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抵当権とは?登録~抹消方法、必要書類、費用を徹底解説!

「抵当権」や「抵当物件」という言葉を耳にしたことはありますか? 知らないという方がいる一方、抵当権で困っている方もいるかもしれません。

そこで、この記事では抵当権について詳しく解説していきます。
また、抵当権が行使されるとどうなるのか、抵当権と不動産の取引、抵当権を抹消方法についても説明します。

目次

抵当権とは?

抵当権とは、銀行や金融機関から住宅ローンを借り入れるときに、購入した不動産(土地や建物)に設定される権利のことです。この権利をもつのは銀行や金融機関で、住宅ローンの返済がなかった場合、購入した不動産を担保にすることができます。
抵当権は登記簿の権利部の乙区欄に設定されます。また、対象となった不動産は「抵当物件」と呼ばれます。
 

抵当権が設定されるとどうなる?

抵当権が設定されると、どうなるのでしょうか。
まず、抵当物件には住み続けることができるのでしょうか。

答えは「できます」。
債務者(お金を借り入れた人)は、担保となった物件を明け渡す必要はありません。

次に、ローンの支払いについてです。銀行や金融機関などの抵当権者は、「債務者の弁済を受ける権利」を持っています。そのため債務者は、これまでどおりローンを支払うことになります。
抵当権が設定されてもローンを支払い続けている限りは問題ありません。
 

抵当権と根抵当権の違いとは?

「抵当権」とは別に、「根抵当権」と呼ばれるものもあります。その違いはどこにあるのでしょうか。
根抵当権は不動産の担保としての価値を計算し、「極度額」と呼ばれる貸し出せる上限額の範囲内で、何度でもお金の貸し借りができるもののことを言います。

抵当権との大きな違いは、

・根抵当権は多くの場合、企業が融資を受けたり、企業が所有する不動産に設定される
・根抵当権の借入額は、極度額内であれば何度でも借り入れできる
・根抵当権は、当事者の合意がないかぎり消滅しない

などです。

□関連リンク:
「根抵当権とは?抵当権との違いも解説!」
https://www.baikyaku.polusnet.com/column/detail.php?n=198

抵当権はどうやって設定されるの?

抵当権が設定されるのは「住宅ローンで借り入れするとき」「住宅ローンの借り換えをするとき」が基本です。よって金融機関で住宅ローンを組む際には、抵当権が設定されると考えて問題ありません。
 

抵当権の設定に必要な書類

抵当権の設定に必要な書類は、次の3点です。

・抵当権設定契約書
・不動産の権利証
・不動産所有者の印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
 
抵当権設定の際には、不動産所有者の実印も必要となるため忘れないようにしましょう。
 

抵当権の設定にかかる費用

抵当権の設定には「登録免許税」と「司法書士への報酬」の費用がかかります。

■登録免許税
登録免許税は、法務局で「抵当権設定登記」を行うときに国に納める税金のことです。登録免許税額は以下の計算式で求めることができます。
 
登録免許税額=住宅ローンの借入額✕0.4%  

なお軽減措置に該当する場合の計算式は、以下のとおりです。

登録免許税額=住宅ローンの借入額✕0.1%  

登録免許税は法務局で手続きする際に支払います。
 
■司法書士に支払う報酬
抵当権設定登記の手続きはご自身(住宅ローンを契約する人)でもできますが、印鑑証明書を取り寄せたり、申請書類を作成したりと煩雑であるため、司法書士に依頼することもできます。

司法書士に手続きを一任する場合は、司法書士への報酬と、印鑑証明書や登記事項証明書などの書類における発行手数料なども必要となります。
司法書士に支払う報酬額は、おおよそ5万円から10万円程度です。なお司法書士は、不動産会社や金融機関が指定するのが一般的です。

抵当権行使とは?

抵当権が行使されるとどうなるのか?

前述したとおり、抵当権が行使されると不動産が競売にかけられます。競売開始決定がなされた時点で、不動産が差し押さえられてしまうのです。

不動産が競売にかけられ落札されると、その落札代金すべてがローンの支払いにあてられます。ただし、落札価格がローン返済額よりも少ないケースもあります。その場合、ローンを借りた債務者は、残りの額を引き続き支払わなければなりません。

抵当権が実行され、不動産が競売にかけられるメリットはほとんどないといっていいでしょう。むしろデメリットのほうが大きいかもしれません。

デメリットには、

・一般的な相場価格よりも少ない価格(3~8割程度)でしか売れない場合がある。競売費用もここから差し引かれてしまう
・強制的に退去となり、住んでいる家が取り上げられてしまう
・引越し費用は自分で支払わなければならない
・物件情報が裁判所やネットで公表される。それにより、競売されたことが周囲に知られ、プライバシーが害されることもありうる
 
などがあります。
競売はデメリットが多いということを覚えておいたほうがいいでしょう。

抵当権付きの物件でも売買できるのか?

