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空家問題の原因とは?考えられる6つのリスクや解決策を解説

ここ最近、日本で問題になっているのが空き家の増加です。空き家が増加している原因にはいったいどんなことがあるのでしょうか?
この記事では、都市部と地方都市に増え続ける空き家問題について解説します。
また、不動産所有者を悩ませる空き家と税金についてや、空家を増やさないための解決方法もご紹介します。
 

目次

深刻化する空き家問題

昨今度々話題になっている空き家問題。
空き家とは、住居としての建物はあるけれど、そこに誰も住んでいない住宅を指します。社会の高齢化や人口減少に伴い、空き家の数が増加傾向にあるため注目を集めるようになってきているのです。
 

そもそも空き家の定義とは

空き家の定義については、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)によると、次の条件のどちらかに当てはまるものとされています。

・1年以上人が住んでいない
・1年以上にわたって使われていない

2つの条件を判断する基準には、人の出入り、電気・水道・ガスの使用状況、物件の管理状況、所有者の利用実績などが加味されます。

さらに上記の条件を満たしたうえで、著しく危険な空き家、衛生上問題のある空き家、景観を損なう空き家、放置が不適切な空き家は「特定空家等」として認定されることがあります。

■参考リンク:
「空き家の定義ってなに?」
https://www.baikyaku.polusnet.com/column/detail.php?n=179
 

空き家問題の現状

空き家問題とは、日本中で増え続けている空き家にどう対応すべきかという問題です。
空き家問題には、具体的に次の2つの問題があるとされています。

・所有者の高齢化
・管理・活用方法の決まっていない空き家

日本では高齢化社会の進行とともに、今後空き家がますます増加していくと予想されています。
総務省の調査によると、現在のペースなら2028年には1,608万戸、2033年には1955万戸まで空き家が増加するとの予測です。

さらに問題となるのは、高齢化した所有者が亡くなった後、相続した所有者が空き家の管理・活用を考えなければならない点です。
空き家を放置すれば損傷が激しくなり、近隣の民家も巻き込んだ倒壊につながりかねません。
今後も空き家の増加が予想される中で、空き家問題を解消する根本的な解決手段をどう生み出していくかが課題です。

■参考リンク①:
総務省「平成 30 年住宅・土地統計調査」
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf

■参考リンク②:
「【空き家問題の解決法】原因と対策、家をたたむ方法を解説」
https://sumitas.jp/sell/guide/425/#A2

■参考リンク③:
「空き家対策の実態は?活用方法や自治体が取り組む最新事例もご紹介」
https://www.baikyaku.polusnet.com/column/detail.php?n=176

空き家のリスクとは?

空き家問題が深刻化する中で、空き家によってどのようなリスクが予測されるのかご紹介します。
 

景観を損なう

建物の老朽化、腐敗、壁や屋根の崩壊などは周辺地域の景観を損なう問題です。
例えば空き家のある地域が観光地として有名であれば、崩落寸前で雑草も生い茂った空き家は景観を著しく損ねます。周辺に住む住民にとっても見た目の印象が悪く、地域全体の問題となる可能性があります。
また、あまりに問題のある空き家は売却もしにくく、所有者にとっても損にしかなりません。
 

倒壊による周囲の建物や人的被害

空き家を放置して一番の問題となるのが、いつ崩壊して周囲の建物や住民に被害を及ぼすかわからない点です。
老朽化した建物は、風雨によって損傷が加速しやすく、地震による倒壊、台風による建材の飛散などの危険があります。
通行人がいる時に倒壊すれば、巻き込まれて怪我をする可能性もあります。

倒壊によって周辺の建築物や人的被害が発生すれば、所有者が責任を負わなければなりません。
所有者が適切な管理をしていないとさまざまなリスクが発生するため、空き家の管理は定期的に行う必要があります。
 

犯罪の拠点に利用される

空き家は所有者が長年利用しないことで、隠れ家として目を付けられ、犯罪の拠点に利用される危険もあります。特に古い家屋は鍵も簡単に開けられ複製も簡単なことから、犯罪者やホームレスに侵入されやすいです。

また、所有者が立ち寄らないことから発見も遅れやすく、悪意を持った人間にとっては格好の標的となります。
住む人がいなくなっていても、定期的な管理を怠らなければこのようなリスクは回避できます。
 

資産価値の低下

住宅や建物は利用者がいなくなると劣化しやすく、空き家状態で放置されれば資産価値は一気に下がってしまいます。
特に問題となるのが白アリや鼠です。これらは人が住まないことで柱や床板などを著しく損傷させ、倒壊の危険すら発生させます。

