
マンションの売却をお考えの方へ
- マンション売却にかかる期間を解説
- 早く売るためのコツをご紹介
- 早期売却を叶える売却方法「買取」についてもご紹介します
この記事では、マンション売却にかかる平均期間を徹底的に解説。また、売却期間を決める要素や早く売るためのポイントもわかりやすくご紹介。
さらに、すぐにでもマンションを売りたい人におすすめの「買取」の概要をくわしく解説していきます。
目次
マンション売却にかかる平均期間
マンションを売り出す場合、その平均期間は、どれくらいかかるのでしょうか?まずは、売却の流れごとに必要な期間やエリア別の平均売却期間、そして、長期間売りに出したときのリスクをくわしく解説していきます。
売却の流れごとに必要な期間
マンションの売却には、3段階の期間を必要とします。それが「売り出し前」「売り出し中」「売り出し後」です。まず、第1段階の「売り出し前」では、マンションの査定に約1週間、媒介契約の締結に約1週間、合計約2週間を要します。次の第2段階「売り出し中」は、不動産会社の売却活動です。マンションの売り出しから買主との売買契約締結まで、3ヶ月ほどの期間が必要となるでしょう。そして、最後の第3段階「売り出し後」として、売買契約締結から引き渡しまでに約1ヶ月の期間がかかるといわれています。
エリアごとの平均売却期間
マンションの売却期間は、エリアごとに若干異なることがあります。関東の東京・千葉・埼玉を例に見た場合、千葉や埼玉の平均売却期間は、約3ヶ月です。これは、一般的なマンションの売却期間と同じになります。逆に東京の平均売却期間は、約3ヶ月以上かかっているようです。中には、4ヶ月を超えるケースも珍しくありません。その最大の理由は、マンションの価格高騰といわれています。価格が高くなることにより、どうしても買い手側の決断に時間がかかってしまうからです。
長期間売りに出すのはNG
マンションを希望価格で売却するため、長期間売りに出した場合、いくつかのリスクが考えられます。まずは、買い手側に「売れ残っている物件」というイメージを持たれることです。長期間同じ価格で売られている状態を見て「売れない理由は何?」「何か問題があるのでは?」など、マイナスの印象で勘ぐられることも珍しくありません。また、不動産会社も長期間売れない物件には、労力を費やさなくなります。同じ売却活動をおこなうのなら、条件のよい売れる物件に注力したいからです。これらの観点からも、長期間売りに出すことはNGといえるでしょう。
マンションの売却期間を決める要素
マンションを売りに出すとき、その売却期間を左右する大きな要素が3つあります。それが「物件」「不動産会社」「売却条件」です。ここからは、その要素の概要をわかりやすく解説していきます。
物件に関する要素
ひとつめが売却するマンションの状態です。主にマンションの築年数や立地、専有面積が、その要素として挙げられます。人気が集まるマンションは、築年数が5年以内であり、立地が最寄り駅まで徒歩6分圏内、60㎡前後の専有面積であることです。また、利便性や快適性、街の雰囲気など、周辺環境もマンションの売却期間を左右します。不動産会社に関する要素
ふたつめの要素は、不動産会社の力量になります。営業能力や事務処理能力、熱意など、実際に売却活動をおこなう担当者の腕前は、マンションの売却期間に大きな影響を及ぼすからです。どれだけ好条件のマンションでも売却に時間がかかる場合、不動産会社に何らかの問題があるかもしれません。また、不動産会社と交す媒介契約の種類によって、売却期間が左右されることもあります。売却条件に関する要素
マンションの売却期間を左右する要素、その3つめが売却条件です。市場の相場よりも高い価格で売り出した場合、買い手がつきづらくなり、売却期間が長期化するかもしれません。また、競合物件の有無も影響を与えます。近隣をはじめ、同じマンションの中でも同時期に売りに出される物件が出てくることもあり、その存在が売却期間に大きく関わってくるでしょう。
マンションを早く・高く売るためのポイント9選

マンションの売却を決めたら、できるだけ最短で売りたいものです。売り出しの期間を長引かせることなく、早期にマンションを売却できるコツはあるのでしょうか?
