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現金手渡しでの贈与は可能?リスクや注意点、贈与税がかからない方法を徹底解説!

贈与税について知りたい方へ

  • 生前贈与や贈与税について知りたい方は、この記事をチェック
  • 贈与税がかからない贈与形態をご紹介します
  • 住宅購入のための資金を贈与したいとお考えの方はこの記事を参考にしてください
生前贈与では必ず贈与税がかかると思っている人も多いことでしょう。しかし、贈与税がかからない方法もあります。

そこでこの記事では、生前贈与と贈与税について解説。生前贈与で贈与税がかからない贈与形態や生前贈与を行う際の注意点を説明していきます。

目次

現金手渡しでの贈与はばれる?

銀行の預金口座を経由するのとは違い、現金手渡しなら贈与がばれないと考える方も多いでしょう。
しかし残念ながら、たとえ現金の手渡しであっても、預金口座の残高照会や受け取った現金で不動産などを購入すれば贈与がばれる可能性が高いです。
 

そもそも生前贈与とは?

生前贈与とは、財産を生きているうちに配偶者や子、孫などに贈与することをいいます。
生前贈与を行うと、相続税を軽減できたり、贈与する相手を自由に選べる、財産をめぐって親族間のトラブルを回避できるといったメリットがあります。
そのため、自身が亡くなってから財産を相続するのではなく、生前分与を選択する人もいます。また、贈与される人にとっても、早期に資産が手に入ることで、住宅の購入や教育費の負担が軽減できるという点がメリットです。

生前贈与できる財産には、現金や預貯金、土地や建物、有価証券、車、船舶、家具、宝石、絵画などがあります。 なお、生前贈与は相続税を軽減できると前述しましたが、贈与税が課税される場合もあります。生前贈与を検討している方は、相続税と贈与税のどちらが少なくなるかを確認することをおすすめします。

生前贈与を隠し通すことは難しい

現金での生前贈与は、銀行や第三者を介さなければ記録に残ることがないため、「隠し通すことができるのではないか?」と考えてしまう人が多いでしょう。
しかし、税務署に生前贈与を隠し通すことはできません。というのも、周辺の事実を総合的に調査し、見つけ出しているからです。

現預金の贈与を見つけ出すきっかけには、次のようなものがあります。

●生前贈与された現金で不動産を購入した
生前贈与された現金で不動産を購入した場合、税務署から「お尋ね」という書類が届く場合があります。この「お尋ね」には、不動産を購入した際の支払代金の調達方法について記載する欄があり、そこから贈与が発覚することがあるのです。

●贈与のために預金を下ろした
贈与のために預金を下ろした場合、その預金口座を税務署員が調査すれば、出金の事実を把握できます。そのお金を「使途不明金」としてさらに調査し、贈与の事実が発覚すれば、贈与税の申告漏れとなってしまいます。

●贈与した人が亡くなった後の税務調査
相続税の申告後に、税務署が税務調査を実施することがあります。この税務調査では、申告書の記載内容が正しいかを確認します。この税務調査で、生前贈与が発覚することもあります。

なお、生前贈与は年間110万円を超える金額の贈与を受けると、贈与税を申告しなければなりません。また、申告には期限があり、期限を超えてしまうと本税に加えて追徴税が課せられることがあります。

生前贈与を隠し通すことは難しい?バレた場合どうなる?

生前贈与で現金を渡していたとしても、生前贈与を隠し通すことは難しいといわざるをえません。
その理由について解説します。
 

生前贈与の有無の判断基準

税務署は銀行口座だけをチェックしているのではなく、高額なお金の流れや被相続人の税務調査を行っています。被相続人から相続人に生前贈与があっても、贈与税の申告を行って納税していれば、追徴課税を受けることはありません。

しかし被相続人の税務調査によって、年間110万円を超える生前贈与があったと判断されれば、相続人には贈与税の支払い義務が生じます。
たとえ現金で贈与を受けていてもばれますから、生前贈与を受けたときは税務署への申告は必ず行ってください。
 

生前贈与がバレるきっかけ

生前贈与がばれるきっかけには、次のようなケースが考えられます。

・生前贈与された現金で不動産を購入した
・被相続人が贈与のために多額の預金を下ろしていた
・贈与した人が亡くなった後の税務調査

いずれの場合も税務署からの調査書類や税務調査の対象となり、生前贈与が発覚するきっかけになります。
生前贈与があったとみなされれば、追徴課税が行われる可能性があります。

現金手渡しでも贈与税はかかる?

現金手渡しでも贈与税はかかります。
1月1日~12月31日までの間に110万円を超える贈与があれば、金額にかかわらず贈与税が発生するため注意してください。
税率については、金額によって200万円以下から3,000万円を超えるケースまで、税率と控除が細かく設定されています。
例えば子に生前贈与で200万円を現金で手渡しすると、20万円の税金が課されます。

なお両親や祖父母から18歳以下の直系の子や孫に贈与があった場合は、特例税率もありますから有効に活用しましょう。
 

現金手渡しの場合にかかる贈与税はいくら?

