
ご自宅の売却は、人生における大きな決断の一つです。
- その第一歩として不可欠なのが、ご自宅の現在の価値を把握するための「無料査定」です。
- この記事では、ポラスの仲介が提供する無料査定サービスを中心に、その仕組み、メリット、そして賢い活用方法について詳しく解説します。
「いくらで売れるのだろう?」「何から始めればいいの?」「費用はかかるの?」といったご心配は当然のことです。特に不動産取引のご経験が少ない方にとっては、専門用語や手続きの複雑さに戸惑われることも少なくないでしょう。
本記事では、そのようなお客様の不安に寄り添い、安心して不動産売却の準備を進めていただけるよう、「家の無料査定」について徹底解説いたします。
目次
家の無料査定とは

家を売却しようと考えたとき、まず気になるのが「自分の家がいくらで売れるのか」ということでしょう。この疑問に答えてくれるのが「家の査定」です。
ここでは家の査定が無料でできる理由と家の査定が有料になるケースを紹介します。
家の査定が無料でできる理由
なぜ不動産会社は、手間のかかる家の査定を無料で行うのでしょうか。背景には、不動産会社のビジネスモデルがあります。不動産会社にとって、家の査定は「営業活動」の一環なのです。不動産会社は、売主と買主の間に入り、売買契約を成立させることで「仲介手数料」を得て収益を上げています。無事に家が売れれば、手数料という形で報酬を得られるため、査定の段階では費用を請求しないのが一般的です。
重要なのは、査定を依頼したからといって、必ずその不動産会社に依頼しなければならないわけでも、家を売却しなければならないわけでもない、ということです。査定額に納得できなければ売却する必要はありませんし、ほかの不動産会社に依頼することも自由です。そのため、売却を検討し始めた段階でも、安心して無料査定を利用できます。
家の査定が有料になるケース
一般的な不動産売却のための査定は無料ですが、例外的に費用が発生するケースがあります。それは、国家資格を持つ「不動産鑑定士」に依頼して「不動産鑑定評価書」を取得する場合です。不動産鑑定は売却価格の目安を知るためではなく、法的な証明が必要な際に利用されます。具体的には、遺産相続時の財産評価で公平な分割を目指す場合や、離婚時の財産分与で正確な資産価値を把握したい場合などです。
これらのケースでは、客観的で信頼性の高い評価額が求められるため、専門家である不動産鑑定士による有料の鑑定が必要となります。費用は物件の規模や種類によって異なりますが、数十万円程度かかることが一般的です。
家を無料で査定してもらう手段
ご自宅の無料査定を依頼する方法は、主に3つあります。それぞれの方法に特徴があり、お客様のご状況やご希望に合わせて選ぶことができます。
どの方法を選ぶにしても、複数の不動産会社に査定を依頼し、比較検討することが、より良い条件で売却するための第一歩と言えるでしょう。
方法① 不動産会社のサイトから申し込む
多くの不動産会社は、自社の公式Webサイトに無料査定の申し込みフォームを設けています。物件の所在地、広さ、築年数などの基本的な情報を入力するだけで、手軽に査定を依頼できます。ポラスの仲介でも、簡単なステップで無料査定をお申し込みいただけます。公式サイトからの申し込みは、特定の不動産会社に直接依頼できるため、その後のやり取りがスムーズに進みやすい点がメリットです。また、会社独自のデータベースや過去の取引実績に基づいた、より詳細な査定が期待できる場合もあります。
地域に密着した不動産会社であれば、売却を希望するエリアの最新情報に基づいた査定も強みとなるでしょう。
方法② 不動産会社の店舗に行く
お近くの不動産会社の店舗に直接足を運び、担当者に査定を依頼する方法もあります。不動産会社の店舗に行くメリットは、担当者と直接顔を合わせて相談できる点です。物件に関する資料を持参すれば、その場で具体的なアドバイスを受けられる可能性があります。また、地域の市場動向や売却の進め方について、じっくりと質問したり、疑問点を解消したりすることができます。本格的に売却を考えており、信頼できる担当者としっかりとコミュニケーションを取りながら進めたいとお考えの方に適した方法です。
