
不動産売却の仲介とは?
- 不動産売却の基本である「仲介」について、仕組みや流れ、メリット・デメリット、媒介契約の種類まで丁寧に解説。
- 仲介と買取の違いや、不動産会社の選び方も具体的に紹介します。
- 初めての売却でも安心して進めるための知識を提供します。
本記事では、不動産売却の「仲介」について、その基本的な仕組みから、メリット・デメリット、不動産会社を選ぶ際の重要なポイントまで、わかりやすく解説していきます。
目次
初心者でも利用しやすい不動産売却の仲介とは?

不動産の売却は大きな出来事です。特に初めての場合、専門知識や経験がないため、何から手をつければ良いか分からない方も多いでしょう。そのような状況で心強い味方となるのが、不動産会社による「仲介」です。
ここでは、仲介の基本的な仕組みから、もう一つの売却方法である「買取」との違いまでを解説していきます。
不動産売却の仲介とは
「仲介」とは、不動産会社に売却を依頼し、個人の購入希望者を探してもらう方法です。売主の代理人として、価格査定から広告活動、内覧の対応、価格交渉、契約手続きまで、専門的な活動のほとんどを不動産会社が代行してくれます。一般的な仲介による売却は、以下の流れで進みます。
①不動産会社の査定を受ける
②媒介契約を結ぶ
③売却活動を行う
④売買契約を結ぶ
⑤決済・引き渡しを行う
このように、不動産売却に詳しくなくても、プロが仲介役として間に入ってくれるため、初心者の方が利用しやすい売却方法と言えます。
仲介と買取の違い
不動産売却には「仲介」のほかに「買取」という方法もあります。買取とは、不動産会社が直接あなたの物件を買い取る方法です。二つの最も大きな違いは「買主が誰か」という点です。仲介の買主は一般の個人ですが、買取の買主は不動産会社そのものになります。仲介は高く売れる可能性がある一方、時間がかかる傾向にあります。対して買取は、価格が相場より安くなる代わりに、スピーディーに売却できるのが特徴です。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、ご自身の希望を整理し、自分に合った売却方法を選ぶことが大切です。
不動産売却時の仲介業者の主な仕事内容
不動産仲介業者は、売却の全工程を支える専門家です。まず、物件の価値を評価する「査定」を行い、周辺相場を基に最適な「売出価格を提案」します。次に、チラシや不動産ポータルサイトへの掲載といった「集客活動」で広く購入希望者を募り、問い合わせ対応から内見の調整・案内まで担当します。
購入希望者が見つかると、売主と買主の間で価格や引き渡し時期の「条件交渉」を代行し、合意に至れば「売買契約書」の作成も進めます。最終段階では、代金の「決済」と物件の「引き渡し」に立ち会い、所有権移転登記などの複雑な手続きまで、安全な取引が完了するようトータルでサポートします。
不動産売却で仲介を利用するメリット・デメリット
不動産売却で最も一般的な「仲介」は、専門家の力を借りて高値での売却を目指せる王道の方法です。しかし、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。
ここでは、仲介を利用する際の具体的なメリットとデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう
仲介のメリット
仲介を利用するメリットは、以下のとおりです。・買取よりも高く売れる可能性がある
・幅広い買主にアプローチできる
・販売活動や交渉をプロに任せられる
不動産会社がポータルサイトやチラシで広く購入希望者を募るため、多くの方の目に留まり、好条件での売却が期待できます。
また、専門的な知識が必要な価格交渉や、複雑な契約手続きもプロが代行してくれます。そのため、不動産売却の知識に自信がない方でも、安心して任せられる点が大きな魅力です。
仲介のデメリット
仲介のデメリットは、以下のとおりです。・売却までに時間がかかる
・仲介手数料がかかる
・内覧対応などの手間がかかる
