
しかし、大切な資産を売却するわけですから、できるだけ良い条件で安心できる取引を行いたいものです。
そこで今回は、不動産を売却する際の注意点について詳しく説明していきます。
売却のタイミングは間違っていないか
不動産売却をする際にまず注意しておきたいのは、売却をするタイミングです。
一般的に不動産というのは、売却のタイミングによって価格に差がでるものです。
特に土地の価格は一年のうちに頻繁に変動する上に、もともとの価格が高いため数%の変動でも売却価格に大きく影響します。
いつまでに売らなくてはいけないという期限が決まっていないのであれば、本当に今が売りどきなのかを見極めることが大切です。
不動産が最も売れやすいと言われているのは、転勤などによって住まいを探している人が多い1月〜3月ですが、この時期にこだわる必要はありません。
近ごろはインターネットなどでも簡単に地価や周辺地域の不動産売買状況を見ることが可能ですので、こまめに情報をチェックしながら需要と供給のバランスを知ることが大切です。
仲介業者を査定額だけで決めない
不動産を売却する場合、ほとんどの人は不動産会社などに仲介を依頼します。
仲介業者は売主にとって大切なパートナーとなる存在ですから、どこに依頼をするかの決定は大変重要なポイントです。
まず注意したいのは、不動産の査定額は仲介業者によってかなり開きがでることがあるということです。
これは担当者のさじ加減で査定額を増減出来る為です。
より良い条件で売却してもらうためにも、不動産の査定は必ず複数業者に依頼し、その価格の根拠も提示してもらうようにしましょう。
また、仲介業者は査定額が最も高いからという理由だけで決めてしまうのではなく、その地域での売却実績、担当者の対応、扱っている物件の多さ、宣伝の仕方などをしっかりと見極めて選ぶことが大切です。
契約後のトラブルを防ぐためには
雨漏りやシロアリの被害など、売却予定の住宅が抱えている欠陥を「瑕疵(かし)」と言います。
売買契約後のトラブルを防ぐためには、瑕疵の扱いには注意が必要です。
何らかの瑕疵があるにも係らず、その事実を隠したまま不動産を売却してしまった場合、買主から損害買収請求をされてしまうだけでなく、場合によっては契約そのものを解除されてしまうこともあります。
建物に関する欠陥や、土地に建築条件などが課せられている場合、取引する不動産で過去に殺人事件などが合った場合、騒音や振動といった周辺環境の問題などがある場合には、契約の前に必ず情報提供を行うようにしましょう。
相続した不動産は3年以内に売却がお得
親などから相続した不動産を売却する場合、売却のタイミングによって税金が変わってきます。
これは、いわゆる「相続税の取得費加算の特例」というもので、相続が発生した日(亡くなった日)から3年10カ月以内の期間にその不動産を売却すると、所得税や住民税が安くなるという制度です。
ただし、この特例を受けるためには以下の条件を満たしていなくてはいけないので注意しましょう。
1)相続や遺贈によって不動産を取得した者であること
2)その財産を取得した人に相続税が課税されていること
3)相続開始日から3年10カ月の間までに売却していること
不動産の売却は、非常に大きなお金が動く取引です。
売却時や売却後のトラブルを防ぐためにも、上記の注意点を理解した上で慎重に検討することが大切です。
【タグ】#初心者,#コラム,#ポラス,#売却講座,
監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。