方法③ 不動産一括査定サイトを使う
近年、利用者数が増えているのが、インターネット上の「不動産一括査定サイト」です。不動産一括査定サイトは物件情報を入力するだけで、複数の不動産会社に同時に査定を依頼できる便利なサービスです。査定額や提案内容を比較検討できるため、より高く売却できそうな会社を見つけやすくなります。サイトによっては匿名で利用できたり、ごく簡単な情報入力だけで大まかな相場を把握できたりするサービスもあります。ただし、複数の会社から連絡が来ることになるため、対応が複雑になる点は留意しておきましょう。ご自身の状況に合わせて、上手に活用することが大切です。
家を無料査定する方法
無料査定は方法や精度によっていくつかの種類があります。ご自身の状況や目的に合わせて最適な査定方法を選ぶことで、納得のいく売却活動を進められるでしょう。
ここでは、代表的な3つの無料査定方法「AI査定」「簡易査定」「訪問査定」について、それぞれの特徴やメリット、どのような方におすすめなのかを具体的に解説します。
方法① AI査定
AI査定は、過去の膨大な取引事例や物件データ(マンションの階数、方角、築年数、駅からの距離など)を学習したAIが、オンライン上で自動的に査定価格を算出する方法です。「匿名査定」とも呼ばれ、物件情報とメールアドレスのみで、即時に査定結果を得られるのが特徴です。AI査定は、まだ売却の意思が固まっていない方や、まずは手軽に自宅のおおよその相場を知りたいという方、営業担当者とのやりとりを避けたい方におすすめです。リフォーム状況や日当たり、眺望といった物件の個別性が反映されにくいため、あくまで目安として捉えるのが良いでしょう。
方法② 簡易査定
簡易査定は机上査定とも呼ばれ、お客様から提供された物件情報(所在地、築年数、面積、間取りなど)や、地図情報、周辺の類似物件の取引事例、公的データをもとに、不動産会社の担当者が査定価格を算出する方法です。AI査定よりは担当者の知見が加わるものの、現地確認は行われません。そのため、AI査定と同様に、おおまかな売却相場を知りたい方や、初めて査定を依頼する方に適しています。多くの場合、インターネットや電話で気軽に依頼でき、数時間から数日程度で査定結果が提示されます。
方法③ 訪問査定
訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に現地を訪問し、物件の状況や周辺環境などを直接確認したうえで、より詳細な査定価格を算出する方法です。簡易査定で把握した基礎情報に加え、建物の劣化や日照、眺望なども加味されるため、最も精度が高いと言えます。売却の意思が比較的固まっており、具体的な売却価格を知りたい方や、不動産会社の対応を直接見て担当者との相性を確かめたい方におすすめです。
家の無料査定を依頼するメリット
家の無料査定を依頼することは、単に「いくらで売れそうか」という価格を知るだけでなく、売却活動全体をスムーズに進めるための重要な情報を得られる機会でもあります。
ここでは、無料査定を依頼することで得られる主なメリットを3つのポイントに絞ってご紹介します。
メリット① 短時間で査定ができる
無料査定の大きな魅力の一つは、手軽さとスピード感にあります。特にインターネットを利用した査定サービスは、時間や場所を選ばずに利用できます。物件の所在地や面積、築年数といった基本的な情報を入力するだけで、査定依頼は完了します。多くの場合、入力作業は数分程度です。訪問査定が不要なAI査定や簡易査定であれば、申し込みから数分、長くても数十分程度で査定結果の連絡が来ることも少なくありません。忙しくてなかなか時間が取れない方や「まだ具体的に売却を決めたわけではないけれど、まずは自宅の大まかな価値を知りたい」という方でも、手間をかけずに価格の目安を把握できます。
メリット② 不動産の対応や相場を確認できる
