一見「人が住んで使っているほうが劣化は早い」と思われがちですが、実際には空き家のほうが劣化が早く、老朽化が進んでしまうのです。
そこで今回は、空き家の劣化がなぜ早いのかを確認していきます。
空き家の劣化が早い理由
一般的に、家は人が住んでいないと劣化が早まると言われていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。
劣化が早まる原因として以下のようなものが挙げられます。
換気による空気の入れ替えが行われない
人が家で生活していれば、窓やドアを開けたり、換気扇を回すなどさまざまな場所で換気が行われます。人が部屋で活動しているだけでも動きによって対流が起こり、空気の流れが生じます。
一方空き家の場合は、人が入れないように窓やドアを閉め切ってしまいます。こうなると室内の空気が全く流動しなくなり、梅雨時期などには湿気が家の中にこもりやすく、カビも繁殖しやすくなります。特に木造住宅では、カビや湿気は木を腐らせてしまう原因になりますので、換気ができない場合には劣化する速度がとても早くなるのです。
掃除が行われない
人が住んでいれば、汚れた場所は掃除を行いますが、空き家の場合は手入れがされなくなります。閉め切った状態でもチリやホコリは積もってきますし、それを餌に虫やカビが繁殖します。
特にカビ類は、換気がされず高湿度になれば一気に繁殖してしまいますので、クロスや床、天井などの劣化が早くなるほか、床や屋根裏など、見えない部分の劣化も大きくなります。
修繕されない
人が住んでいれば、雨漏りが発生したり、地震や台風などで家の一部が損傷した場合でもすぐに修理を行いますが、空き家の場合はそのまま放置されてしまいます。損傷による雨風の侵入は、劣化速度を急激に加速させてしまいますので、劣化するどころか、短い時間で家を倒壊してしまう可能性もあります。
空き家の劣化を防ぐ方法
空き家の劣化を防ぐ方法としては、実際に住んでいるようなケアが必要と言えます。
例えば週一度ほどのペースで換気を行ったり、定期的な掃除やメンテナンスを行うことが大切です。
このような管理は現在住んでいる家から近い場合であれば可能と言えますが、空き家が遠かったりする場合には、ケアが大変です。
1人では難しいという場合には身内と当番制にするなど、維持管理の方法について話し合っておくとよいでしょう。
ご自分で管理が難しい場合は、管理を代行で行っている会社に頼む方法もあります。
費用はかかりますが、時間的な余裕がなかったり、遠方で行きづらい場合などに有効です。
そのほか、思い切って賃貸にしてしまって、誰かに住んでもらう方法もあります。
家賃収入も期待できますし、人が住むことで劣化を抑えられます。
管理が行き届かない場合の対処法
空き家の管理が難しい場合で、代行の費用もかけたくないという方は、空き家を手放す選択肢も考えてみましょう。
一般的な方法としては不動産会社を通じて売却することが挙げられます。
古い家の場合でも、あえて更地にする必要はなく、まずは家付きの不動産として売りに出してみましょう。
どうしても売れない場合は、更地にして再度売り出すか、不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。
このほか、空き家を自治体や隣地などに寄付してしまう選択肢もあります。
このように空き家の劣化が進む理由としては、換気や手入れが行われないというのが大きな原因となっています。
上記を参考に、まずは空き家のケアを行ってみてください。
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監修者
大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。