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空き家の定義ってなに?

全国的に増加している空き家は、テレビや新聞などでも大きく取り上げられるほどの社会問題となっています。しかし、私たちが思う空き家のイメージと国が定める空き家とでは、かなり違いがあるようです。そこでこの記事では「空き家の定義ってなに?」と題し、空き家の定義や空き家と判断される基準、空き家になるとなにが問題なのかを解説。また空き家対策特別措置法についても詳しく紹介していきます。

目次

空き家の定義とは?

まず始めに空き家とは、どういう状態の住宅を指すものなのでしょうか?国土交通省によると「1年以上誰も住んでいない状態」「1年以上何も使われていない状態」、そのような状態の住宅を空き家と定義しています。

例えば、8年以上誰も住んでおらず、外観から痛みや汚れが分かる家。しかし、所有者が定期的に荷物の搬入や搬出など倉庫のように使っている場合、その家は空き家に該当しません。逆に外観や内装はキレイでも、何らかの理由により1年以上人が住んでいない場合、その家は空き家とみなされます。 また、マンションやアパートなど共同住宅の場合、すべての住宅が空かない限り、空き家とは定義されません。

空き家と判断される基準

空き家の定義は、1年以上利用されていない住宅だということが分かりました。しかし、それだけでは客観的な判断が難しい場合もありそうです。そこでここからは、国が定めた空き家とみなされるいくつかの具体的な基準を解説していきます。
 

空き家の判断方法1:住宅などとして使用されているのか

賃貸用、別荘用、倉庫用など、住んでいない住宅でもしっかり使用されていれば空き家とは判断されません。逆に管理されていない用途不明の住宅は、地方自治体に「空き家かも」とマークされやすくなります。また住宅に人の出入りがあるか否か、電気、ガス、水道などライフラインの使用状況なども具体的な判断基準になるそうです。
 

空き家の判断方法2:登記記録や住民票

空き家か否かを判断する際の方法に不動産登記のチェックがあります。不動産登記は、住宅や土地の所有者や所有者の住所などが記録された、所有権を管理するために重要なものです。また不動産登記をチェックする際、同時に確認される住民票の内容も判断基準となります。これらの記録に不備がある住宅は、地方自治体から空き家とみなされる可能性が大きくなるかもしれません。
 

空き家の判断方法3:管理状況

住宅や土地の安全面や衛生面に問題がある場合、管理されていない空き家と判断されることがあります。この管理状況に地方自治体は厳しく目を光らせ、住宅の所有者から聞き取り調査、立ち入り調査を行うこともあるほどです。もしも調査を受けることになった場合、所有者が対象の住宅を利用しているのであれば、そのことを嘘や偽りのないように伝えましょう。

空き家になるとなにが問題なの?

超高齢化や人口減少の時代に突入した現代において、全国的に増えている空き家。テレビや新聞などでも取り上げられ、大きな社会問題となっています。では、住居が空き家になると一体何が問題になるのでしょうか? ここでは、空き家に生じる問題点を大きく3つに分けて、詳しく解説していきます。
 

空き家の問題1:景観

空き家の社会問題化の原因のひとつが、景観の悪化です。景観を悪化させる空き家とは、老朽化した家屋、一面に高く伸びた雑草や建物を覆う蔓(つる)など、人が足を踏み入れることにためらいを感じるような状態をいいます。これは景観を悪くするだけではなく、害獣・害虫の繁殖や不法投棄などの原因にも繋がります。
さらに空き家は、周囲の不動産価格にも影響するといわれています。景観の悪い住宅や土地を喜んで購入する方は恐らくいないでしょう。その結果、どうしても割安な価格での売買になってしまうのです。「景観破壊」ともいわれるこの問題に頭を悩ませている方々は、決して少なくありません。
 

空き家の問題2:安全

長い間放置され、老朽化が進んだ住宅は倒壊する危険があります。台風の風雨に耐えきれず崩れる空き家、屋根に積もった雪の重みに潰れる空き家などをニュースで目にした方もいるはずです。
また空き家の倒壊は、地震や火事を始めとするさまざまな災害時に避難経路、救援活動、消化活動などを妨げてしまう可能性があります。このような、住民の生命や安全を脅かすという点からも空き家は社会問題化しているのです。
 