無料査定を依頼することで、ご自宅の現在の市場価値、つまり「いくらくらいで売れそうか」という具体的な相場を把握できます。不動産会社から提示される査定価格は、最新の市場動向や近隣の取引事例などを基に算出されています。査定価格を知ることで、今の家が実際にどれくらいの価値を持っているのか客観的に理解できます。また、査定を依頼する過程で、不動産会社の担当者と実際にやりとりをすることになります。説明の分かりやすさや対応の丁寧さ、専門知識の豊富さなどを通じて「信頼に値する会社かどうか」を判断する材料が得られます。今後の市場や売却に適したタイミングについて、プロの視点からアドバイスを受けられることも大きなメリットです。
メリット③ 一括査定を活用すると複数の不動産会社を比較できる
より有利な条件で売却を進めるためには、複数の不動産会社を比較検討することが不可欠です。しかし、一社一社に個別に連絡して査定を依頼するのは手間がかかります。そこで役立つのが、不動産一括査定サイトです。一度の物件情報入力で、提携している複数の不動産会社に同時に査定を依頼できます。各社から提示される査定価格や担当者の対応、提案される売却プランなどを簡単に比較でき、効率よく不動産会社を探せます。ただし、上述したように対応する手間が増えたり、かえって「どこにすればよいかわからない」と迷ってしまったりすることもあるでしょう。
家の無料査定前にやっておくべきこと

家の無料査定を依頼する前に、いくつか準備しておくべきことがあります。ここでは、査定前に確認・準備しておきたい5つのポイントを解説します。
①自分でも家の相場を調べておく
不動産会社に査定を依頼する前に、まずは自分自身で周辺の物件の相場を調べてみましょう。不動産ポータルサイトやチラシなどを活用すれば、近隣で売りに出されている類似物件(広さ、築年数、間取りなどが近い物件)の価格帯を把握できます。事前に相場感を持っておくことで、不動産会社から提示された査定額が市場の実情に照らして妥当なものなのか、あるいは高すぎたり低すぎたりしないかを判断する一つの基準になります。また、自分が希望する売却価格をより具体的に設定し、不動産会社に伝える際にも説得力を持たせることができます。
②「売却時期」と「目標額」を具体的に設定しておく
「いつまでに売りたいのか」という売却時期と、「いくらで売りたいのか」という目標額を、できるだけ具体的に設定しておくことも重要です。売却時期と目標額の希望を査定前に伝えることで、担当者はより現実に即した査定額や販売戦略を提案しやすくなります。一般的な売却スケジュールとしては、不動産会社と媒介契約を結び、販売活動を開始してから成約するまでに約3ヶ月、その後、売買契約から物件の引き渡しまでには約1ヶ月かかります。つまり、最低でも4ヶ月程度の期間を見込んでおくのが無難です。
目標額については、特に住宅ローンが残っている場合、最低でもその残債額以上の金額を目標に設定する必要があります。ご自身の希望を整理し、査定時にしっかりと伝えましょう。
③売却前に物件の履歴・状況を確認する
査定を依頼する物件について、修繕履歴や現在の状況を正確に把握し、整理しておくことも大切です。戸建ての場合は、過去に行ったシロアリの駆除や予防、屋根や外壁の塗装・補修、給湯器や水回り設備の交換といったリフォームやメンテナンスの履歴を確認しましょう。いつ、どのような工事を行ったかが分かると、査定時のアピールポイントになります。土地の場合は、隣地との境界が明確になっているか、過去にどのような用途で利用されていたかなどを確認します。物件の履歴・状況を確認することは、査定額に影響するだけでなく、売却後のトラブルを防ぐためにも重要です。不明な点があれば、事前に調べておきましょう。
④住宅ローンの残債を確認しておく
ご自宅の住宅ローンがまだ残っている場合は、査定前に必ずその残債額がいくらあるのかを確認しておきましょう。金融機関から定期的に送られてくる返済予定表や、インターネットバンキングなどで確認できます。住宅ローンが残っている物件を売却する場合、原則として売却代金で残債を一括返済し、抵当権を抹消しなければ物件の引き渡しができません。そのため、査定額が住宅ローンの残債額を上回っているかどうかが非常に重要なポイントとなります。
残債額によっては、売却計画や住み替え計画にも影響が出ます。早めに正確な金額を把握しておきましょう。
⑤書類や情報を整理しておく
