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住宅ローンを滞納するとどうなる?競売までの流れや予防・対処法などを徹底解説!

住宅ローンを滞納したらどうなるか知りたい方へ

  • 「住宅ローンを滞納したらどうなるか知りたい」という方は、この記事で滞納後の経過をチェック
  • 滞納したらどうなるかを知ることで、万一の場合も何らかの対応策が取れる可能性が高まります
  • 「ポラス」なら、住宅ローン返済に関するご相談にも対応します
住宅ローンの返済を滞納したら、どうなるのでしょうか。
この記事では、住宅ローンを滞納した場合、金融機関からどのような通知が届き、どのようにその後の手続きなどが進んでいくか解説します。
また、「競売」や「任意売却」についても取り上げます。

目次

住宅ローンを滞納するとどうなるの?

住宅ローンの返済が難しくなり、意図せず滞納してしまったり、家計が苦しいせいで滞納したことのある人もいるかもしれません。しかし住宅ローンの滞納はプラスになることは何もなく、自分の首を絞める行為になる可能性があります。
住宅ローンの滞納に気付いたらどうするべきか、対応について解説します。
 

住宅ローンの滞納に気付いたらどうしたらいい?

住宅ローンを滞納したら、最悪の場合は自宅が競売にかけられるおそれがあります。
「1回くらいでそんなはずは」と思うかもしれません。しかし住宅ローンの滞納は金融機関の信用を失い、抵当権を行使されるリスクがあることを理解しておくべきです。
では、滞納に気付いたらどう行動すべきなのでしょうか。早急にできる対処法としては、下記の4つがあります。

・家計を見直して無駄な支出を減らす
・金融機関に相談する
・住宅ローンの借り換えを行う
・滞納する前に売却する

特に家計を見直して無駄な支出を極力減らし、その分の返済額を増やすことが大切です。

住宅ローンの滞納が続いた場合の流れ

住宅ローンの滞納が続いた場合は、期間によってさまざまな書類が届き、最終的に競売となります。
具体的な滞納期間ごとの、金融機関の動きを紹介します。
 

【滞納から数日】金融機関から連絡が入る

住宅ローンを借りている金融機関から「引き落としがされていない」という連絡が入ります。
再引き落としの日付が提示され、「それまでに引き落とし口座に入金してください」と伝えられます。
 

【滞納から1~2ヶ月】郵便で支払い請求書が届く

1〜2ヶ月が経つと、銀行から郵便で「支払い請求書」が届きます。滞納している住宅ローンの支払いに加えて、遅延損害金の支払いも求められます。
 
この時点では、2つ折りの圧着されたはがきが送られてくるケースが多いでしょう。はがきには、滞納した住宅ローンの金額、損害遅延金の額が書かれています。銀行から督促の電話もかかってきます。
 

【滞納から2~3ヶ月】督促状や催告書が届く

2ヶ月〜3ヶ月が経つと「催告書」が届きます。前回ははがきでしたが、督促書は封書で届くことがほとんどです。
前回のはがきは滞納した金額についての通知がメインでしたが、督促書は、住宅ローンを分割で返済する権利を失うこと(期限の利益の喪失)、残額を一括で返済すること、保証会社がローンの残金を支払うこと(代位弁済)、さらには信用情報機関に「住宅ローンを滞納した」という情報が登録されてしまうことなどが記載されています。
つまり、期限が過ぎた場合には住宅ローンの残りを一括で支払わなければならないことが通知されます。まだ最終段階ではありませんが、大きなポイントといえます。

ちなみに、「住宅ローンを滞納した」という情報は、信用情報機関の事故情報名簿、いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれるものに登録されるなどといわれますが、実際にブラックリストが存在するわけではありません。住宅ローンを滞納したという事実が何度も信用情報機関に記載されると、要注意先として位置づけられることになります。
 

【滞納から3~6ヶ月】期限の利益喪失通知・代位弁済通知書が届く

住宅ローンを滞納してから3〜6ヶ月が経つと、「期限の利益喪失通知」と「代位弁済通知書」が届きます。

「期限の利益喪失通知」とは、銀行ローンを支払っている人に与えられている「期限の利益」がなくなったことを知らせるものです。住宅ローンは、借りた人と銀行が契約を結び、借りた人には「住宅ローンを毎月、分割して支払う」ことが認められます。これを「期限の利益」と呼びます。
住宅ローンを滞納し続けると、この「期限の利益」がなくなり、その後は住宅ローンを一括で返済することが求められます。ローンを滞納している人が、残金を一括で支払うことは事実上不可能なことなので、ここから競売に向けた手続きが始まるといえます。
 
