不動産の売却を成功させるための基本知識を網羅的に解説します。
- 売却の流れや必要な費用・税金、成功のポイントから、信頼できる不動産会社の選び方まで、専門家が分かりやすくガイド。
- 初めての方でも安心して売却準備を進められるよう、具体的な注意点やよくある質問にもお答えします。
不動産売却を成功させるためには、基本的な知識を事前に身につけ、計画的に準備を進めることが何よりも大切です。不動産会社に任せきりにするのではなく、売主様自身が主体的に関わる姿勢を持つことで、より有利な条件で、そして安心して取引を終えることができます。
この記事では、不動産売却の基本的な流れから、必要な費用や税金、売却を成功に導くための重要なポイントまで、初めての方にも分かりやすく徹底解説します。
目次
不動産を売却するにあたって知っておくべきこと
不動産をスムーズかつ有利に売却するためには、事前の準備が欠かせません。売却の流れや必要書類、税金、諸費用、相場感など、基本的な知識を身につけておくことで、不安やトラブルを防げます。
また、不動産会社にすべてを任せきりにするのではなく、売主自身も積極的に関わることが大切です。たとえば、媒介契約の種類や査定価格の妥当性、販売活動の進捗などについて、自分でも情報を集めて把握しておくと、不動産会社とのやりとりがスムーズになります。
買主の立場に立って柔軟に対応する姿勢も重要です。価格の相談や内覧の対応などではあまり堅くならず、誠実に向き合いましょう。相手に「この人から買いたい」と思ってもらえるような関係づくりが、売却成功への近道になります。
不動産を売却する主な理由
人が不動産を売却する背景には、さまざまな動機があります。ご自身の状況を整理し、売却の目的を明確にすることが、最適な売却戦略を立てる第一歩となります。
理由① 住み替え・買い替えのため
最も一般的な売却理由は、ライフステージの変化に伴う住み替えや買い替えです。例えば、結婚や出産で家族が増え、より広い住まいが必要になったり、逆にお子様が独立し、夫婦二人で暮らしやすいコンパクトな家に移ったりするケースが挙げられます。転勤による通勤環境の変化や、お子様の進学に合わせて学区の良いエリアに引っ越すなど、生活の質を向上させるための前向きな理由がほとんどです。このように多くの人が、住み替えや資金計画といった自分のライフプランに合わせて住環境を整えるために、不動産を売却しています。
理由② 相続・管理負担を軽減するため
親などから不動産を相続したものの、ご自身で住む予定がなく、「固定資産税や維持管理費の負担を軽減したい」というのも主要な売却理由です。特に、相続した実家が遠方にある場合、定期的な管理は大きな負担となります。放置すれば建物の劣化や近隣トラブルの原因にもなりかねません。また、ご自身が高齢になり、広い家の管理が体力的に難しくなったという理由で、より管理しやすい住まいに移るために売却を決断される方も増えています。
理由③ 資金確保や借入返済のため
教育資金や事業資金、住宅ローンの繰り上げ返済、相続税の納税など、まとまったお金が必要になったときに、不動産を売却して資金を確保するケースも少なくありません。不動産は、保有しているだけでなく、必要なときに現金化できる柔軟な資産として活用できます。また、将来のライフイベントに備えて、早めに資産を整理しておきたいという計画的な考えから売却を選ぶ人もいます。特に複数の物件を持つ場合は、使用頻度の低い不動産から優先的に手放すことが一般的です。
不動産を売却する方法
不動産を売却するには、主に3つの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の希望や状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
方法① 仲介
「仲介」は、不動産会社に買主探しを依頼し、売主と買主の間を取り持ってもらう売却方法です。専門家が価格査定から広告活動、交渉、契約手続きまで一貫してサポートするため、売却に関する知識がない方でも安心して進められます。メリットは市場価格に基づいた適正な価格で売却できる可能性が高い点です。ただし、買主が見つかるまでに時間がかかる場合があります。売却を急いでおらず、少しでも高く売りたいと考える方に適した方法と言えるでしょう。
方法② 買取
「買取」は、不動産会社が直接、売主様の物件を買い取る方法です。一般の買主を探す必要がないため、広告活動や内覧対応の手間がかかりません。最短で数日から数週間という短い期間で現金化できるのが魅力です。売却価格は市場価格の7〜8割程度になることが多く、価格よりもスピードや手軽さを最優先したい方向けの方法と言えます。「すぐに現金が必要」「相続税の納税期限が迫っている」「近所に知られずに売却したい」といった場合に有効な手段です。
