
いざというときにすぐ売れるように、ご自分のマンションを一度見直してみましょう。
そもそも売れるマンションとは?
誰しもが分譲マンションを売るときは高く売りたいと思いますよね。近年飽和状態にある住宅事情。厳しい状況の中、一体どんなマンションが高く売れるのか、そして逆にどういったマンションが売れないのか。ご自分のマンションは当てはまるか見比べて、少しでも高く売れるように価値を高めていきましょう。
売れるマンションとは
売れるマンションとは、単純に「自分が欲しいと思うか」「買う価値があるのか」です。 具体的に言うと 「需要があるマンション」 「希少価値のあるマンション」 大きく分けてこの2つが売れるマンションの条件になります。
売れないマンションとの違い
人が住むときに求める要素はさまざまですが、買いたくなるマンションの要素に大きな違いはありません。住環境や間取りなど需要が見込まれる要素を持ったマンションは、当然人気があり、資産価値を下げずに売ることができますが、逆にそういった要素の少ないマンションは、時間経過とともに資産価値がどんどん下がり、価格を大幅に下げないと売れなくなってしまいます。
売れるマンションの条件
では売れるマンションの具体的な条件を見ていきましょう。これらの条件を満たしているマンションであれば、資産価値は高く、損をせずに売ることができます。購入を検討されている方もいずれ売ることを視野に、この条件にできるだけマッチしたマンションを選ぶことをオススメします。
条件1:エリア
人気のエリアは売れるマンションの重要な要素になります。単純にそこに住みたい人が多いということです。主要な駅から近い、教育環境が良い、高級住宅街、買い物環境が良いなど 条件の整った物件も多く、売りに出ればすぐに買い手が見つかります。 高く売れるマンションの大半は、こういった人気エリアに集中しています。条件2:管理体制
管理体制はそのマンションの質を表す非常に重要な要素です。管理がされていないマンションは、エントランスが汚れていたりする美観的要素の部分と、マンション全体の修繕計画が適正になされておらず、修繕積立金の値上げの可能性なども考えられます。 管理がちゃんとされているところは、清掃はもちろん、防災訓練や住人のイベントなども積極的に行っており、入居者の満足度も高く、売れる大切なポイントです。条件3:間取り
家族構成として、夫婦と子ども1人~2人の計3人~4人世帯がごく一般的な世帯とすると、3LDKのファミリータイプがもっとも合った間取りになります。必然的にニーズも高まり、一番売りやすい間取りになります。条件4:利便性
生活に直結するものなので、利便性は非常に求められます。スーパーマーケット、学校、ショッピングモール、病院、保育園、幼稚園、コンビニといった施設が半径500m圏内に揃っているのであれば、とても生活がしやすく、利便性の高いマンションとして高く売れる可能性があります。条件5:大手デベロッパー
マンションにおいても洋服や装飾品と同様に、大手デベロッパーによる「ブランドマンション」はとても人気があり、売れる要素の一つです。中小企業のデベロッパーに問題があるというわけではなく、やはり大手という安心感が購入者にとって、とくに住宅という人生に数回しかない大きな買い物において、重要視されるポイントになります。希少性の高いマンションも売れやすい

需要のあるマンション以外では、希少性の高いマンションも高く売れる要素になります。どんな特徴のあるマンションが希少性の高いマンションなのか見ていきましょう。
特徴1:駅から徒歩5分圏内
駅から徒歩5分圏内はかなり希少性の高いマンションといえます。駅直結であれば雨にも濡れず電車に乗れますし、商業施設も併設していれば買い物もそこで済んでしまいます。 生活するうえで非常に便利なマンションで、資産価値はかなり高いといえます。特徴2:眺望が良い
眺望の良さは誰しもが求める憧れですね。海、山、夜景、花火、スカイツリー、東京タワーなど、そこに住んでいる人しか味わえない特別な眺望は、希少性を高め、何年たっても価値の下がらない人気のマンションになります。特徴3:ヴィンテージマンション
明確な定義が決まっているわけではないのですが、築年数が経過していても資産価値が下がりづらく、相場より高い価格で売られているマンションをいいます。要素としては立地が魅力的であったり、高いデザイン性であったり、管理体制が行き届いていたりといった条件が整って、希少価値を高め、取引価格が高く維持されています。
特徴4:最上階や角部屋
最上階や角部屋は当然数に限りがあるので、希少性は高まります。マンションによくある騒音に関する問題もある程度抑えられますし、風通しや採光という面でも他の部屋より優れています。最上階の場合には前記した眺望も良いので、資産価値は下がりにくいと言えます。特徴5:面積(平米数)の広さ
所有者が自由に使える専有面積が広いところはやはり資産価値は高く、価格が下がりにくいと言えます。100平米を超えるような住宅は供給量も少ないので、希少性は高くなります。 ただ立地条件によってその価値は変動しますので、注意しましょう。マンションがなかなか売れない場合
ここまでは売れるマンションを見てきました。しかし中にはなかなか買い手のつかない売れないマンションも多く存在します。売れるマンションに理由があったように、売れないマンションにもやはり典型的な原因がいくつかあります。どのような傾向があるのか見ていきましょう。
原因1:駅から遠い
近年は共働きの世帯も増え、経済的余裕もあるため、通勤に便利な駅から近いマンションに人気が集まっています。さらに中古マンションを購入する人は立地を重視する傾向にあるため、駅から徒歩10分を超えるようなマンションはなかなか難しいと言えます。原因2:ランニングコストがかかる
マンションの価格自体が安くても、管理費や修繕積立金などが月4万近くかかるようなものは、なかなか売れない要因の一つでしょう。規模が小さいと一戸あたりにかかる管理費や修繕費の割合は高くなり、築年数の経っているマンションは将来的にさらに上がる可能性もあります。バブル期に建てられた高級マンションなどが売れていない理由には、こういったものが多くあります。原因3:空き家が多い
全戸の2割以上空き家になっているようなマンションは、売れにくい状況であるということです。人が寄り付きにくい、住みにくい理由がなにかある可能性があります。 さらに人がいないということは管理費が不足して、マンションの維持管理に支障をきたしている場合もあります。その結果さらに状態が悪化して、買い手をより遠ざけてしまいます。原因4:住環境が悪い
マンション設備などの住環境が充実していないと、この先価値を下げてしまい、売れにくくなる可能性があります。具体的には宅配ボックスがない、ゴミ出しが24時間できない、自転車置き場が整理されていないなどです。近年こういった設備の需要は伸びていて、マンションを選ぶときの重要な要素になってきています。新たに設置したり、管理体制を強化したりなど、高く売るためには対策が必要になります。原因5:適正価格でない
需要のあるマンションでも適正価格以上のものになってしまうとなかなか売れなくなってしまいます。少しでも高く売りたいと強気の価格にして、売却までに時間がかかってしまったなんてことも見受けられます。適正価格を見極めて設定するようにしましょう。マンションの価値をあげて売却へ
売れるマンション売れないマンションを見てきました。今後、住宅を取り巻く環境はさらに厳しさを増していきます。立地や築年数は変えることができませんが、管理体制は改善することができます。できることをやって少しでも魅力的に見えるよう工夫をしていきましょう。
監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。