無料査定を依頼する際、特に訪問査定時には、物件に関する書類を事前に整理して準備しておくと、より正確な査定額の算出につながります。具体的には、以下のような書類があると良いでしょう。・登記簿謄本(登記事項証明書)
・建築確認済証および検査済証
・固定資産税納税通知書
・物件の間取り図、測量図、敷地平面図など
・マンションの場合は、管理規約や長期修繕計画書など
リフォーム履歴や修繕状況、設備の不具合などをメモしておくと、査定士に正確な情報を伝えることができ、プラス査定につながる可能性もあります。
□関連記事:
不動産売却の査定方法とは?査定の流れと査定ポイント
家の査定額は何で決まる?影響する主な要因
家の査定額は、さまざまな要因が複雑に絡み合って決定されます。不動産会社は要因を総合的に評価し、市場の動向も加味しながら、「このくらいの価格であれば売却できるだろう」という適正な価格を算出します。
ここでは、特に重要な5つの要因について解説します。
①築年数
建物の築年数は、査定額に大きな影響を与える要素の一つです。一般的に、建物は築年数が経過するほど老朽化が進むため、価値は下がっていく傾向にあります。特に木造戸建ての場合、法定耐用年数が22年とされていることもあり、市場では「築10年で新築時の半値、15年で3分の1、20年未満で10分の1、20年以上経過すると建物の価値はほぼゼロに近い」といった単純化された指標で語られることもあります。
しかし、あくまで目安であり、実際の査定では機械的な減価償却だけでなく、建物の維持管理状態も重要視されます。メンテナンスが行き届いていれば、築年数が古くても想定以上の評価を得られることがあります。
②外装
家の外観は購入希望者が最初に目にする部分であり、第一印象を大きく左右するため、査定額にも直接影響します。外壁や屋根の状態は、特に重要です。具体的には、外壁塗装の劣化状況(色褪せ、チョーキング現象、ひび割れ、剥がれなど)、使用されている建材(サイディング、タイル、モルタルなど)の種類や破損の有無、建物自体の傾きがないかなどが確認されます。
屋根についても、瓦のずれや破損、雨漏りの形跡がないかなどがチェックされます。外装の見た目が悪かったり、メンテナンスが不足していると判断されたりすると、査定額にマイナスの影響が出る可能性があるでしょう。
③内装
内装の状態も、査定において重要な評価ポイントです。壁紙やフローリングの汚れ、傷、剥がれ、日焼けによる変色、シミの有無などがチェックされます。特に、雨漏りの跡やカビの発生、シロアリ被害の形跡などが見られる場合は、修繕費用がかかるため、査定額が大きく下がる要因の一つです。キッチン、浴室、洗面所、トイレといった水回り設備の機能性、清潔さ、そして古さも重点的に見られます。最新の設備である必要はありませんが、日常的な手入れが行き届いているか、不具合なく使用できる状態かどうかが評価に影響します。ペットによる柱の傷や臭いなども、マイナス評価につながることがあります。
④立地の状況
建物そのものの状態だけでなく、土地の形状や立地の状況も、利用価値を左右し、査定額に大きく影響します。一般的に評価が高くなるのは、道路に面している間口が広く、奥行きが適切で、全体として使いやすい整形地です。逆に、三角形や旗竿地などの不整形地や、間口が狭い土地、急な傾斜地や崖地などは、利用に制約があったり、建築コストが余計にかかったりする可能性があるため、査定額が低くなる傾向があります。公道か私道かや幅員、日当たりの良さも重要な評価ポイントです。
⑤周辺環境
物件そのものの魅力に加えて、周辺環境も住みやすさや利便性に直結するため、査定額を左右する重要な要素です。最寄り駅からの距離、利用可能な鉄道路線の数、駅までの道のりの安全性や平坦さ、バス便の有無といった交通アクセスの利便性は特に重視されます。スーパーマーケットやコンビニエンスストア、商店街などの商業施設の充実度、学校や病院、公園、図書館といった公共・生活関連施設が近くにあるかどうかも評価に影響します。静かで落ち着いた住環境か、あるいは活気のあるエリアかといった、地域の特性も考慮されることがあります。
□関連記事:
あなたの家はいくら?不動産の資産価値の調べ方・計算方法を徹底解説!