方法③ 個人売買
「個人売買」は、不動産会社を介さず、ご自身で買主を見つけて直接取引する方法です。仲介手数料がかからないため、諸費用を大幅に抑えられる点がメリットです。しかし、適切な売却価格の設定、広告活動、契約書の作成、登記手続き、そして何より売却後のトラブル対応まで、すべてを自己責任で行う必要があります。不動産取引に関する高度な専門知識と豊富な経験がなければ、かえって大きな損失や法的な問題に発展するリスクが非常に高いため、一般の方にはおすすめできません。
不動産売却にかかる費用
不動産を売却する際には、売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料をはじめとする諸費用や、売却によって利益が出た場合には税金がかかります。事前にどのような費用が必要になるか把握し、資金計画を立てておくことが大切です。
不動産を売却する際の諸費用
不動産売却にはさまざまな費用が発生します。代表的なのが「仲介手数料」で、不動産会社に売却の仲介を依頼した際に支払う成功報酬です。上限は法律で定められており、「売却価格×3%+6万円+消費税」が一般的な目安です。次に「登記費用」があります。住宅ローンを完済している場合、抵当権を抹消するための登記が必要です。この手続きを司法書士に依頼するための報酬と、登録免許税(不動産1つにつき1,000円、土地と建物なら計2,000円)がかかります。
さらに、住宅ローンの一括返済にかかる手数料(1〜5万円)、引越し費用、ハウスクリーニング代、土地の測量費(10万〜80万円)、建物解体費用など、個々の状況に応じて追加費用が発生する点にも注意が必要です。
不動産の売却で課される税金
不動産を売却する際には、一定の条件下で税金も発生します。まず「印紙税」は売買契約書に課される税金で、契約金額によって金額が決まり、たとえば1,000万円超~5,000万円以下なら1~2万円が一般的です。次に「譲渡所得税」があり、売却によって利益が出た場合に課税されます。所有期間が5年超であれば約20.315%、5年以下だと約39.63%と、保有期間によって税率が変わるのが特徴です。
不動産の売却で課される税金を抑える方法
不動産売却で利益が出た場合でも、さまざまな特例を活用することで税金の負担を大幅に軽減できる可能性があります。ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。
3,000万円の特別控除の特例を活用する
ご自身が居住していたマイホームを売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円までを控除できる特例があります。3,000万円の特別控除を適用すれば、売却益が3,000万円以下であれば譲渡所得税はいっさいかかりません。所有期間の長短に関わらず利用できますが、適用を受けるためには確定申告が必須です。また、併用はできないため、住み替え先の購入で住宅ローン控除の利用を検討している場合は、どちらがご自身にとって有利か慎重に比較検討する必要があります。
譲渡損失が出た場合は「損益通算」や「繰越控除」を利用する
不動産を購入時より安い価格で売却し、譲渡損失が出た場合、損失分を給与所得や事業所得などの所得と相殺(損益通算)することで、納めすぎた所得税や住民税の還付を受けられる可能性があります。さらに、控除しきれなかった損失は、翌年以降最長3年間にわたって繰り越して繰越控除することも可能です。損益通算や繰越控除を利用するには、会社員の方であっても確定申告が必要となりますので、忘れずに行いましょう。
相続財産の売却時には取得費加算の特例を検討する
相続した不動産を、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却した場合、「取得費加算の特例」が使えることがあります。取得費加算の特例は支払った相続税の一部を不動産の取得費に加えることができる制度で、譲渡所得を抑えられるため、所得税や住民税の負担を軽くできるのがメリットです。ただし、取得費加算の特例を受けられるのは、相続税を実際に納めた人に限られます。適用には確定申告が必要になるため、事前に制度の内容や条件をしっかり確認しておくことが大切です。
【ケース別】不動産を売却する際の注意点