長年空き家が続いている物件は資産価値がほとんどなくなり、売却すら難しくなるでしょう。
そのため定期的に庭の手入れや部屋の掃除、換気などを行い、資産価値が下がらないように管理していくことが大切です。
 

有効活用されないことで機会損失につながる

空き家を空き家のままで放置してしまうと、賃貸にも売却にも利用できず、本来なら得られるはずだった利益も逸失することがあります。
空き家はそこにあるだけでも固定資産税やメンテナンスコストがかかるため、有効活用して利益につなげることが重要です。

特定空き家に認定される

特定空き家とは、適切に管理されていない空き家に対して自治体が認定するものです。
特定空き家に認定されると、自治体から所有者への勧告や命令が行えるようになるほか、行政代執行(強制執行)による解体が行われることもあります。

強制執行が行われると、解体費用は所有者に請求されるため、費用面からも大きな負担です。
特定空き家に認定される前に、適切に管理するか、売却・賃貸などの手段を考えましょう。

空き家が増加している原因とは

空き家数は今後も増加すると言われていますが、なぜ空き家が増え続けてしまうのでしょうか?
主な原因として次の3つが挙げられます。
 

原因① 高齢化による転居

日本では少子高齢化が進み、高齢になった方は老人ホームなどの介護施設や高齢者住宅に移り住むケースが増えています。これによって、それまで高齢の方が暮らしていた家が空き家として残ってしまうことがあります。
また、子どもの数も減っているため、親が高齢者住宅に移った後、その自宅で暮らす子どもがいないことも原因となります。
 

原因② 所有者の死亡

空き家になるケースには、所有者が亡くなるパターンもとても多くあります。所有者が亡くなると、その人が所有していた土地や建物は子どもなどの相続人が相続することとなります。しかし、子どもにはそれぞれの自宅や家庭がある場合、相続した家はそのまま放置することもあるようです。
 

原因③ 固定資産税と都市計画税の金額が高い

また、空き家が放置される理由に、固定資産税などの税金も関係します。建物がある土地は固定資産税などが優遇されるのに、空き家を解体して更地にすると固定資産税と都市計画税の金額が何倍にも膨れがあるのです。このため、たとえ建物は使わなかったとしてもそのまま残しておいた方が、税金上有利と判断する人が多くなってしまったのです。

しかし、この優遇措置は2015年から施行された「空き家対策特別措置法」で適用がなくなりました。「空き家対策特別措置法」については後ほど詳しくご紹介しますので、そちらもご確認ください。

空き家問題の概要

空き家といっても、実は借り手がなかなか見つからない賃貸用住宅、買い手が見つからない売却用住宅なども含まれます。
 

空き家の種類について

空き家というと、ボロボロになった建物を想像する方が多いかもしれません。
住宅には「賃貸用の住宅」や「売却用の住宅」、避暑や保養を目的とする「二次的住宅」、更にこれら以外の「その他の住宅」の4種類があります。総務省の「平成 30 年住宅・土地統計調査」によると、空き家のうち50.9%とほぼ半数を占めているのが「賃貸用の住宅」、次に「その他の住宅」(41.1%)となります。
 

都市部における空き家問題

空き家問題は過疎化が進んでいるような地方で起きている問題と思われがちですが、都市部でも多くあります。
土地の価格が上がっている場所なら簡単に売却することもできますが、そうでない場所だと放置されやすく、空き家として残ってしまうのです。
 

地方都市における空き家問題

また地方都市では空き家率も高くなり、山梨県や長野県などの甲信地方、高知県や徳島県などの四国地方などが特に空家率が高い地方に挙げられます。
地方都市では首都圏に比べて物価が安いため、低価格でも新築の住宅を購入することができます。そのため、「わざわざ空き家に暮らしたり建て直したりするより、新築住宅を購入する方がいい」という考えがあるのかもしれません。

不動産所有者を悩ませる空き家と税金について

前述にて空き家問題の原因のひとつとして税金に触れたように、このふたつの関係は切り離すことができません。
 

空き家にかかる税金

たとえ誰も暮らしていなかったとしても、空き家があればそれに対して固定資産税の支払い義務が生じます。
また、都市計画法で市街化区域と定められた地域であれば、固定資産税のほかに都市計画税も支払う必要があります。固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日の時点でその土地や建物を所有していた方に請求されます。

■参考リンク:
「空き家の固定資産税はいくら?減税される場合もある?」
https://www.baikyaku.polusnet.com/column/detail.php?n=303
 

特定空き家を放置すると約6倍の課税に

以下が固定資産税と都市計画税の優遇措置(住宅用地の特例)になります。1月1日時点で住宅が建っている土地(住宅用地)が対象です。この優遇措置には、期限が設けられていません。
 