そして、「期限の利益喪失通知」の後に、「代位弁済通知書」が届きます。これは保証会社が住宅ローンの残金を銀行に支払ったことを知らせるものです。この時点で、対応先が銀行から保証会社に変わり、保証会社から支払った住宅ローンの返済が請求されるようになります。
 

【滞納6~10ヶ月】競売開始決定通知が届き、現況調査が入る

6〜10ヶ月が経つと、「競売開始決定通知」が届き、さらに「裁判所の執行官による現況調査」についての知らせが届きます。
「競売開始決定通知」は、金融機関が住宅ローンの残金を回収するために裁判所に申し立てを行い、裁判所が競売の手続きを開始して不動産を差し押さえたことを知らせるものです。不動産が差し押さえられたことは、登記簿謄本にも記載されます。
 
競売の手続きが始まると、裁判所は執行官を派遣し、不動産を査定します。競売の基準価格を決めるためです。「競売開始決定通知」が届いた後、裁判所の執行官が調査に来る日時を知らせる通知が届きます。
調査には、裁判所の執行官に加えて、不動産鑑定士もやって来ます。建物の状況、各部屋の状況、自宅前の道路の状況などを調査します。近隣の人に話を聞くこともあります。
 

【滞納12~16ヶ月】期間入札の通知が届く

住宅ローンを滞納してから12〜16ヶ月が経つと、競売の開始を知らせる「期間入札の通知」が届きます。競売の入札期間、開札期日、売却決定期日などを知らせる通知です。
 
入札期間とは、競売にかけられた不動産を購入したい人が、裁判所に申し込むための期間です。購入希望者は入札金額(購入希望金額)を裁判所に伝えます。入札期間はおおむね、1〜2週間です。
開札期日は、入札の結果を確認する日のことです。入札や開札が行われる場所も記されています。

任意売却を選択するタイミングとは?

住宅ローンを滞納すると、これまで見てきたように定められた手順に従って不動産(自宅)は競売にかけられてしまいます。住宅ローンが支払えなくなった場合、マイホームは諦めざるを得ませんが、競売のほかに「任意売却」という手段もあります。

任意売却とは、住宅ローンが返済できなくなったときに金融機関の同意を得て不動産を売却し、ローンの残金の返済に充てることをいいます。競売との違いを見ていきましょう。
 
銀行で住宅ローンを借りた場合、不動産には銀行が「抵当権」を設定します。住宅ローンを借りた人が万一返済できなくなった場合に、不動産を担保として回収する権利です。つまり、住宅ローンを支払っている間は不動産には抵当権が設定されているため、ローンを借りている人は不動産を売却することはできません。
 
任意売却は、金融機関の同意のもと、この「抵当権」を外してもらい不動産を売却して、住宅ローンの残金の返済に充てることをいいます。
金融機関から見れば、競売と同じような結果になりますが、競売だと借り手が立ち退きを拒んだり、家財をそのまま残していくなど、なんらかのトラブルの可能性が高くなります。
一方、任意売却はローンの借り手が金融機関の同意を得て進めるため、そうした可能性は小さくなります。
借り手にとっても、任意売却は競売よりも売却価格が高くなり、仮にローンの残金が全額支払えなかったとしても、残りの金額を少なくすることができます。
また、金融機関と賃貸契約を結んでそのまま住み続け、住宅ローンを返済していくことが可能になることもあります。

任意売却は、競売の入札が開始される前に行わなければなりません。住宅ローンが滞り、返済を続けることが難しくなったら、早めに金融機関に相談するようにします。
住宅ローンを滞納すると、3~6ヶ月くらいで「期限の利益喪失通知」が届くことは前述した通りです。このタイミングで金融機関から「任意売却」を行うかどうかを打診されることもあります。
 

住宅ローンの滞納を防ぐためにすべきこと

住宅ローンの滞納を防ぎ、最悪の事態を避けるためには何をすべきでしょうか。いずれにせよ、手遅れになる前に、早めに回避策を考えて対策していくことが重要になります。具体的に取るべき手段を見ていきましょう。
 

①家計の見直し

まずは、家計の見直しを行います。月々の出費を見直し、無駄な出費や重複している出費、必ずしも必要ではない出費がないかをチェックします。例えばスマートフォンなどの通信費、生命保険などを見直してみてください。

住宅ローンを借りる際は、同時に団体信用生命保険(団信)に加入することがほとんどです。チェックしてみると、重複している生命保険があるかもしれません。スマートフォンなどの通信費も、キャリアを変更したり、プランを見直すと月々のコストを下げることができます。あるいは、あまり利用していない定額制サービスがないかもチェックしてみましょう。
 