家を無料査定してもらう際のコツ
家の無料査定は、いくつかのコツを押さえて臨むことで、より有利な条件で売却を進められたり、信頼できる不動産会社を見極めたりできるようになります。
ここでは、無料査定を賢く活用するための5つのコツをご紹介します。
コツ① 不動産会社を慎重に選ぶ
査定を依頼する不動産会社は、慎重に選ぶことが大切です。査定額の高さだけで判断するのではなく、会社の信頼性、過去の売却実績、担当者の対応の丁寧さ、提案内容などを総合的に比較検討しましょう。特に、売却したい物件があるエリアに精通している地域密着型の会社や、ご自身の物件タイプ(マンション、戸建て、土地など)の売却実績が豊富な会社を選ぶのが成功のコツです。不動産一括査定サイトを利用する場合は、複数の会社を効率よく比較できますが、それぞれの会社の特徴をよく調べることが重要です。
コツ② 家の情報を正確に伝える
査定を依頼する際には、物件に関する情報をできる限り正確に、そして正直に伝えることが重要です。物件の面積、築年数、間取り、リフォーム履歴、設備の状況といった基本的な情報はもちろんのこと、売却理由や希望条件なども正直に伝えましょう。情報に誤りがあったり、不利な情報を隠していたりすると、査定額にズレが生じるだけでなく、最悪の場合、売買契約後にトラブルに発展する可能性もあります。例えば、雨漏りの履歴やシロアリ被害の事実など、マイナスと思われる情報も正直に伝えましょう。誠実に伝えることで、信頼関係の構築にも繋がります。
コツ③ 査定前にリフォーム・リノベーションしない
「査定額を少しでも高くしたい」という思いから、査定前にリフォームやリノベーションを検討される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一般的に中古住宅の売買は、特別な合意がない限り「現状のまま引き渡す(現況有姿)」のが原則です。大規模なリフォームには高額な費用がかかりますが、費用を売却価格に上乗せして回収できる保証はありません。買主の好みに合わなければ、せっかくのリフォームが無駄になってしまう可能性もあります。
ただし、壁紙の部分的な補修やハウスクリーニング、不用品の処分など、比較的安価で物件の印象を良くする対応が有効な場合もあります。まずは不動産会社に相談し、費用対効果をよく考えて判断しましょう。
□関連記事:
不動産売却をする際はリフォームをしてからがいいって本当?
コツ④ 売却の戦略や修繕の必要性を聞く
無料査定は、単に家の値段を知るだけでなく、売却に関するプロの意見やアドバイスをもらう絶好の機会です。査定額の根拠を詳しく聞くのはもちろんのこと、物件の現状を踏まえて、「もし修繕が必要な箇所があればどこか」「どの程度の費用がかかりそうか」「少し手を加えることで価値が上がるポイントはあるか」といった点も積極的に質問してみましょう。さらに、「いつ頃売るのがベストか」「どのような価格設定で、どんな販売活動をするのが効果的か」といった、具体的な売却戦略についても相談してみることをおすすめします。質問に対する回答から、不動産会社の知識や経験、提案力などを推し量ることができます。
コツ⑤ 査定額の高さだけで不動産会社を選ぶのは避ける
査定額の高さだけで安易に不動産会社を選ぶのは危険です。なぜなら、中には契約を獲得することだけを目的に、意図的に相場よりも大幅に高い、非現実的な査定額を提示してくる会社も存在するからです。査定額はあくまで「この価格で売れるだろう」という不動産会社の予想額であり、売れることを保証するものではありません。高すぎる価格で売りに出しても買い手がつかず、結局は値下げを繰り返し、売却期間が長引いてしまうことにもなりかねません。
査定額の根拠がしっかりしているか、販売戦略は具体的か、担当者は信頼できるか、といった点を重視し、総合的に判断しましょう。
家の無料査定後の流れ