不動産売却は、理由によって注意すべき点が異なります。ご自身の状況に合わせた対策を講じることで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな売却を実現できます。
【住み替えの場合】売却スケジュールを調整する
住み替えでは、現在の家の売却と新しい家の購入のタイミングをどう調整するかが最大の課題です。「売り先行」は資金計画が立てやすい反面、売却が長引くと仮住まいが必要になる可能性があります。一方、「買い先行」は気に入った物件を逃さず購入できますが、ローン返済が二重になるリスクがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の資金状況やライフプランに合ったスケジュールを立てましょう。
【相続の場合】登記と共有者の確認を進める
相続した不動産を売却するには、まず法務局で相続登記を完了させ、不動産の所有権を確定させる必要があります。相続登記が済んでいないと、売買契約を結ぶことができません。不動産が複数の相続人による共有名義になっている場合は、売却するために共有者全員の同意が必要です。後々のトラブルを避けるためにも、事前に親族間で十分に話し合い、遺産分割協議書など全員の合意を書面で残しておきましょう。
【転勤の場合】期限と売却手段を見極める
転勤に伴う売却では、異動までの限られた時間で手続きを完了させなければなりません。「いつまでに売却したいか」という期限を明確にし、不動産会社と密に連携を取りながら、計画的に販売活動を進めましょう。将来的に戻る可能性がある場合は、売却せずに賃貸に出して家賃収入を得るという選択肢も考えられます。焦って安値で売却してしまうことのないよう、ご自身のライフプランと照らし合わせ、状況に応じた最適な手段を見極めましょう。
【離婚の場合】財産分与の合意を得ておく
離婚に伴い不動産を売却する場合、まずは財産分与の対象となるかを確認しましょう。そして、売却代金をどのように分けるかについて、事前に夫婦間で協議し、合意しておく必要があります。住宅ローンが残っている場合は、返済責任の所在も明確にしなければなりません。感情的な対立が売却活動の妨げにならないよう、冷静な話し合いが大切です。当事者間での協議が難しい場合は、弁護士などの専門家を交えて進めることも有効です。
【金銭的事情の場合】早期売却を検討する
住宅ローンの返済が困難になるなど、金銭的な理由で売却を急ぐ場合は、早期の売却を目指すことが重要です。ローン滞納が続くと、最終的に金融機関によって物件が差し押さえられ、市場価格より大幅に安い価格で強制的に売却されてしまう「競売」のリスクが高まります。そうなる前に、不動産会社に相談し、金融機関の合意を得て売却する「任意売却」や不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」など、状況に合った迅速な売却方法を検討しましょう。
不動産の売却を成功させるポイント
不動産売却を成功に導くためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここで紹介するポイントを意識して準備を進めることで、より良い条件での売却が期待できます。
①適切な売却価格を設定する
まずは不動産会社に査定を依頼したり、ポータルサイトで近隣の似た物件の価格を調べたりして、相場を把握しましょう。そのうえで、将来的な値下げ交渉を見越して、査定価格に少し上乗せした金額で売り出すのが一般的な方法です。ただし、相場からかけ離れた高すぎる価格は買い手に敬遠される可能性があります。一度決めた価格を途中で上げると、買主の不信感につながることもあるため、最初の価格設定は慎重に行いましょう。
②信頼できる不動産会社を選ぶ
売却活動は、信頼できる不動産会社をパートナーに選べるかどうかで結果が大きく変わります。複数の会社を比較検討し、ご自身の物件があるエリアでの売却実績が豊富か、担当者の対応は丁寧で提案力があるか、といった点を見極めましょう。また、不動産会社と結ぶ媒介契約には「一般」「専任」「専属専任」の3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。ご自身の希望に合った契約形態を提案してくれるかどうかも、会社選びの重要なポイントです。
③内覧・印象対策をしっかり行う
購入希望者にとって、内覧は物件を直接見て判断できる貴重なチャンスです。内覧の印象が、購入するかどうかの大きな決め手になることも少なくありません。内覧前には、室内や水回り、庭などを丁寧に掃除し、清潔感のある状態を整えることが大切です。また、余計なものを片付けて空間を広く見せる「ホームステージング」も効果的で、モデルルームのように見せることで購買意欲を高められます。内覧当日は、誠実な対応を意識しながら、物件の魅力をしっかり伝えましょう。