買主を一から探すため、売却完了まで数ヶ月以上かかるのが一般的です。また、成功報酬として仲介手数料(売買価格400万円超の場合、上限は「価格×3%+6万円+消費税」)が必要です。
さらに、購入希望者の内覧に合わせて、室内の清掃や日程調整、当日の対応といった売主自身の手間が発生することも考慮しておく必要があります。
不動産売却で仲介業者を利用する際に知っておくべき契約形態
不動産会社に売却の仲介を依頼する際、必ず「媒介契約」という契約を結びます。媒介契約には、「一般」「専任」「専属専任」という3つの種類があり、それぞれ不動産会社の義務や売主ができることの範囲が異なります。
ここでは、3つの媒介契約の違いについて、具体的に解説していきます。
①一般媒介契約
「一般媒介契約」は、3種類の中で最も自由度の高い契約形態です。一番の特徴は、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる点です。また、売主自身が知人などに直接交渉して買主を見つける「自己発見取引」も認められています。一方で、不動産会社にとっては他社で契約が決まる可能性もあるため、物件情報を指定流通機構(レインズ)へ登録する義務や、売主への定期的な販売活動報告の義務がありません。広く浅く情報を公開したい方や、ご自身でも買主を探すあてがある方に適しています。
②専任媒介契約
「専任媒介契約」は、1社の不動産会社に絞って売却を依頼する契約形態です。複数の会社と同時に契約することはできませんが、売主自身が買主を見つける「自己発見取引」は認められています。不動産会社は、契約から7日以内に物件情報をレインズへ登録する義務があり、2週間に1回以上の頻度で売主へ販売活動の状況を報告する義務も負います。1社に任せることで、不動産会社は責任を持って販売活動に取り組んでくれるため、より積極的な売却活動が期待できる、バランスの取れた契約です。
③専属専任媒介契約
「専属専任媒介契約」は、3つの契約形態の中で最も拘束力が強く、不動産会社との連携が密になる方法です。依頼できる不動産会社は1社のみで、さらに売主自身が買主を見つける「自己発見取引」も認められていません。買主は必ずその不動産会社を通して見つける必要があります。その分、不動産会社の義務も最も重く、契約から5日以内のレインズ登録と、1週間に1回以上の活動報告が義務付けられています。特定の1社に全てを任せ、手厚いサポートと積極的な販売活動を期待する場合に適しています。
不動産売却の仲介業者は大手と中小企業のどちらを選ぶべき?
不動産売却を依頼する際、テレビCMでおなじみの大手企業と、地域に根差した中小企業のどちらを選ぶべきか、多くの方が悩みます。それぞれに異なる強みと弱みがあり、一概にどちらが良いとは言えません。
大切なのは、ご自身の物件の特性や、売却において何を重視するかを考え、最適な仲介業者を見極めることです。ここでは、大手と中小、それぞれのメリット・デメリットを比較し、会社選びの判断材料を解説します。
大手企業のメリット・デメリット
大手企業の最大の魅力は、圧倒的な集客力とブランド力にあります。全国的な広告展開や広いネットワークを活かし、多くの購入希望者にアプローチできるため、早期売却の可能性が高まります。また、知名度からくる安心感や手続きの安定性もメリットです。一方で、マニュアル化された対応がやや事務的になったり、担当者との相性が悪くても変更が難しかったりする場合があります。自社で買主を見つけようとするあまり、他の不動産会社からの購入希望者を紹介しない「囲い込み」という行為が行われるリスクにも注意が必要です。
中小企業のメリット・デメリット
地元に密着した中小企業は、柔軟で親身な対応が期待できるのが大きなメリットです。地域ならではの市場動向や買主のニーズに精通しており、売主の事情に合わせたきめ細かな販売戦略を立ててくれます。担当者の裁量が大きく、スピーディーな対応も魅力です。ただし、広告力では大手に劣る場合が多く、会社や担当者によって経験・知識の差が大きい点には注意が必要です。中にはルール遵守の意識が低い業者もいるため、信頼できる会社かしっかりと見極める必要があります。
不動産売却時の仲介業者を選ぶポイント