現金手渡しの場合、贈与額別の税率は次の通りです。
 
贈与額 税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

次に両親や祖父母から直系の18歳以下の子供または孫に贈与した場合、特例税率がどのようになるかを表したものです。
 
贈与額 税率 控除額
200万円以下 10% -
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
 

現金手渡しによる贈与を申告しなかった場合のペナルティ

現金手渡しによる贈与を申告しなかったり、わざと申告しなかったりすると、ペナルティが課されます。
まず申告を忘れていた場合には、無申告加算税の対象になります。
 
申告の時期 贈与税額および税率
税務調査の連絡前の自主申告 贈与税額の5%
税務調査の連絡後の申告 ・50万円以下は10%
・50万円以上は15%
税務調査で指摘を受けてからの申告 ・50万円以下は15%
・50万円以上は20%

次にわざと申告しなかった場合には、重加算税の対象になります。
 
申告のケース 過去5年以内に無申告加算税または重加算税を支払ったことがある場合 それ以外
無申告 50% 40%
過少申告 45% 35%

申告忘れに比べると、わざと申告しなかった場合のほうが重い税が課されます。
税金を支払いたくないからと申告せずに逃れようとすると、ばれたときのペナルティが大きくなるため絶対にやめましょう。
申告忘れに気付いたら、できるだけ早期に申告することが大切です。

現金手渡しによる贈与を行う際の注意点

​現金手渡しによる贈与を行う場合、5つの注意点を守ることがポイントです。

①贈与契約書を必ず作成する
②贈与の度に贈与契約書を作成する
③生前贈与加算に注意する
④死亡7年前の生前贈与は課税される
⑤贈与の証拠がない場合、相続税が課税される可能性がある

ここではそれぞれの注意点について解説します。
 

①贈与契約書を必ず作成する

生前贈与の使途不明金は、追徴税の課税根拠になってしまいます。追徴税を回避するためには、「贈与契約書」で記録を残しておくことが大切です。

贈与契約書とは、贈与者と受贈者間で結ぶ書面で、確実に贈与があったことを第三者や税務署に証明するためのものです。内容には、贈与者と受贈者に合意があったことを明記し、贈与契約書どおりに贈与を履行しましょう。
また、現金でやり取りをする場合は領収書を作成します。その後、受け取った現金を口座に入金して記録を残しておくようにしましょう。
 

②贈与の度に贈与契約書を作成する

贈与契約書を、贈与を行う度に作成することも重要です。特に1年間に複数回の贈与を行う場合は、定期贈与と疑われる可能性があります。
毎回契約書を作成すれば定期贈与と疑われる心配もなく、連年贈与としての証明にもなるでしょう。税務調査を避けるには、少しでも疑われるような贈与は避けることが大切です。
 

③生前贈与加算に注意する

生前贈与加算とは、相続開始前に受けた贈与分を相続財産として加算することです。生前贈与加算が発生すると、暦年課税の贈与税が非課税であっても、贈与分が相続財産に加算されて相続税の負担が大きくなります。
生前贈与加算は意識していない人が多いため、生前贈与を行う人も受け取る人も注意する必要があります。
 

④死亡7年前の生前贈与は課税される

生前贈与課税については、2024年1月1日以降の贈与から死亡7年前までに課税されることになりました。以前は死亡3年前までだったため、大幅に適用対象が拡大されています。今後、生前贈与を行う予定の方は時期に注意して贈与を行ってください。
 

⑤贈与の証拠がない場合、相続税が課税される可能性がある

贈与を行った証拠がない場合は、贈与税ではなく相続税が課される可能性があります。
特に贈与契約書を作成せずに現金手渡しを行うと、不明出金扱いになり、相続税として加算されるかもしれません。そのため、たとえ少額であっても贈与の度に契約書を作成し、贈与である証拠を残しておくことが重要です。

贈与税・相続税を節税する方法はある?

贈与税がかからない贈与形態にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
 

方法① 基礎控除110万円以内で暦年贈与する

前述したとおり、贈与税には基礎控除があり、年間110万円までは贈与税は課税されません。よって、毎年110万円以内ずつなら、多くの財産を贈与税なしで贈与できます。
ただし、以下のことに注意してください。

●税務署が「連年贈与(もともと多額の贈与をするつもりで、小分けに贈与した)」と判断
この場合、贈与総額分の贈与税を課せられたり、相続時に贈与総額分の相続税を納税しなければならないことがあります。

●贈与する側(親など)が亡くなった
このケースでは、死亡時から3年以内に贈与した財産は相続財産とみなされます。そうすると、相続税が課せられます。
 

方法② 相続時精算課税制度を利用する

「相続時精算課税制度」とは、60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子供や孫に財産を贈与する際、合計2,500万円までの生前贈与が特別控除となる制度で、その代わりに相続時に贈与額分の相続税を納税します。
税金の支払いを後回しにするだけの制度のように思えますが、相続財産が多くない場合、贈与税も相続税もかからずに生前贈与できます。