家の無料査定を依頼し、査定結果や不動産会社の提案内容に納得できたら、いよいよ本格的な売却活動へと進んでいきます。
査定はゴールではなく、あくまでスタートラインです。ここからは、査定後にどのようなステップで売却が進んでいくのか、主な流れを解説します。
(1)媒介契約を結ぶ
売却を依頼する不動産会社が決まったら、その会社と「媒介契約」を結びます。媒介契約は、不動産の売却活動を正式に依頼するための契約です。媒介契約には3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
契約種類 | 他社への依頼 | 売却活動の義務 | レインズ登録 | 特徴 |
専属専任媒介契約 | 不可 | 毎週報告が必要 | 5営業日以内に必須 | とにかく早く売りたい人 |
専任媒介契約 | 不可 | 2週間に1回報告 | 7営業日以内に必須 | 信頼できる1社に任せたい人 |
一般媒介契約 | 可 | 義務なし | 登録義務なし | 幅広く売却したい人 |
(2)売却活動をする
媒介契約を結ぶと、不動産会社による本格的な売却活動が始まります。不動産会社は、自社のWebサイトや不動産ポータルサイトへの物件掲載、新聞折り込みチラシ、ポスティング、オープンハウスの開催など、さまざまな方法で購入希望者を探します。売主側にも協力が求められます。重要なのが、購入希望者からの「内覧」への対応です。内覧希望があればスケジュールを調整し、家の中をきれいに掃除・整理整頓して、良い印象を与えられるように準備しましょう。
また、市場の反応を見ながら、不動産会社と相談して売却価格を調整することもあります。問い合わせ状況や内覧者の反応などを不動産会社からこまめに聞き、必要に応じて販売戦略を柔軟に見直していくことが、売却成功のポイントです。
(3)売買契約を結ぶ
売却活動の結果、購入希望者が見つかり、価格や引き渡し時期などの条件について双方の合意が得られれば、いよいよ「売買契約」を締結します。売買契約は、売主と買主の間で正式に売買の約束を交わす、法的な効力を持つ契約です。通常、不動産会社の事務所などで、宅地建物取引士から重要事項説明を受けたあと、売買契約書の内容を確認し、双方が署名・捺印します。契約の際、買主から売主へ「手付金」(売買代金の一部)が支払われるのが一般的です。契約時には、権利証や実印、印鑑証明書、身分証明書などが必要になりますので、事前に準備しておきましょう。
契約締結後は、契約書に定められた引き渡し日に向けて、ローンの完済手続きや引っ越しの準備などを進めていくことになります。
家の無料査定をする際の注意点
家の無料査定は、売却を検討する上で非常に役立つものですが、利用する際にはいくつか注意しておきたい点があります。
ここでは、無料査定を利用する際に特に気を付けたい3つのポイントを解説します。
注意点① 実際の売却の額と異なることもある
無料査定で提示される金額は、多くの場合「査定額」と呼ばれますが、実際に家が売れる「成約価格」と必ずしも一致するわけではありません。査定額は、あくまで不動産会社が周辺の相場や物件の状態などを基に算出した「このくらいの価格で売れるだろう」という予想価格です。実際の売却価格は、査定後の経済状況や金利の変動、近隣での新たな物件の売り出し状況といった市場の動きや、購入希望者の予算、交渉内容などさまざまな要因によって変動します。査定額は一つの目安として捉え、その金額を過信しすぎないことが大切です。
特に資金計画を立てる際には、査定額よりも少し低めに見積もるなど、ある程度の幅を持たせておくと安心です。
注意点② 査定額が高いと優良業者というわけではない