固定資産税と都市計画税の優遇措置(住宅用地の特例)

対象となる土地(住宅用地)の面積は、家屋の総床面積10倍までです。また、減額後の課税評価額は、面積によって異なります。先にも述べましたが、この特例の適用を受けるためには「土地に健全な住宅が建っていること」が大前提です。
自治体から「特定空き家」と判断された場合、上記の優遇措置を受けることができなくなります。

空き家を増やさないための4つの解決方法

もし自分が空き家を所有することになったとしたら、それを放置せずに活用する方法はないのでしょうか? 空き家問題がクローズアップされることで、各自治体でも空き家を増やさないためのさまざまな取組みが行われています。
 

解決方法① 空き家対策特別措置法

この「空き家対策特別措置法」の具体的な内容として、自治体(市町村)による「空き家などについての情報収集」が挙げられます。たとえば、法律で規定する限度の中で、空き家などの調査をおこない、必要ならば、所有者などを把握するため、固定資産税情報の内部利用が可能になりました。また「空き家及びその跡地の活用」も施策のひとつです。

市町村による空き家やその跡地に関する情報の提供をはじめ、所有者に対しての適切な管理の促進、これらの空き家やその跡地を活用するための対策も実施しています。さらに、空き家などに関するデータベースの整備や法定協議会の設置なども「空き家対策特別措置法」の施策概要です。

このような空き家などの対策計画の策定状況などは、国土交通省のホームページに記載されています。以下、国土交通省・総務省による平成30年3月31日時点での調査報告を見てみましょう。調査対象は47都道府県、1741市区町村の1788団体、その回収率は100%です。

1.空家等対策計画の策定状況
空家等対策計画の策定状況

上記の数字からもわかるように「既に策定済み」や「策定予定あり」を合計すれば、空家等対策計画の策定状況が全体の90%に上っています。市区町村の多くが空き家対策に尽力している証拠です。

2.特定空家等に対する措置の実績
特定空家等に対する措置の実績
この数字は、特定空き家などに対し、市区町村が実際に「助言・指導」「勧告」「命令」など、何らかの措置をおこなったものです。措置の対象物としては、主に住宅や非住宅、門や塀などの附属工作物、立木や擁壁などになります。

3.法定協議会の設置状況
法定協議会の設置状況
「空き家対策特別措置法」における法定協議会とは、空き家対策の計画策定や変更、実施する集まりです。地域の空き家が「特定空き家」に該当するか否かの判断する場合、その情報提供や技術的なアドバイス、必要な援助を求めるといった協議をおこないます。

基本的に自治会や町内会の役員などを含む地域住民で構成されていますが、市区町村の議会議員や職員、司法書士や弁護士、建築士や宅地建物取引士、学識経験者など、さまざまな立場や職業の人たちが参加していることが大きな特徴です。
 

解決方法② 空き家バンクの利用

空き家を活用する取り組みの中でもメジャーなのが「空き家バンク」です。これは、空き家を所有している人と空き家を利用したい人をマッチングさせるサービス。自治体が運営しており、登録料や利用料も無料なのが一般的です。
また、リフォームが必要な場合は、その費用を補助する制度を設けている自治体も多くあります。
 

解決方法③ 空き家管理サービスの利用

空き家は、管理する人が不在で長期間放置されることが問題です。
そこで低料金で管理を任せられるのが、NPO空家・空地管理センターの「100円管理」です。月額100円という破格の金額で、月に1度、空き家を巡回してくれる良心的なサービスです。
同センターでは、さらに細かく管理をお願いしたい方のためのプランもありますし、その他民間の管理業者を利用するという選択肢を選んでもいいでしょう。
 

解決方法④ 空き家の売却

空き家を所有しても、その建物や土地を使う予定がないのなら、売却するという方法もあります。不動産の売却は不動産会社とのやりとりが生じて面倒と感じるかもしれませんが、一度売却してしまえば、固定資産税などの税金の支払い義務もなくなります。

また、買い手がつきづらい物件なら、空き家バンクを利用して売却することもできます。売却価格は低くなってしまいますが、そのまま空き家を放置していると生じる税金の支払いのような煩わしさから解放されることができます。

空き家問題に巻き込まれる前に対策を

空き家を放置し続けると、さまざまなリスクがあることをご紹介しました。
万が一、自分が所有している空き家で火事や犯罪が起きてしまったら一大事。面倒だからと放置したままでは、いつそんなトラブルに巻き込まれてしまうかわかりません。
今は空き家を減らそうと各自治体が支援制度などを設けているので、ぜひそれらを利用することを考えてみてはいかがでしょうか。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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