なぜ相続税がかからないのかというと、相続税にも基礎控除があるからです。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」までの金額なら、相続税は発生しません。
 

方法③ 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度を利用する

「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」という制度は、親や祖父母が子や孫に対して、住宅購入のための資金を援助する場合、省エネなどの住宅の場合は1,000万円、それ以外の住宅の場合は500万円までの贈与は非課税になるという制度です。ただし、以下の条件を満たす場合のみこの制度を利用できます。

1)贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること
2)贈与を受ける人が、贈与を受けた年の1月1日に18歳以上である
(令和4年3月31日以前の贈与については「20歳以上」)
3)贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下である
4)平成21〜令和3年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがない
5)自分の配偶者や親族など近しい関係の人から住宅を購入したり、建築を請け負ってもらったりはしない
6)贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、この資金の全額を使って住宅を新築または増改築すること
7)贈与を受けた時に、日本に住所がある
8)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その住宅に住む見込みが確実である

なお、この制度は、令和5年12月31日までの限定制度です。利用したい場合はなるべく早めに税務署に申告を行ってください。
 

方法④ 教育資金の一括贈与制度を利用する

「教育資金の一括贈与制度」とは、親や祖父母が、子どもや孫の教育資金として、まとまった金額を贈与する場合、1,500万円までの金額に相当する部分が非課税となる制度です。
制度の詳しい内容は、次のとおりです。

●父母や祖父母から、30歳未満の子や孫名義の金融機関の口座などに教育資金を一括贈与し、一人あたり1,500万円までが非課税となる
●塾や習い事などの学校以外にかかる費用の非課税枠は500万円が限度
●贈与される人の、贈与を受けた年の合計所得金額が1,000万円以下であること
●贈与者が死亡した場合、その死亡の日における管理残額が相続財産に加算される
●子や孫は、教育費を一旦自分で支払い、その領収書を金融機関に提出することで同額を引き出せる
●贈与された子や孫が30歳になった時点で、贈与額を使い切らずにまだ残っていた場合は、その残額に対して贈与税が課せられる
●令和5年3月31日までの措置なので、それ以降は利用できない
 

方法⑤ 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度を利用する

「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」は、祖父母や両親が、子どもや孫の結婚資金、子育て資金としてまとまった金額を贈与する場合、最大1,000万円までの贈与が非課税となる制度です。
詳細は次のとおりです。

●親や祖父母から、18歳以上50歳未満の子や孫へ金融機関の口座などにの結婚・子育て資金を一括贈与し、一人あたり1,000万円までが非課税となる
●結婚資金のみの場合は、300万円までが非課税
●贈与される人の、贈与を受けた年の合計所得金額が1,000万円以下であること
●贈与者が死亡した場合、その死亡の日における管理残額が相続財産に加算される
●子や孫は、教育費を一旦自分で支払い、その領収書を金融機関に提出することで同額を引き出せる
●贈与された子や孫が30歳になった時点で、贈与額を使い切らずにまだ残っていた場合は、その残額に対して贈与税が課せられる
●令和5年3月31日までの措置なので、それ以降は利用できない
 

方法⑥ 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除を利用する

「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」は、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産の贈与、または居住用不動産を購入するための金銭贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除が受けられる特例です。
この特例を適用するには、以下の要件があります。

●夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われた
●配偶者から贈与された財産が、 居住用不動産であることまたは居住用不動産を取得するための金銭である
●贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与した居住用不動産、または購入した居住用不動産に実際に住んでいて、その後も引き続き住み続けること

気を付けたいのは、住宅の購入資金を贈与する際です。この特例は、住宅の購入資金を贈与する際にはあまりメリットがあるとはいえません。相続税の配偶者控除なら、1億6,000万円の非課税枠があるためです。この特例を利用するかは、慎重に検討することをおすすめします。
 

方法⑦ 日頃の生活費・教育費として贈与する

特例や制度を使わず、贈与税がかからない方法があります。それは、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために贈与することです。

生活費は、日常生活に必要な費用のこと、教育費は、学費や教材費、文具費などが含まれます。
ただし、生活費や教育費の名目で贈与を受けたとしても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てる場合には贈与税がかかります。
また、まとまった金額を贈与する場合は贈与税の対象になる可能性があるので注意してください。

まとめ

相続税対策に生前贈与を行う方や、税金対策に現金手渡しにしようと考える方もいるでしょう。
しかし現金で贈与したとしても、税務調査を受ければすぐにばれてしまい、追徴課税されるリスクがあります。

家族や親戚に負担をかけないためにも、しっかりと贈与契約書を作成し、贈与税の仕組みについて理解してから贈与を行いましょう。
現金だけでなく、不動産の贈与や相続に関するお悩みも、ぜひ当社にご相談ください。

監修者

コラム監修者 大沼
大沼 春香(おおぬま はるか)

宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。

最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。

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