ここからは、早くマンションを売るためのポイントをご紹介します。
ポイント① 業者を選ぶコツ
マンションの売却を得意とする不動産会社や担当者を選んでください。見極めるポイントは、どれだけの不動産情報サイトに広告を掲載しているか否かです。広告量が多いほど、資金力や集客力がある証拠であり、販売活動にも信頼がおけるようになります。また、適切な提案・アドバイスなど、サポートサービスの内容も確認すること。担当者も売却の経験や知識に富み、話の内容がわかりやすく明確な人が最適です。報告・連絡・相談の徹底、熱意や誠実さといった人柄もチェックしましょう。
ポイント② 売り出しのタイミングを見極める
マンションの場合、売却の時期やタイミングにより、大きく市場相場が変化します。景気や都市再開発計画などの影響をはじめ、売買契約数がピークを迎える2月~3月の時期、競合物件のタイミングなどです。しっかりと需要が高まる時期を見極め、そのタイミングを逃さず、売りに出すようにしてください。
ポイント③ 売却価格を適正なものにする
市場に見合った最適な売却価格を設定しましょう。マンションを売り出す適正価格を決めるため、大切なポイントになるものが、周辺地域にある競合物件の価格相場です。不動産取引情報提供サイトを使えば、近隣マンションの成約価格を基にした相場を知ることができます。その相場を踏まえ、不動産会社や担当者と相談をおこない、適正価格を設定することが早期にマンションを売却するコツです。
ポイント④ リフォームを自己判断で行わない
マンションを早く売るなら、リフォームを自己判断で行わないこともポイントです。自宅のリフォームは元々の持ち主が好みのデザイン、間取り、使いやすい構造にマンションを変えることです。しかしマンションの購入希望者の中には、購入後に自らリフォームをしたいと考える人も一定数います。
築年数の長いマンションは傷みも多くなりますが、素人にはどこが劣化しているかすぐにはわかりません。自己判断でリフォームを行うよりも、まずは専門家である不動産会社に相談しましょう。
不動産会社が査定した結果、リフォームしたほうがいい部分があるようなら、素直に従うと早く売れる可能性が高まります。
逆に、リフォームしなくても売却額に大差がない場合は、リフォームをせずに売り出すと得になります。
ポイント⑤ 内覧前に掃除をする
マンションを早く売るには、内覧を行う前に掃除しておくことも重要です。内覧とは見学希望者に対して、物件の持ち主が対応して自宅内を案内したり、設備の内容を説明したりすることです。内覧は見学希望者が直接物件を確認し、購入するかどうかを決めるうえでの重要なイベントになります。マンション内が乱雑な状態で見学希望者を受け入れると、管理が行き届いておらず、悪い印象を与えるおそれがあります。内覧の日程が決まってから慌てて準備をするのではなく、あらかじめハウスクリーニングなどに依頼しておきましょう。特に長年の汚れはこびりついており、素人では完全に除去することは困難です。
整理整頓されている部屋は清潔感があるとともに、見学希望者がどこにどんな家具を置くのか、どの部屋に誰が使用するのかをイメージしやすくなります。
直前になって慌てないように、市場に公開する時点で掃除をすませておくのがポイントです。
【掃除の際のチェックポイント】
内覧前に掃除しておきたい場所とポイントは、以下の箇所です。
・玄関に靴やゴミが散乱していないか
・玄関に入った瞬間に臭わないか
・明るい空間になっているか
・水回りにカビや水垢は目立たないか
・台所の換気扇は綺麗になっているか
・ペットの毛は落ちていないか
・床やサッシに埃はないか
・窓は開放されており、換気はされているか
特に玄関と水回りは目につきやすいため、念入りに掃除しましょう。
また屋内で煙草を吸う人がいる、ペットを飼っている、窓を年中閉め切っているなどに当てはまるときは、室内の臭いにも注意すべきです。
ポイント⑥ 抵当権の抹消を行う
抵当権とはマンションを購入する際に、金融機関で住宅ローンを組むために、ローンの担保として登記簿上に設定する権利のことです。住宅ローンの返済が困難な状態に陥った場合、金融機関は抵当権を行使してマンションを競売などにかけ、ローンの返済に充当することができます。
