築50年のマンションはいつまで住める?メリットや売却時の注意点をご紹介
- いつまで住める?本当に売れる?この記事で築50年のマンションのメリットや不安、売却時の注意点をチェック
- 買い手のターゲットを見極めて、築50年のマンションをより高く売ろう
- サポート体制充実の「ポラス」なら、築50年のマンションもベストな売却方法が見つかります
そこで今回は、まだまだ価値があり十分売却が可能である築50年のマンションのメリットや、売却時の注意点を詳しくご紹介します。
目次
築50年のマンションはいつまで住めるの?
マンションの耐用年数についてはさまざまなデータがあります。
東京都の住宅政策本部 民間住宅部 マンション課が公開しているデータによると、築40年以上のマンションのうち、半数が立て替えを実施しています。
不動産データベースサービスの東京カンテイ調べでは「竣工から実際に建て替えられるまでの年数」を耐用年数とすると、東京都の平均は40.0年、全国平均は33.4年が中古マンションの耐用年数となっています。手入れや状況によりそれぞれ耐用年数は異なるため、全ての建物が当てはまるとは限りません。
メンテナンスで寿命は変わる
鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の構造体の耐用年数は120年です。外壁塗装などのメンテナンスを行っていれば150年とされています。実際に築50年以上のマンションが販売されているのは、このようにきちんとメンテナンスを行っているからに他なりません。
資産価値は下がる
築年数が経過するにつれ、建物の老朽化や設備の劣化が進むため、資産価値は下がります。新築マンションと比較して、設備や内装が古くなることが主な原因です。また、将来の修繕費用や管理費の増加も資産価値の低下に寄与します。さらに、周辺の再開発や新たな物件の建設により相対的な価値が減少することもあります。そのため、築年数が古くなるほど資産価値は低下する傾向があります。
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築50年のマンションは建て替えできる?
築50年の中古マンションの建て替えについては、さまざまなハードルが考えられます。一番は所有者全員の「5分の4」の賛成が必要になることです。
現在、この条件を緩和するための法改正に向けた動きが進んでおり、「4分の3」以上などに緩和される見込みです。
マンションの建て替えは、賛成が得られた後、建替組合の設立、反対する所有者の持ち分の買い取りなどを行ったうえ、入居者の引っ越し、解体、建築などを経て進みます。
マンションの建て替えは、入居者にとってはマンション購入に匹敵する一大事業ともいえ、場合によっては1000万以上の自己負担がかかることもあります。ただし、自己負担額はそれぞれのケースで大きく変わってきます。
マンションの立地条件、建て替え後に可能となる規模などによって建て替えによる収益が見込まれる場合は、自己負担額0円で建て替えが可能になるケースもあります。
つまり築50年の中古マンションの場合、より高層のマンションに建て替えるなどのプランが可能であれば、低い自己負担額で建て替えが可能になります。
築50年のマンションは売却できる?
実際、築50年のマンションは売却できるのでしょうか?ひとつ興味深いデータがあります。
2010年首都圏で、築31年以上の中古マンションが年間4,828件成約されました。2017年には年間9,000件、2020年には年間9,692件。このように年々、築年数の古い中古マンションの需要が年々増えてきていることがわかります。
好立地のマンションを購入し、リフォームやリノベーションで手を加えて住みたいという人が増えているため、築年数が古い中古マンションでも、売却できる可能性はおおいにあると考えられます。
築50年のマンションが売れないと言われる理由
築50年のマンションが売れにくいといわれる理由には、以下のような要因があります。理由 | 説明 |
老朽化 | 建物の劣化が進行し、修繕や補修が必要になることが多いため、購入後のメンテナンス費用が高くなる。 |
耐震性の不安 | 築50年のマンションは古い建築基準法に基づいて建てられているため、現行の耐震基準を満たしていない場合があり、安全性に不安が残る。 |
設備の陳腐化 | 給排水設備や電気設備、エレベーターなどが古くなり、修理や交換が必要になることが多い。 |
資産価値の低下 | 築年数が古くなるほど資産価値が下がり、将来的なリセールバリューが低くなるため、購入者が少なくなる。 |
管理体制の不安 | 管理組合の運営状況や修繕積立金の状況が不透明な場合、購入をためらう要因となる。 |
これらの要因により、築50年のマンションは売れにくいといわれることがあります。
しかし適切なメンテナンスやリノベーションを施すことで、売却の可能性を高められるでしょう。
購入者にとって魅力的な条件を整え、市場に出すことが重要です。
築50年のマンションを売却する場合のポイント
住まいとして充分な魅力があり、価値がある築50年のマンション。
ここからは売却を考える際により高く売却できるポイントをご紹介します。
ポイント① 複数の不動産会社に査定依頼を
不動産会社には中古マンションの売却を得意とするところがあります。複数の会社に査定を依頼することで、より高く売却できる可能性のある不動産会社を見極めることができます。ポイント② 買い手のターゲットを確認