②借入先への返済期間を延ばす相談・金利の引き下げ交渉

家計を見直してもまだ住宅ローンの返済が難しい場合は、早めに金融機関に連絡して相談しましょう。金融機関に「返済が難しい」と伝えることに抵抗があるかもしれませんが、早めに相談した方が金融機関にとっても対応策や返済の見直しなどの提案が行いやすくなります。

手遅れになる前に、相談することが何よりも重要です。住宅ローンを借りたタイミングによっては、今よりも高い金利になっていることもあります。その場合は、銀行が金利見直しを検討してくれるケースもあるようです。
金融機関によっては、「元金据置」サービスを利用できることがあります。住宅ローンの返済額には、元金(借りたお金)の返済と利息の支払いが含まれています。

元金据置は、一定の期間元金の返済を猶予して、返済を利息の支払いだけにすることです。つまり住宅ローンの返済が厳しい時期に、返済金額を一時的に減らすことができます。ただし、据え置き期間が終了した後は返済金額が増えることになります。また利用にあたっては、余裕があるときに繰り上げ返済を行うなどの条件が必要になることがあります。

返済期間の変更も考えられます。返済期間を伸ばすと総額の返済額は増えますが、月々の返済額を抑えることができ、差し押さえや競売といった最悪の事態を避けることができます。
いずれにせよ、早めに金融機関に相談することが大切です。
 

③売却を検討

住宅ローンの返済が苦しくなってきたときは、「遅延損害金」が発生して返済金額が膨らんでしまう前に、不動産を売却することも選択肢のひとつになります。不動産を売却し、住宅ローンの残金を返済できれば、家計にかかる負担は小さくなります。手に入れたマイホームを手放すことにはなりますが、負債を大きくする前に手を打つのは賢明なことです。

ただしこの場合は、不動産を売却して住宅ローンの残金を返済できるかどうかが重要なポイントになります。不動産会社に不動産を査定してもらい売却額を算定することはもちろん、売却して住宅ローンを完済するつもりであることを金融機関に伝えておきます。
金融機関によっては、売却が有利に進むようサポートしてくれたり、売却先を探してくれたりする可能性があります。 売却しても住宅ローンの完済が難しい場合は、任意売却という選択肢もあります。  
 

④任意売却を検討

滞納を防ぐ方法として、任意売却も有効な選択肢です。
任意売却は金融機関の了承を得ることによって、不動産の売却益を住宅ローンに充当する方法です。
比較的市場の相場価格に近い金額で売りやすく、住宅ローンの返済に充てても、わずかながら資金が残る可能性もあります。
ただし、競売の開札日前までに住宅ローンの支払いを終えていることが条件の1つとなるため、売却期間に注意してください。

■関連リンク:
「任意売却とは?任意売却の流れや6つのメリットを解説!」
https://www.baikyaku.polusnet.com/column/detail.php?n=232
 

⑤個人再生の利用

個人再生は、簡単にいうと借金などの返済ができなくなった場合に裁判所に再生計画を提出し、借金を大幅に減らしてもらう手続きです。減らしてもらった借金を原則3年間で返済すれば、残りの借金は支払い義務がなくなります。

住宅ローンの返済が難しくなる人は、他にも借金を抱えてるケースが少なくありません。そこで、住宅ローンのほかに高額な借金がある場合は、この個人再生を利用して住宅ローン以外の借金を減らし、住宅ローンはそのまま支払うことで、差し押さえや競売を防ぐことができます。
個人再生は基本的にはすべての借金を同等に扱いますが、「住宅ローン特則付き個人再生」という仕組みがあり、これを利用すると住宅ローンはそのまま払い続け、他の借金を減額してもらうことが可能です。

返済が遅れそうなときは、すぐに金融機関に相談を

住宅ローンを滞納したらどうなるのかを、時間経過ごとに詳細に見てきました。住宅ローンの返済は、毎月の返済が数十年にわたって続くものです。
長い時間の間には、コロナ禍のような誰も予想できなかった事態が起こり得ます。個人の努力だけではどうしようもないこともあります。返済が遅れそうなときは「まだ大丈夫」「なんとかなる」と考える前に、金融機関に遠慮なく相談しましょう。

金融機関にとって、あなたはこれまで毎月、きちんと返済してきた大切なお客様です。今後の対応について、さまざまな選択肢を提示してくれます。
一方で、無理して返済を続けず、不動産の売却を検討することもひとつの選択肢となります。任意売却や競売になる前に、不動産会社に相談することも検討してみてください。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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