
そこで今回は、不動産を相続放棄するかどうかを判断するための6つのポイントをご紹介します。
目次
【1】遺産のトータルがマイナスの場合

故人に借金がある場合、それも含めて相続することになります。 現金や有価証券、家やマンションなどのようなプラスの財産と相続税、それに借金などの負債をトータルした結果マイナスになる場合は、相続放棄をおすすめします。 相続放棄をすれば家族や親族であっても返済義務は発生しません。
【2】住んでいた方が故人だけの場合
故人が独り暮らしで家やマンションのほかに財産がなく、今度誰もその住居を使用する予定がない場合は、相続放棄を視野に入れても良いかもしれません。 しかし、故人と同居していた場合、その同居人が相続放棄をしてしまうと、その不動産の所有権を失うことになるため、相続放棄後に退去しなければなりません。 もし同居人が同じ場所に住み続けたいという場合は、相続する必要があります。
【3】不動産査定の結果が悪い場合

不動産を相続する場合は、まず相続予定の不動産を査定してもらうと良いでしょう。 査定の結果、売却しても大きなプラスにならない場合は、相続放棄を考えても良いかもしれません。その住居にかかる固定資産税を支払ってまで維持する価値があるかどうかがポイントとなります。
【4】相続財産が不動産のみで、活用できない不動産の場合
不動産のほかに財産がなく、その不動産が利便性の低いエリアにあり、活用が難しい家やマンションの場合は、相続放棄を検討しても良いでしょう。 また、もしその住居が利便性の高い人気エリアにあるとしても、老朽化していてそのままの状態で販売や賃貸物件にできないレベルの場合は、リノベーションをする必要があります。都心の場合はその費用は高額となるため、その改築費用をかける価値がある物件なのか、費用回収が見込める物件なのかどうかを慎重に検討する必要があります。 さらに、その不動産が接道義務を満たしていないなど、再建築不可物件であるケースもあり、その場合は、使い勝手が悪いということで販売は難しくなります。
【5】相続税を支払うための現金が用意できない場合
相続税は基本的に現金で支払う必要がありますが、家やマンションしか相続財産がない場合は、手元に現金がなくて相続税を支払えない場合があります。 現金を用意するために借金をしたり、不動産を売り払ったりする必要があるのであれば、手間や損得を考えて相続放棄を考えることも一案といえます。
【6】相続財産自体に興味がない場合
相続人となる対象者が多い場合、遺産分割協議は親族間であってもスムーズに行かないことがあります。結論が出るまで長期間かかることや、中にはそれが原因で関係性がこじれてしまうケースも珍しくありません。 相続財産に執着しておらず、親族ともめてストレスを抱えるのはできるだけ避けたいという方は、相続放棄も選択肢の1つとして考えておきましょう。
今回は、不動産の相続が発生した場合の相続放棄を見極めるポイントを6つご紹介しました。 大切な方が築き上げた家や財産を相続するということは、家族や親族としては喜ばしいことではありますが、借金などの負債も含めて相続することとなるため、相続する内容によっては相続放棄することも視野に入れるほうが良いかもしれません。 また、遺産がかなりあったとしても、膨大な相続税を支払わなければならず、さらに負債があれば返済義務が生じます。相続後に借金を抱えることのないよう、可能であれば相続に詳しい弁護士や税理士などに相談することをおすすめします。
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監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。