空き家の問題3:防犯

空き家が増えると防犯上の問題や治安の悪化が懸念されます。空き家に対する落書きや破壊行為、不審者が住み着く、不審火が相次ぐなどが考えられ、エスカレートすると空き家以外の建物も標的になる恐れがあるからです。 このような状況の放置は「割れ窓理論」が引き出されるとも考えられています。
割れた窓をそのままにしておけば、その建物は管理のずさんな場所だと認識され、気軽に落書きしたりゴミを捨てたりする人が増えてくるでしょう。「割れ窓理論」とは、そのようなことが地域の治安悪化に繋がってしまうという犯罪理論です。このように空き家の増加は、防犯上にも暗い影を落としています。

空き家対策特別措置法が勧告がされることも

景観面、安全面、防犯面といろいろな問題の原因となっている空き家。そんな現代社会を悩ませる空き家の問題に対処すべく制定されたものが「空き家対策特別措置法」です。ここからは、空き家対策特別措置法とは何なのか? また、その空き家対策特別措置法により指定される可能性がある「特定空き家」の定義などを詳しく解説していきます。
 

空き家対策特別措置法とは

空き家対策特別措置法とは、2015年に定められた法律です。2013年の統計で空き家の数が全国で約820万戸にのぼることが分かり、中でも管理不十分とされる空き家や空き地などが景観や衛生・防犯的な側面から地域住民の生活環境に悪影響を及ぼしているとされ、「空き家対策特別措置法」が定められたのです。

空き家対策特別措置法は、地域住民の生命、体、財産を保護するため、また生活環境の保全、空き家などを活用するために施行されたので、「空き家法」ともいわれています。 この法律が施行されたことにより、適切な管理が行われていない空き家に対し地方自治体が調査を行い、問題があると判断した場合「特定空き家」として指定できるようになりました。
 

特定空き家とは

地方自治体の調査により、これ以上の放置は問題があると判断された建物を「特定空き家」といいます。例えば、「不適切な管理状態から倒壊の恐れがあるもの」「衛生的や防犯的に有害となるもの」「著しく景観を悪化させているもの」などです。 空き家対策特別措置法が施行される前までは、地方自治体でも所有者の許可なく空き家の敷地内に立ち入ることはできませんでした。
しかし、法律が定められた2015年からは、地方自治体の職員や業務を委任された方などが、不適切な管理とみなされた空き家の敷地内に立ち入り、調査を行うことができるようになりました。これにより、空き家の所有者は地方自治体から特定空き家の管理指導や状況改善を勧告されてしまうことがあるのです。
 

空き家対策特別措置法が勧告されたらどうするといい?

空き家対策特別措置法により、地方自治体から特定空き家として勧告された場合、土地に対する固定資産税の特例から除外されたり、固定資産税が増額されてしまうこともあります。勧告を受けた場合、必ず所有者が対応しなくてはなりません。税金の特例除外や増額を避けるためにもすぐに管理の徹底、状況の改善に取りかかりましょう。空き家の管理や改善が難しい場合は、空き家の取り壊しや売却なども考えるべきです。

空き家を手放す方法は?

国が定めた基準により、所有する物件を空き家と判断された場合、その空き家を手放せば、問題を解決することができます。その主な方法が「売却」「譲渡」「取壊し」です。ここでは、それぞれのデメリットとデメリットを解説していきます。
 

方法1:売却する

空き家を手放す場合、その最も代表的な方法が売却です。売却のメリットは、空き家を現金化できること。一般的に不動産業者や専門機関に依頼し、その手順を進めていくことになります。物件の立地や状態など、買主にとっての好条件が揃えば、スムーズに空き家を手放すことができるでしょう。
また、空き家を売却することで、固定資産税や都市計画税といった税金や、物件の清掃や換気といった手間もかからなくなります。しかし、売却を依頼する業者選びには、注意が必要です。空き家の売却に対する知識や経験が少ない業者や自社の利益を優先する業者を選べば、市場価格よりも低い値段で売られたり、相手の言い値で買われることも珍しくありません。
 

