?寿命を迎えた場合の対処法や減価償却費について紹介

マンションの耐用年数と寿命を迎えた場合の対処法を解説

  • マンションの一般的な耐用年数を知りたい!という方は、この記事をチェック
  • 寿命を迎えてしまったマンションの対処法も合わせてご紹介
一生の買い物となるマンション購入。できれば長く安心して住みたいという気持ちは誰もが抱くことでしょう。
そこで気になるのが耐用年数。マンションの寿命にも関わる耐用年数は、どのようにして決まるものなのでしょうか?

今回はマンションの平均的な寿命や耐用年数を決める要素、寿命を迎えたマンションの対処法などについて、詳しく解説していきます。

目次

マンションの耐用年数はどれくらい?

平均的なマンションの耐用年数はどれくらいなのでしょうか。法律で定められた法定耐用年数についてまずは把握していきましょう。
 

マンションの耐用年数

マンションには、減価償却を計算するために「法定耐用年数」が定められています。
「資産が本来の目的で利用するのに耐えうる年数」として規定された年数で、法定耐用年数を過ぎてしまうと税務上の資産価値は無くなってしまいます。 しかし、耐用年数を過ぎたからといって住んではいけないということではありません。

法定耐用年数は物件の構造などによって年数が定められており、鉄筋コンクリートで建造されたマンションの場合、耐用年数は47年となっています。
 

マンションの平均寿命

では、実際にマンションに住むことができる年数はどのくらいになるのでしょうか?
マンションの寿命は物件の状態によって大きく変わってくるため、一概に断定することはできませんが、2013年に国土交通省が発表した調査結果によると、取り壊されたマンションの平均寿命は68年とされています。

また、建築基準法に準拠した対策がなされていることを証明する「劣化対策等級」の1級は、75年から90年の耐久性が見込めることを表しており、建築方法やメンテナンス次第では、100年以上住み続けられるマンションも存在しています。

マンションの寿命を決める要素

具体的にマンションの寿命はどういった要素で決まるものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
 

要素① 建築年

1981年6月から施行された新耐震基準では「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる」という耐震基準を義務付ける改正が行われました。 そのため、1981年6月以前と以降に建築されたマンションでは建造物としての寿命が大きく変わります。
 

要素② 建材

マンションの建設時に使用された建材の質によって建物の寿命は大きく変わってきます。品質の低いコンクリートなどで建てられたマンションの寿命は、一般的なものよりも短くなってしまいます。
 

要素③ 立地

マンションがどこに立地しているかによっても建物の寿命は左右されます。海に近い立地なら塩害によって腐食が進むため寿命が短くなるケースがあります。
また、地盤が弱い土地の場合は、地震による倒壊リスクが高く、耐用年数より早い時期に寿命を迎えることも考えられます。
 

要素④ メンテナンス

マンションは何も手入れせずにいると、寿命を縮めてしまいます。
長期修繕計画が作成されている場合は定期的にメンテナンスが実施されますが、築古マンションなど、長期修繕計画が作成されていない場合は修繕が適切に行われず、寿命が短くなってしまいます。
 

要素⑤ 経済的な価値

マンションの寿命を経済的な価値で見ると、築年数によって価値は大きく変わります。
大前提として、マンションの経済的価値は人が住み始めた瞬間から下落が始まり、入居時点で10%下落するとされています。特に10年毎に大幅な経済的価値の下落が起こり、築20年を過ぎると下落は顕著です。

一般的には築10年ほどで約70%、築20年ほどで60%以下、築30年で30%台まで経済的な価値は下落します。そして築40年を超えると経済的価値はほぼなくなり、土地だけの価値で価格が決まります。
ただしリフォーム・リノベーションによって、新築に近い状態を維持しているマンションも少なくありません。その場合は築年数が長くても経済的価値は高いこともあるため、下落率はあくまで目安と捉えましょう。

寿命を迎えたマンションの対処法

住むことが難しくなってしまったマンションはどうなるのでしょうか。実際に寿命を迎えた際にどのような選択肢があるのか押さえておきましょう。
 

対処法① 居住者負担による建て替え

1つ目は、居住者負担による建て替えです。
マンションを建て替えるには所有者の5分の4以上の賛成が必要になります。 また、建て替えには1戸あたり数千万円以上の費用がかかるとされているため、所有者の賛同を得るのはなかなか容易ではないのが現状です。
 

対処法② 容積率を上げて建て替え

現在積極的に推進されている方法が、容積率を利用した建て替えです。
容積率とは、人口をコントロールするために設けられた基準のことで、敷地面積に対する延べ床面積の割合を指します。都心部への人口集中などを防ぐために行政によって制限されています。

この容積率に余裕があった場合、以前のマンションよりも大きなマンションを建設することで戸数を増やし、増えた戸数分だけ分譲マンションとして販売すれば、居住者負担なく建て替えが行える可能性があります。
 

対処法③ マンション敷地売却制度の活用

3つ目の選択肢は、マンション敷地売却制度を活用した売却です。
マンション敷地売却制度とは、2014年から始まった制度で、5分の4以上の特別多数決議によって老朽化したマンションをデベロッパーなどに売却し、区分所有関係を解消することができる制度です。

ただし、マンション敷地売却制度を利用できるのは「旧耐震基準で建てられたマンションのうち、耐震診断によって実際に耐震性不足が認定されたマンション」とされているため、利用できるマンションが限られているのが現状です。
 

対処法④ 解体して土地を売却

マンションを解体して更地にし、土地を売却するという方法も考えられます。
しかし、マンションは解体費用が高額になる傾向があり、売却費用から解体費用を差し引くと期待するほどの売却益は得られないケースがほとんどです。
 

対処法⑤ そのまま住み続ける

耐用年数を迎えてもそのまま住み続けるという選択肢も現実的には多くあります。
特に居住者が高齢者の場合などは、これから新たに新居を探すという気力を持っていないケースも多く、そのまま住み続ける選択肢を取らざる得ない状況も少なくないようです。

マンションの減価償却費の計算方法とは

モノは使っていると少しずつ劣化していきます。マンションなどの資産も時間が経つにつれて劣化するため、価値が減っていってしまいます。この考え方を「減価償却」と言います。
減価償却の対象となる固定資産を「減価償却資産」と呼び、マンションなどの不動産所得が発生することになったら、必ずその初年度の確定申告のタイミングで正しい減価償却をしておく必要があります。

マンションの減価償却の計算法は、取得価額×償却率で計算されます。
まず、マンションで減価償却できるのは建物部分だけになるため、土地を除いた建物部分を建物本体と設備部分に分類します。これらは耐用年数が異なるため、分けて計算する必要があるためです。
この耐用年数によって償却率が決定します。

□関連リンク:
「建物の減価償却とは? 計算方法や耐用年数について解説」
https://www.baikyaku.polusnet.com/column/detail.php?n=340

マンションが寿命を迎える前に

今回はマンションの耐用年数や寿命を迎えた場合の対処法などについて解説しました。
人生の大きな買物となるマンション購入において、耐用年数や寿命についての知識を蓄えておくことは非常に重要です。
現在マンションを所有している方は、その寿命が来たときにどのような選択肢を取るべきか、前もって考えておくと良いでしょう。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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