④トラブル回避のための情報開示と連絡を徹底する
不動産売却で最も避けたいのが、引き渡し後のトラブルです。雨漏りや建物のひび割れといった欠陥(法律用語で「瑕疵(かし)」といいます)がある場合は、必ず事前に買主へ開示しましょう。もし瑕疵を隠して売却すると、引き渡し後に「契約不適合責任」を問われ、損害賠償や契約解除といった重大な事態に発展するリスクがあります。また、売主様自身が安心して取引を進めるために、不動産会社とは定期的に連絡を取り、販売活動の進捗を確認することも重要です。正直な情報開示と密なコミュニケーションが、トラブルを未然に防ぎ、売却を成功に導く鍵となります。
不動産を売却する流れ
不動産を売却するには、いくつかのステップを順に踏んで進める必要があります。一般的な流れは以下のとおりです。
(1)事前準備
(2)査定
(3)媒介契約
(4)販売活動
(5)売買契約
(6)決済・引き渡し
(7)確定申告
あらかじめ全体の流れを理解しておけば、手続きをスムーズに進めやすくなり、準備にも余裕を持てます。
(1)事前準備
まず、売却希望額や「いつまでに売りたいか」といったご自身の希望条件を整理しましょう。同時に、住宅ローンの残高を確認し、売却費用を差し引いてもローンを完済できるか、手元にいくら残るのかといった具体的な資金計画を立てます。ここで登記済権利証や間取り図、固定資産税の納税通知書など、必要になりそうな書類の準備も始めておくと、後のステップがスムーズに進みます。
(2)査定
次に、複数の不動産会社に査定を依頼し、自分の物件がどれくらいの価値があるのかを把握します。査定には、物件情報だけをもとに算出する「簡易査定(机上査定)」と、担当者が現地を訪れて詳しく調べる「訪問査定」の2種類があります。より正確な価格を知りたい場合は、訪問査定がおすすめです。複数社の査定結果とその根拠を比較することで、相場感がつかめ、適切な売出価格を決めやすくなります。
(3)媒介契約
査定結果や担当者の対応、販売戦略などを総合的に比較検討し、売却活動を依頼する不動産会社を1社に絞り込み、「媒介契約」を締結します。契約には「一般」「専任」「専属専任」の3種類があり、それぞれ不動産会社の義務や売主様ができることの範囲が異なります。| 契約種類 | 他社への 依頼 |
売却活動の 義務 |
レインズ 登録 |
特徴 |
| 専属専任 媒介契約 |
不可 | 毎週報告が必要 | 5営業日以内に 必須 |
とにかく早く 売りたい人 |
| 専任媒介契約 | 不可 | 2週間に1回報告 | 7営業日以内に 必須 |
信頼できる1社に 任せたい人 |
| 一般媒介契約 | 可 | 義務なし | 登録義務なし | 幅広く 売却したい人 |
ご自身の希望や売却戦略に合った契約形態を選び、契約期間や手数料などの内容もしっかりと確認しましょう。
(4)販売活動
媒介契約後、不動産会社による本格的な販売活動がスタートします。不動産ポータルサイトへの掲載やチラシの配布など、さまざまな方法で広告宣伝が行われます。購入希望者から内覧の申し込みがあれば、日程を調整し、室内をきれいに準備して対応しましょう。購入希望者からの質問や交渉には、不動産会社と連携して誠実に対応します。
(5)売買契約
購入希望者から「購入申込書」が提出され、価格や引き渡し時期などの条件について話し合い、双方が合意すれば「売買契約」を結びます。契約当日には、宅地建物取引士から物件に関する「重要事項説明」を受けたあと、売買契約書に署名・捺印する流れとなります。あわせて、買主から売主へ手付金が支払われるのが一般的です。契約書は法的効力を持つ大切な書類なので、内容は細かい部分までしっかり確認しておきましょう。
(6)決済・引き渡し
契約からおよそ1ヶ月後、「決済」と「引き渡し」が行われます。通常は金融機関などに集まり、司法書士の立ち会いのもとで、買主から残金を受け取り手続きを進めます。住宅ローンが残っている場合は、このお金で完済し、抵当権の抹消登記を行います。同時に、所有権移転の登記申請を行い、買主に鍵や必要書類を引き渡せば、売却手続きは完了です。固定資産税や管理費の精算も、この日に済ませるのが一般的です。
(7)確定申告