複数の不動産会社に査定を依頼すると、各社から異なる査定額が提示されます。その中で、他社よりも突出して高い査定額を提示してくる会社があるかもしれません。しかし、査定額が高いからといって、最も優良で、最も高く売ってくれる会社であるとは限りません。特に訪問査定を受けると、担当者と顔を合わせるため、断りにくいという心理が働き、高値に惹かれて契約してしまうケースもあります。しかし、結局その価格では売れず、値下げを繰り返すことになりかねません。査定額の根拠をしっかりと確認し、担当者の対応や実績なども含めて総合的に判断することが重要です。
注意点③ しつこい営業を受けることもある
無料査定を依頼すると、特に不動産一括査定サイトを利用した場合など、複数の不動産会社から電話やメールで営業連絡が来ることがあります。不動産会社にとって、査定依頼は見込み顧客を獲得するための重要な機会であるため、積極的にアプローチしてくるのは自然なことです。しかし、売却の意思がまだ固まっていない方や、頻繁な連絡を好まない方にとっては、営業活動がストレスに感じられることもあるでしょう。営業がしつこいと感じた場合は、はっきりとその旨を伝えたり、連絡手段をメールに限定してもらったりするなどの対応を検討しましょう。
売却をまだ本格的に考えていない段階では、匿名で利用できるAI査定などを活用するのも一つの方法です。
家の無料査定をしてくれる不動産会社の選び方

不動産会社選びは、不動産売却の成否を左右する非常に重要なポイントです。査定額だけでなく、会社の信頼性や実績、担当者との相性など、さまざまな観点から慎重に比較検討しましょう。
ここでは、後悔しない不動産会社選びのために、特に重視したい3つのポイントを解説します。
ポイント① 売却する地域に精通しているかどうか
家を売却する際は、地域に精通している不動産会社を選ぶことが大切です。地域に詳しい会社は、エリア特有の相場観や、どのような層に需要があるのかといった市場動向を深く理解しています。正確な査定額の算出が期待できるだけでなく、地域の魅力を効果的にアピールする販売戦略の立案も可能です。例えば、ポラスグループは、埼玉県、千葉県、東京都に多数の拠点を持ち、55年以上にわたり地域密着でお客様の住まいをサポートしてまいりました。各エリアの特性を熟知したスタッフが、お客様の不動産売却を力強くお手伝いします。
ポイント② 売却実績の豊富さ
どれだけ多くの売買取引を経験してきたか、つまり売却実績の豊富さも、不動産会社を選ぶ上で非常に重要な指標です。多くの取引を経験している会社は、さまざまな物件タイプや、顧客の状況に対応してきたノウハウを蓄積しています。売却活動中に予期せぬ問題が発生した場合でも、過去の経験に基づいた迅速かつ適切な対応が期待できます。例えば、複雑な権利関係の調整が必要になったり、買主との価格交渉が難航したりした場合でも、実績豊富な会社ほどスムーズに解決へ導いてくれる可能性が高いでしょう。
会社のWebサイトで取引件数や成約事例を確認したり、査定時に担当者へ直接質問したりして、具体的な実績を確認することが大切です。
ポイント③ 提示された査定額を明確に説明してくれるか
提示された査定額が、どのような根拠に基づいて算出されたのかを、納得できるように明確に説明してくれる不動産会社を選びましょう。査定額の算出には、近隣の類似物件の成約事例、現在の市場動向、物件の個別的な状態など、さまざまな要素が考慮されます。専門用語を避け、平易な言葉で丁寧に説明してくれる会社は、透明性が高く信頼できるといえます。また、査定額の良い点だけでなく、マイナスとなり得る要素についても正直に伝えてくれるかどうかも重要です。将来的に買主候補との価格交渉が発生した場合にも、査定の根拠がしっかりしていれば、売主様も納得感を持って交渉に臨みやすくなります。
家の無料査定に関するよくある質問
家の無料査定に関して、お客様からよく寄せられるご質問と回答をまとめました。
査定を依頼する前に疑問点を解消しておくことで、より安心してサービスを利用することができます。
無料査定の際に必要な情報は?