抵当権は住宅ローンの返済が終わると登記簿から抹消できますが、自動的に登記簿から抹消されることはありません。金融機関から交付される書類とともに、抵当権抹消登記を申請して初めて抵当権は抹消されます。
そのため、売主の中にはローンを完済しても、抵当権の抹消を行っていない人もいます。
抵当権の残っている物件は、購入希望者にとっては爆弾と同じです。記録上ではローンが完済しているかどうかが不明で、購入後に抵当権を行使されるリスクがあるからです。
マンションを一日も早く売りたいなら、抵当権抹消登記は忘れずに行いましょう。
ポイント⑦ マンションにまつわるお金を清算しておく
マンションを早く売るには、マンションに関連したお金を清算することも大切です。抵当権の抹消にもいえることですが、住宅ローンの残っているマンションには抵当権が残存しています。住宅ローンが残っているマンションは、原則としてそのままでは売却できません。例外的に金融機関が許可した場合は売却できますが、その場合も売却による利益はローンに充当する必要があります。また金融機関の許可を得てマンションを売却しても、利益のほうがローンより少なければ、オーバーローンの状態になります。マンションはなくなり、ローンだけが残る形になるためおすすめできません。
マンションにまつわるお金は、マンションの引き渡し日までにすべて清算しておきましょう。
ポイント⑧ 3,000万円の特別控除を利用する
マンションを早く、高く売るには3,000万円の特別控除も活用しましょう。3,000万円の特別控除とは「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」のことです。
家を売却した場合に、譲渡所得が3,000万円分控除され、大きな節税対策になります。損益通算や繰越控除との併用も可能で、マンション売却にかかる費用を抑えられます。
ポイント⑨ マンション売却で損失が出た場合は損益通算を活用する
マンション売却では、損失が発生する場合もあります。その場合も損益通算を行い、損失分を所得から控除してもらいましょう。マンション売却で損失が出た年は、翌年の確定申告で損益通算で利益との相殺が可能です。さらに相殺しても損失のほうが大きいときは、繰越控除で最大3年間まで給与所得などから控除できます。
売却で損失が大きければ、特例の利用が可能かどうか税理士や税務署に相談するのがおすすめです。
すぐにでも売りたい場合は「買取」も検討
「売却に時間をかけたくない」「すぐにでも売りたい」そんなときは「買取」という手段があることをご存じでしょうか?ここからは、マンションの買取、その概要やメリットを解説します。
買取とは
買取とは、不動産会社にマンションを直接購入してもらう売却方法です。市場相場の70%~80%ほどの価格になってしまいますが、一般的な売却方法と異なり、売却期間の長期化や売れ残りといった心配がなくなります。
買取のメリット
買取にすれば、買い手を探す手間が省けるようになります。売買契約の締結も最短で約1週間、最長でも約1ヶ月以内と非常にスピーディーなところが大きな魅力です。また、通常の売却方法と比較した場合、すぐに現金を手にできることも、買取のメリットに挙げられるでしょう。不動産会社によっては「買取保証」という制度を設けていることがあります。依頼したマンションが一定の期間で売却できなければ、事前に決めていた価格で不動産会社が該当物件を買い取る仕組みです。買取や買取保証をおこなっていない業者もあるため、前もって確認することをおすすめします。
適正価格とタイミングがマンションを早く売るためのコツ
マンションの平均的な売却期間は、およそ3ヶ月です。売り出す前の準備や売り出し後の引き渡しに要する期間を加えれば、実際の売却期間は、約4ヶ月~6ヶ月考えるべきでしょう。
市場相場を踏まえて適正価格を設定し、需要とタイミングを見極めることが、マンションを早く売るためのポイントになります。早期売却を叶えるためにも、売却活動をおこなう不動産会社は大事な存在といえるでしょう。
不動産会社選びの大切なポイントは、複数の業者に物件の査定を依頼すること。各社の査定結果や対応などを比較すれば、自分の希望をかなえるために、誠心誠意尽力してくれる不動産会社と出会えるはずです。
監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。