不動産を売却して利益が出た場合は、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に、税務署で確定申告を行う必要があります。この記事で紹介した「3,000万円の特別控除」などの特例を利用する場合も、申告が必須です。逆に、売却によって損失が出た場合、確定申告をすることで所得税が還付されるケースがあるため、忘れずに行いましょう。手続きが不安な方は、税理士に相談することをおすすめします。
不動産を売却する際の仲介会社の選び方
信頼できる不動産会社を選ぶことは、売却成功のための最も重要なステップの一つです。以下のポイントを参考に、最適な不動産会社を見つけましょう。
売却実績や得意分野を確認する
不動産会社には、それぞれ得意な物件種別(マンション、戸建て、土地など)やエリアがあります。ご自身が売却する物件と同じタイプの物件の売却実績が豊富か、また、物件が所在するエリアに精通しているかを確認しましょう。会社のWebサイトで過去の取引事例をチェックしたり、査定時に担当者へ直接質問したりするのが有効です。特に、地域に根差した不動産会社は、その土地ならではの魅力や需要を熟知しているため、的確な販売戦略が期待できます。
査定額の根拠を必ずチェックする
複数の会社に査定を依頼すると、各社から異なる査定額が提示されます。この時、最も高い価格を提示した会社に安易に飛びつくのは危険です。なぜその査定額になったのか、納得できるように説明を求めましょう。信頼できる会社は、良い点だけでなく、マイナスとなり得る点についても正直に説明してくれるはずです。根拠のない高額査定には注意が必要です。
大手と中小の特徴を比較して選ぶ
大手不動産会社は、全国的な知名度と広いネットワークによる集客力が大きな魅力です。広告宣伝力も高く、多くの購入希望者にアプローチできます。一方、地域に根差した中小の不動産会社は、地元の情報に精通し、小回りの利く柔軟な対応や、独自の顧客網を持っていることが強みです。どちらが良いとは一概には言えません。ご自身の物件の特性や、売却において何を重視するかを考え、両者のメリット・デメリットを比較して選びましょう。
不動産を売却する際によくある質問
最後に、不動産売却に関してよく寄せられる質問にお答えします。
不動産を売却する際にやってはいけないことは?
売却を成功させるために避けるべきことがいくつかあります。まず、相場を調べずに価格を決めることは、安売りや売れ残りの原因になります。また、良かれと思って独断でリフォームや解体を行うことも、費用倒れになるリスクがあるため避けましょう。
そして、物件の欠陥を隠して売ることは、後々の大きなトラブルに繋がります。契約書の確認を怠ったり、十分なスケジュールを立てずに見切り発車したりすることも、失敗の元となるので禁物です。
不動産の相場を知る方法は?
ご自身の不動産の価値を把握するために、相場を調べる方法はいくつかあります。最も手軽なのは、不動産ポータルサイトで近隣の類似物件がいくらで売りに出されているかを確認する方法です。より正確な成約価格を知りたい場合は、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」で、実際の取引価格を調べることもできます。これらの情報を基に、ご自身の物件のおおよその価値を掴むことが、売却の第一歩です。
不動産を売却するのにベストなタイミングは?
まず注目したいのは、不動産を購入したときよりも相場が上がっているかどうかです。相場が上昇していれば、売却によって利益を得られる「売りどき」と判断できます。相場の動きは景気や金利、政策などに左右されるため、日々のニュースや過去の価格推移をチェックしておくことも大切です。季節的な動きも見逃せません。一般的に1〜3月は新生活に向けた引っ越し需要が高まり、買い手が増える時期とされています。特に転勤や進学といった理由で物件を探す人が多いため、この時期は比較的売却がスムーズに進む傾向があります。
まとめ
不動産の売却は、専門知識が必要な上、手続きも複雑なため、不安に感じる方も多いかもしれません。しかし、基本的な流れやポイントを事前に押さえておけば、落ち着いて準備を進めることができます。
大切なのは、信頼できる不動産会社をパートナーに選び、二人三脚で売却活動を進めていくことです。
ポラスの仲介では、地域に根差した豊富な情報力と、大手にも引けを取らない広範なネットワークを活かし、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な売却プランをご提案します。まずはお気軽に無料査定から、ご相談ください。
監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。