インターネットで無料査定を申し込む場合、主に以下の情報が必要となります。■物件の基本情報:
所在地・物件種別・築年数・建物の面積・土地の面積・間取りなど
■お客様の情報:
氏名・連絡先
これらの基本情報に加え、リフォーム履歴、設備の状況、周辺環境に関する情報があれば、より正確な査定に役立ちます。
実際に店舗に来店されたり、訪問査定を依頼されたりする際には、固定資産税納税通知書や登記簿謄本、建築確認済証などの書類があると、より詳細な確認や具体的な説明が可能になります。
買取の場合も無料で査定してもらえる?
多くの不動産会社では、仲介による売却だけでなく、「買取」の場合の査定も無料で行っています。買取とは、不動産会社が直接お客様の物件を買い取る方法です。仲介のように買主を探す必要がないため、早期に現金化できる、仲介手数料が不要、現状のまま売却できるといったメリットがあります。
無料査定と有料査定は何が違う?
無料査定と有料査定の最も大きな違いは、目的と法的効力です。無料査定 | 有料査定 (不動産鑑定) |
|
実施者 | 不動産仲介会社や 買取業者 |
不動産鑑定士 (国家資格保有者) |
費用 | 無料 | 有料 (数万円〜十数万円が一般的) |
査定の目的 | 将来の売却・買取契約の獲得 | 正確かつ公的な 不動産価値の証明 |
査定方法 | 周辺相場・ 簡易調査による概算 |
現地調査・法規制・環境・ 市場動向などを分析 |
証明力 | なし (目安程度) |
あり (公的証明として使用可能) |
主な用途 | 売却判断・相場把握 | 相続・訴訟・税務申告など 法的手続き |
発行書類 | 基本的になし (口頭や簡易レポート) |
不動産鑑定評価書 |
売却を検討する際の相場把握であれば、まずは無料査定で十分と言えるでしょう。
無料査定にトラブルはある?
無料査定を利用した際に起こり得るトラブルの一つとして、査定依頼後の執拗な営業電話や訪問勧誘が挙げられます。不動産会社にとって、無料査定は自社で仲介契約や買取契約を獲得するための重要な営業活動の一環です。そのため、査定を通じて得た顧客情報をもとに、積極的に売却を働きかけてくることがあります。特に複数の会社に一括で査定を依頼した場合、少なくとも数社からは営業連絡が来ると考えておいた方が良いでしょう。もし営業が過度だと感じた場合は、はっきりと断るか、今後の連絡はメールのみにしてほしい旨を伝えるなど、ご自身の意思を明確に伝えることが大切です。
無料査定で悪徳業者による被害を防ぐためには?
残念ながら、不動産業界にも一部、悪質な業者が存在する可能性は否定できません。無料査定を利用する際に悪徳業者による被害を防ぐためには、事前の準備と確認が重要です。まず、査定を依頼する前に、インターネットの不動産ポータルサイトなどで類似物件の売却事例を調べ、ご自宅のおおよその相場を把握しておきましょう。相場からかけ離れた高すぎる査定額や、根拠の曖昧な説明には注意が必要です。
また、依頼する不動産会社の営業実績(免許番号の行政処分歴なども確認可能)や、実際に利用した人の口コミ・評判を事前にインターネットで確認することも有効です。複数の会社を比較し、担当者の対応や説明に誠実さを感じるかどうかも見極めのポイントとなります。
まとめ
家の無料査定は、売却を検討する第一歩として非常に有用なサービスです。AI査定や訪問査定など手法も多様で、目的に応じて選ぶことが重要です。ただし、高すぎる査定額や過度な営業には注意が必要です。
ポラスの仲介は、埼玉県、千葉県、東京都を中心とした地域密着の不動産会社として、長年培ってきた豊富な経験と実績、そしてお客様一人ひとりに寄り添う丁寧な対応を大切にしています。お客様の不安や疑問を解消し、ご納得いただける売却を実現するため、無料査定はもちろんのこと、売却活動のあらゆる場面で専門知識を活かしたサポートをご提供いたします。
「とりあえず相場だけ知りたい」
「売却について何から相談すればいいか分からない」
「信頼できる不動産会社に任せたい」
このようなお客様は、ぜひ一度ポラスの仲介にご相談ください。
監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。