抵当権付きの物件は、売買することができるのでしょうか。リスクなども含めて説明します。

不動産に抵当権が設定されていたとしても、売買することは可能です。 抵当権付きの物件を売る場合は、「任意売却」という形で売りに出すか、不動産会社に買い取ってもらうという方法があります。
 

抵当権付き物件の売買のリスク

抵当権付き物件の売買には、リスクが伴うことを知っておいてください。それぞれのリスクを紹介します。

■抵当権付きの物件を「売る」場合のリスク
・任意売却の場合、銀行・金融機関などの債権者、連帯保証人の同意が必要となる
・任意売却すると、5〜10年程度クレジットカードが作ることができなかったり、ローンが組めなくなる場合もある
・不動産買取だと、市場価格よりも低い売却価格になるケースが多い

◆抵当権付きの物件を「買う」場合のリスク
・住宅ローンの審査に通らないことがある
・売主のローンの返済が滞っている場合、抵当権が実行され競売にかけられる。その場合、購入するはずの不動産を手に入れられないことも

抵当権付きの物件は相続可能?

住宅ローンの返済が残っている抵当権付き物件を相続できるかという問いへの答えは「できる」です。ただし住宅ローンの返済義務を一切負わずに、物件のみを相続することはできません。

抵当権付きの物件を相続するときには、必ず住宅ローンの返済義務も引き継ぐことになるため注意してください。
住宅ローンの返済義務を負いたくない場合は、相続そのものを放棄しなければなりません。相続そのものを放棄するということは、物件だけでなく、すべての遺産の相続を放棄することです。

なお、住宅ローンの返済が残っている抵当権付き物件を相続することになった場合には、被相続人(亡くなった方)が団体信用生命保険に加入していたかどうかを確認しましょう。
被相続人が団体信用生命保険に加入していた場合は、住宅ローンの残債は死亡時に完済されます。よって、相続の際に住宅ローンの返済義務を負う必要がなくなります。

抵当権を抹消する方法はある?

抵当権抹消とは、抵当権を解除するための手続きです。ここでは、抵当権付きの物件を購入する場合の抵当権抹消方法を、ありがちなトラブルや注意点とともに説明します。
 

抵当権は自動的に抹消されない

抵当権抹消とは、抵当権を解除するための手続きです。ここでは抵当権付きの物件を購入する場合の抵当権抹消方法を、ありがちなトラブルや注意点とともに説明します。
 
抵当権は自動的に抹消されるものではありません。ですから、住宅ローンをすべて完済した段階で抵当権抹消の手続きを行う必要があります。抵当権が抹消されていないと、トラブルが発生する可能性があります。

たとえば、不動産の売却は抵当権を抹消していないとできません。また新たに住宅ローンを借り入れるときや借り換えをするときにも、抵当権が設定されたままだと審査に通らないことがあります。そのほか抵当権を抹消せずに放置した場合、手続きが複雑になったり、書類集めの手間が増えたりすることもあります。

抵当権の抹消手続きは、自身で行うことができます。また費用はかかりますが、司法書士に依頼することも可能です。抵当権抹消手続きをする場所は、管轄の法務局です。必要な書類を持参しますが、各種書類には有効期限があるものもあるため、すみやかに手続きをしましょう。
 

抵抵当権を抹消する具体的な方法

抵当権を抹殺する方法の代表的なものは3つあります。

1つ目は、売主に手持ち資金でローンを全額返済してもらい、抵当権抹消手続きをしてもらう方法です。この抵当権抹消手続きが完了してから、不動産を購入すると安心です。
 
2つ目は、同時抹消を行う方法です。場合によっては、売主にローンを全額返済する資金がないかもしれません。その場合は「同時抹消」を行います。同時抹消とは、以下の一連の手続きを同日に行うことです。