買い手はどのような人なのでしょう。「好立地の物件をなるべく価格をおさえて購入したい」「古いマンションを購入し、自由にリフォームやリノベーションをしたい」「賃貸として貸し出し収入を得たい」と、概ねこのような人たちが築50年のマンションの購入を希望しています。
より高く売却するために、ターゲットとする買い手をよくイメージしてすすめることがポイントです。
ポイント③ 建て替え終了後に売却する
現在住んでいるマンションが、近く建て替えや大規模改修工事の予定がある場合は、すべて終了してから売却するようにしましょう。建て替え後は新築物件として扱われるため、高値で売却できる可能性が高くなります。ポイント④ 内覧に向け室内をきれいに
売却活動を始める際は、いつでも内覧していただけるようにハウスクリーニングをしておくことをおすすめします。水回りなど汚れが目立つ箇所は、専門業者に頼んだ方が確実に見た目に差が出ます。自分が買う側の立場にたち、室内をきれいにしておきましょう。
築50年超えのマンションを買ってみようか悩んでいる方へ
築年数が経ち、老朽化が気になる築50年のマンション。しかし、もう価値や魅力がないわけではありません。築50年のマンションのメリットとデメリットについて確認しましょう。
築50年超えのマンションを購入するメリット・デメリット
まずはメリットから見ていきましょう。・価格が安い
築50年のマンションは価格が手頃で、新築や築浅物件に比べ相場よりも安く購入できます。ほぼ底値で購入でき、今後大幅に下落する心配も少ないです。
・立地が良いことがある
築50年のマンションは、日本でマンションが普及し始めた時期に建てられたため、交通の便や周辺環境が良い場所が多いです。将来、賃貸に出す場合でも好立地であれば安定した収入が見込めます。
・管理の状況がわかる
築50年間の維持管理の状況を、管理組合に開示してもらうことで確認できます。新築マンションとは異なり、これまでの管理状況を確認してから購入できます。
・リフォームやリノベーションをしやすい
安く購入できる分、予算をリフォームやリノベーションに回せます。自分の好みやライフスタイルに合った住まいにすることができます。ただしリフォームに制限があるマンションもあるため、事前に管理規約を確認しておきましょう。
ここからはデメリットを見ていきます。
・購入しても売却が難しい
旧耐震の建物はせっかく購入しても、売却の際に買い手がつきにくいです。フルリフォームで新築に近い状態に改善しても、高値で売却するのは難しいです。
・修繕積立金が高くなりやすい
旧耐震の建物では、経年劣化により損傷が生じていることが多く、修繕積立金が高くなっている可能性が高いです。
・税制上の優遇措置が受けられない
物件としての価値が低いため、住宅ローンの審査が通りにくく、住宅ローン控除などの税制を利用しにくい点もデメリットです。
・耐震性が低い
老朽化が進み耐震性が低く、建替えリスクがあることも理解しておくべきです。
・建替えリスクがある
耐震性を改善するために建て替えを実施するにしても、入居者全員の同意が必要になることから、現実的に難しいというデメリットもあります。
築50年超えのマンション購入で住宅ローンは借りられる?
築50年超えのマンション購入では、住宅ローンを借りるのが難しい場合があります。 金融機関は物件の築年数を重視し、築年数が古い物件に対しては審査が厳しくなる傾向があります。ただしリフォームやリノベーションを行う計画がある場合や、担保価値が十分である場合にはローンが承認される可能性もあります。事前に金融機関に相談しましょう。
築50年超えのマンションを購入する際の注意点・ポイント
築50年の中古マンションを購入する際には、以下のようなことに注意しましょう。・長期修繕計画
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の耐用年数は120年ですが、定期的なメンテナンスが必要です。
築50年の中古マンションを購入する際は、大規模修繕計画の実績や今後の計画を確認し、修繕費用の積み立て状況をチェックしましょう。
・配管構造
古いマンションでは配管がスラブに埋め込まれている場合があり、修理や交換が難しくコストが高くなることがあります。リフォームで水回りの位置変更ができない点にも注意が必要です。
・立地
立地が良ければ将来の売却時にも買主が見つかりやすく、資産価値が下がりにくくなります。立地は建て替えの可能性にも大きく影響するため、重要なポイントです。
・管理体制
長期修繕計画と同様に、実際の管理体制も重要です。管理が杜撰な場合、修理や修繕が不十分で耐震性に不安が生じ、資産価値が下がる可能性があります。しっかりした管理体制が整っていることを確認しましょう。
まとめ
今回は築50年のマンションにいつまで住めるのか、メリット、耐震性、売却などについて解説しました。
築50年のマンションは購入価格が安く、リフォーム・リノベーションがしやすいなどのメリットがある優良物件が多いです。
現代の耐震基準に合わせた大規模改修を行っているマンションもあるため「古い=耐震性が低い・価値が低い」とは限りません。
築50年マンションには様々な魅力がありますから、マンション購入の際はぜひ選択肢の1つに加えてみましょう。
監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。