方法2:譲渡する

空き家問題を解決するため、近隣住民や企業、国や自治体に不動産を譲渡する人も増えています。物件の立地や状態といった条件の厳しい物件でも、この譲渡ならば、比較的早く手放すことができるでしょう。物件を譲渡すれば、税金や修繕費などの管理費用もかからなくなります。また、物件の所有者と利用者の直接取引になるため、不動産業者に支払う仲介手数料もかかりません。ただし、譲渡する場合、その相手を自分で探す手間や時間が必要です。また、譲渡契約を交わすうえで必要な書類作成や手続きも自分でおこなわなければなりません。さらに、譲渡におけるトラブルが発生した場合、すべて自分が対処するといったデメリットが考えられます。
 

方法3:取壊し

取り壊しも空き家を手放す方法のひとつです。買い手からすれば、築年数の古い建物や趣向の違う建物が立っている土地よりも、更地の方が建築する新居をイメージしやすくなります。そのため、空き家を取り壊した方が土地として売れやすくなるメリットがあるのです。もちろん、そのデメリットに空き家の解体費用がかかってしまいます。
また、売却先と税金にも注意が必要です。更地にすれば、住宅用地の低減措置が受けられないため、固定資産税や都市計画税が最大6倍ほども高くなってしまいます。そのため、売却先が決まらなければ、以前にも増して高額な納税を課せられることになるでしょう。更地にするときは、事前に売却先選定を実施することが重要なポイントです。

空き家を活用する手も

空き家を上手に活用し、収益を得る対策も盛んにおこなわれています。最近では「空き家ビジネス」という言葉も生まれるほど、幅広いニーズで求められている空き家。ここからは、そんな空き家活用の具体的な方法をご紹介していきます。
 

活用方法1:賃貸物件として運用

空き家の活用方法、その代表的な具体例が賃貸物件としての運用です。住宅をはじめ、店舗やオフィス、アトリエや多目的会場としても貸し出すことができます。建物の状態や立地などが悪くなければ、あまり修繕費をかけずに家賃収入を得ることができるでしょう。その家賃収入により、毎年の固定資産税がまかなえることも魅力です。
ただし、賃貸物件の収益は、借り手に大きく左右されます。どれだけ好条件の物件でも借り手がいなければ、家賃収入をえることができません。また、老朽化から住居としての建築基準を満たしていない場合、大規模な修繕やリフォームを迫られるため、高額な費用をかかります。さらに、借り手がついたとしても、定期的かつ適切な修繕が必要となるでしょう。
 

活用方法2:シェアハウスとして運用

シェアハウスとしての運用も、空き家を上手に活用する方法です。ひとつの物件を複数人で居住するシェアハウス。その特徴から単身者に貸し出すよりも、入居世帯が多いため、家賃収入が増えるといったメリットがあります。
また、一般的な賃貸物件と比較した場合、入居と退去のサイクルが早いことから、空室状態が少ないところも魅力です。その半面、入居者の数だけクレーム対応に追われるデメリットが考えられます。入居者同士のトラブルをはじめ、家具や設備機器の設営、設置、修繕など、単身者との賃貸契約よりも管理コストが大きくなることは避けられません。
 

活用方法3:民泊として運用

空き家を民泊としての活用する方法も注目を浴びています。民泊とは、所有する物件を旅行者に宿泊施設として貸し出すものです。その最大のメリットは、高額な宿泊料を得られることでしょう。稼働日数が同じ場合、通常の賃貸料よりも1日あたりの収益が大きくなるからです。
しかし、おもに訪日外国人観光客をターゲットにしている民泊は、円高や景気、世界情勢などの影響を受けやすい特徴を持っています。また、宿泊客が室内を汚してしまうことも珍しくありません。家具や家電の破壊、盗難といった被害、貸し出した物件を悪用される可能性も考えられます。

空き家の定義を理解して、地域について考えよう

この記事は、空き家の定義をテーマにし、空き家と判断される基準や空き家になるとなにが問題なのか、また、空き家対策特別措置法について詳しく解説しました。
全国に空き家が増加してる今、住宅や土地の管理が重要視されています。地域の景観、安全、防犯の乱れに繋がるずさんな空き家の管理。それは、地方自治体から空き家対策特別措置法の特定空き家勧告対象となり、空き家の所有者は税金の特例除外や増額など大きな代償を払うことになります。そうならないためにも住宅の所有者は空き家の定義や基準などを理解し、適切な管理を徹底するように心がけましょう。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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