・買主が支払う代金をローンにあてて返済する
・その後、売主に抵当権抹消手続きを行ってもらう
・完了したら、売主から買主へ不動産の所有権移転登記を行う

この同時抹消を行うことで、買主のリスクを避けることが可能です。
 
3つ目の方法は、別の物件を担保にすることです。買主が支払う代金をローンにあててもなお、全額返済できない場合もあるでしょう。
・不足分を売主の手持ち資金から支払う
・ほかの物件に担保を設定する
などにより、金融機関の了解を得られることもあります。
 

抵当権を抹消しないリスク

抵当権を抹消しないと、以下の3つのリスクを負う可能性があります。
 
■不動産を担保としたローンが組みにくくなる
抵当権は、住宅ローンを組むときに不動産を担保に設定されます。抵当権を抹消しない場合は、抵当権のない物件より融資を受けられる条件が悪くなります。
また抵当権がついたままだと登記の流用と判断される可能性があり、ほかのローンの審査に通りにくくなる恐れもあります。
 
■抹消費用が高額になる
抵当権を抹消しないままにしていると、さまざまな書類が必要になり、手続きが煩雑化して費用が高額になる可能性があります。
 
■不動産の売却時に不利にはたらく
抵当権を抹消しないまま不動産を売却することは可能ですが、買主が見つからない可能性が高くなります。
その理由は、家を売却する場合や不動産を担保にして新たなローンを借りる場合は、原則として抵当権を抹消しておく必要があるためです。

また買主からすると、抵当権がついている物件は住宅ローンが完済されたかどうかが判断できず、信頼性が低くなってしまいます。抵当権が残っている不動産を、購入したいと思う人はいないでしょう。
 

抵当権を抹消する手順

抵当権を抹消する際は、まず必要書類が揃っていることを確認しましょう。

・抵当権解除証書または抵当権放棄証書
・委任状(抵当権者となっている銀行のもの)
・登記済権利証または登記識別情報通知

上記の書類を揃えて、以下の手順で申請を行います。

1.法務局で登記事項証明書を発行してもらう
2.氏名が変更されているなら戸籍謄本、住所が変更されているなら住民票を取得する
3.登記申請書を作成して法務局に申請する
4.後日、印鑑・本人確認書類を持参して法務局に完了後の書類を受け取りに行く
 

抵当権の抹消に必要な書類・費用

抵当権の抹消に必要な書類と費用を見ていきましょう。
登記簿上の抵当権情報を抹消するために必要な書類は次のとおりです。

■弁済証書:
 借入金が完済されたことを証明する書類
■登記済証または登記識別情報:
 抵当権を設定した時、抵当権者に交付される書類
■登記事項証明書:
 借入先の金融機関の登記事項証明(発行から3か月以内のもの)
■委任状:
 債権者である金融機関が、抵当権抹消に関する手続きを委任するもの
 
抵当権の抹消登記に必要な費用は「登録免許税」と「登記事項証明書」の発行手数料に加え、「司法書士への報酬」の費用がかかります。
 
登録免許税の発行手数料は、不動産1件(土地と建物がある場合は別々)につき1,000円です。登記事項証明書の発行手数料は、500~600円程度となっています。
 
また抵当権の抹消登記の手続きを司法書士に依頼する場合は、上記とは別に設定された抵当権1件につき、1~2万円程度の報酬額を支払います。

よくある質問

抵当権に関するよくある質問をご紹介します。
 

抵当権を抹消しないとどうなる?

抵当権が残ったままの物件は、以下のデメリットがあります。

・売却しても買い手がつかない
・売却価格が下がる
・不動産を担保にした融資が受けられない

抵当権の抹消は義務ではありません。しかし、ローンを完済しても登記簿上はわからないため、さまざまな面で不利益があります。
そのため、抵当権を抹消する際はお早めに申請するのがおすすめです。
 

不動産の所有者が土地と建物で別々になっている場合、全員の委任状が必要になる?

抵当権に関係する全員の委任状が必要です。
例えば、建物は夫、土地は妻の名義で抵当権が設定されている場合、夫と妻それぞれの委任状が必要です。

また相続が複数人に行われ、抵当権の抹消を行う場合も、同じく全員の委任状を揃えなければなりません。

抵当権はすみやかに抹消しよう!

抵当権の意味や抵当権の行使、抵当権付き物件の売買、抵当権抹消手続きについて解説しました。抵当権を抹消するには、ローンを完済することが基本です。
さまざまなトラブルやリスクが発生する可能性があるため、ローン完済したら、すぐに抹消手続きを行いましょう。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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