不動産の売却は、どの会社に依頼するかによって、売却価格や成約までのスピード、さらには満足度も大きく変わってきます。だからこそ、表面的な条件にとらわれず、「この会社に任せてよかった」と思える相手を選ぶ目を持つことが必要です。
ここでは、信頼できる不動産会社を選ぶために、売却前にぜひ確認しておきたい5つのポイントをご紹介します。
ポイント① 不動産売却の実績と専門性を確認する
不動産会社を選ぶときは、まずその会社がどんな物件をどれだけ売ってきたかを確認するのが基本です。特に、自分が売ろうとしている物件と同じエリアや種類(マンション・戸建て・土地など)での実績があるかどうかは、大きな判断材料になります。同じような物件を数多く扱ってきた会社なら、価格の相場観や買い手のニーズにも精通しており、売り出し方にも無駄がありません。適切な価格設定や販売戦略を立てやすく、高値でスムーズに売れる可能性も高まります。
ポイント② 担当者の対応力・信頼性を見極める
不動産会社そのものと同時に、窓口となる「担当者」の質を見極めることは非常に重要です。売却活動は数ヶ月にわたるため、信頼できる担当者でなければ安心して任せられません。質問に対して迅速かつ的確に答えてくれるか、専門的な内容も分かりやすく説明してくれるか、誠実な人柄か、といった点を確認しましょう。約束やスケジュールをきちんと守り、売主の立場に立って柔軟に対応してくれる担当者であれば、売却活動も円滑に進み、満足のいく結果につながりやすくなります。
ポイント③ 査定価格の根拠が明確であるかを確認する
複数の会社に査定を依頼すると、それぞれ違う価格を提示されるのが普通です。一番高い金額を出してきた会社に惹かれる気持ちはわかりますが、そこだけで決めてしまうのは注意が必要です。大切なのは、「どうしてその価格になったのか」をきちんと説明してくれるかどうかです。信頼できる会社であれば、近隣の取引事例や市場の動きなど、具体的な根拠をもとに丁寧に説明してくれます。
ポイント④ 地域密着型かどうか
売却したい物件があるエリアの市場にどれだけ詳しいかは、不動産会社を選ぶうえで大事なポイントです。特に、地域密着型の会社は、エリアの相場や過去の取引事例、どんな層の人が物件を探しているかといった、現場ならではの情報をよく把握しています。そのぶん、価格設定の精度も高くなりやすく、地域のニーズに合わせた売り出し方を提案してくれる可能性が高いです。さらに、地元でのネットワークを活かして、すでに買い手候補を持っているケースもあるため、スムーズな成約につながることもあります。
ポイント⑤ 広告・販売活動に力を入れているか
自分の物件を少しでも多くの人に見てもらうには、不動産会社がどれだけ積極的に広告・販売活動に取り組んでいるかが大きなカギになります。大手ポータルサイトはもちろん、自社サイトでの物件紹介、紙のチラシや現地看板の活用、さらにはSNSやネット広告など、会社によって力を入れている媒体はさまざまです。特に最近は、SNSや動画を使った集客にも積極的な会社が増えています。こうした情報発信力がある会社は、短期間で多くの反響を集めやすい傾向にあります。実際にどんな販売活動をしているのか、事前に具体的な取り組み内容を確認しておくと安心です。
まとめ
不動産の売却には、主に「仲介」と「買取」の方法があります。中でも仲介は、専門の不動産会社が売却をサポートし、相場に近い価格で売れる可能性が高い一方で、売却完了までにある程度の時間や仲介手数料がかかることもあります。
ポラスの仲介では、地域密着ならではの情報力と、広範なネットワークを活かした提案力を強みとしています。創業55年以上の経験と豊富な取扱件数に加え、多数の有資格者によるサポート体制、独自の売却支援サービス「うちサポ」などを通じて、売主様一人ひとりに合わせた丁寧な対応を行っています。
2023年度の売却満足度は95.0点(当社調べ)と高評価をいただいており、初めての方にも安心してご相談いただけます。まずは無料査定から、お気軽にご相談ください。
監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。