
築年数の古い住宅に住んでいる方へ
- 「築年数30年前後」の家に住んでいる方は、要チェックの記事です。
- 家の寿命や対策方法を知れば、住み慣れた家の寿命を延ばすことが可能となります。
- 「ポラス」なら、築年数の経った物件の理想的な購入・売却をサポートができます。
今回の記事では、中古住宅は築年何まで住めるのかを徹底的に解説。日本の家の平均寿命とその理由、家の寿命を延ばす方法、中古物件を購入するメリット・デメリットや注意点、寿命が近づいた家を手放す方法などを分かりやすくご紹介します。
目次
賃貸物件は築何年まで住める?
賃貸物件の契約更新は一般的には2年としていることが多いですが、築年数も意識して住むことも大切です。
あまりに築年数が古い物件の場合、現在の耐震基準を満たしていない可能性があるほか、管理者の意向で取り壊しが計画されることもあるからです。
目安としては築40年以上の賃貸物件かどうかで、耐震基準を確認してから入居するのがよいでしょう。
また設備面を重視するなら築10年以内、十分な耐震基準を重視するなら築20年以内の賃貸物件を選ぶのがおすすめです。
□関連リンク:
「鉄骨造の耐用年数はどれくらい?法定耐用年数?減価償却?疑問を徹底解説!」
□関連リンク:
「築30年のマンションはあと何年住める?メリット・デメリット、資産価値、売却時のコツについて」
築年数が古い賃貸物件のメリットとは?

築年数が古い賃貸物件には、築浅の賃貸物件にはないメリットも数多くあります。
人によっては築古の賃貸物件が合っている人もいますから、メリット・デメリットを比較して選択しましょう。
家賃が安い
賃貸物件は新しいものほど家賃は高く、古いものほど家賃は安くなる傾向があります。通常の一戸建てでも、築年数が古くなるほど資産価値は下がりますから、賃貸物件も同じように考えるとよいでしょう。
賃貸物件の場合、築10年以内なら家賃が高いものもある一方、10年を超えると周囲の家賃相場に合わせて家賃が安くなることがあります。
特に次々と賃貸物件が建築される地域なら、新しい物件よりも家賃を安く設定している物件も多くなります。
色々な物件が選べる
賃貸物件を新築や比較的新しいものだけに限定しなければ、物件の選択肢は多くなります。新しい賃貸物件ほど人気が高く、古い賃貸物件は競争率が低くなりやすいためです。
つまり築古物件ほど空室が多く、家賃も安くなりやすいことから、選べる賃貸物件のバリエーションも増えていくでしょう。
設備や新築へのこだわりがなければ、築古物件も選択肢に入れると住みやすい賃貸物件を見つけやすくなります。
リフォーム済み物件を借りられることがある
築古物件の中には、リフォームやリノベーションを行い、新築同然の物件を貸し出しているところも少なくありません。例えば築年数自体は30年以上経っていても、オール電化や床暖房、バリアフリー化などを施して住みやすくなっているケースです。
築年数は古いため家賃も安いことが多く、新築の賃貸物件よりもお得に住めるのは大きなメリットといえるでしょう。
築築年数が古い賃貸物件のデメリットは?
新築の賃貸物件の場合はインターネット回線、オートロック、オール電化、宅配ボックスなど設備面の充実したものが多くあります。
しかし築古物件の場合は新築に比べて設備が古いものが多く、内容も劣っていることが少なくありません。
特に家賃の安い賃貸物件であれば、生活に必要な最低限の設備しかないこともあるでしょう。
設備面の古さについても、入居前の判断基準とすることが重要です。
耐震性が低い
日本の建築基準法は1981年と2000年に大きな改正があり、1981年には現在の新耐震基準が明確化されました。そのため築30年以内の物件であれば新耐震基準に基づいていますが、問題となるのは築40年以上の物件です。
1981年6月1日よりも前に建築された賃貸物件に関しては、現在の耐震基準を満たしていない可能性があります。
地震の多い日本で安全に過ごすには、築古物件を賃貸する際の耐震基準の確認が不可欠といえます。
間取りが古く、防音・断熱性も低い
築古の物件はリフォームを行わない限り間取りが古いままで、各部屋の防音性や断熱性も低いというデメリットもあります。新しい物件であれば断熱性・防音性に優れた素材が使われているため、そのままでも入居者にとって生活しやすい環境になっています。
しかし築古の物件は暮らしにくい部分もあるため、入居者自身で家具や収納などを工夫していく必要があるでしょう。
断熱性を高めるために窓にシートを張る、大きな音を出さないように生活するなど、トラブルを避けるためにも配慮すべき点が多いです。
【こだわり別】賃貸住宅の築年数の選び方
賃貸住宅を自分のこだわりと築年数で選ぶ際のポイントを紹介します。
水回りの設備
賃貸住宅で多くの方がこだわるポイントは、台所・トイレ・浴室といった水回りの設備です。台所の場合、キッチンの高さが自分に合っているか、収納スペースはあるか、リビングと一体になっているかなどをこだわるのがよいでしょう。
トイレの場合、室内に収納スペースがあるか、収納場所が上部か下部か、換気扇はあるかといった点が見るべきポイントになります。
浴室は窓からの採光ができるか、近隣からの視線は入らないか、湿気対策はしやすいかなどをチェックしましょう。
そして、水回りで特に重要なのが湿気対策です。
湿気の多い環境はカビや雑菌が増殖しやすく、住む人の健康を害する危険があります。
賃貸住宅を選ぶ際は、水回りにこだわると住みやすい家が見つかります。
築年数は10年単位で検討する
賃貸住宅を選ぶ際は、築年数10年単位で検討するのがおすすめです。設備面を重視するなら、築10年以内なら新しい状態であると考えられ、生活しやすい環境が手に入りやすいです。
耐震性や断熱性、防音性を重視するなら築年数20年以内を選びましょう。
建築基準法は2000年に大きく改正されているため、20年以内の物件なら新しい耐震基準にも適合しているからです。
少しでも家賃を抑えて住みたいなら、築30年を基準に検討するのがおすすめです。
築年数の古い賃貸住宅の中には、リフォームやリノベーションを行った物件もあります。
安い家賃で新築に近い住宅を選べる可能性もあるため、築30年を1つの目安にするとよいでしょう。
家の寿命を延ばすにはメンテナンスが重要
家の寿命は、メンテナンス次第で延命することが可能です。しかし、どのようなメンテナンスを施せば、家の寿命を延ばすことができるのでしょうか?
ここでは、具体的なポイントを解説します。
まずは家の点検を行う
家の寿命を延ばすため、定期的な点検をおこないましょう。家主ができる点検は、住宅の屋外や屋内の清掃時、異常の有無をチェックすることです。特に、キッチン・バス・トイレの水周りは、家の劣化状況を知るために、必ず確認してください。
住宅の屋根や外壁、建物の内部構造や設備機器など、家主が点検できない部分は5年を目途とし、専門家に点検を依頼するべきです。
専門家への依頼費用は、目視点検で4万円~5万円ほど、機械を使った本格点検で20万円~30万円ほどとなっています。
リフォーム・メンテナンスの優先順位をつける
家の延命処置として、修繕が必要な部分のリフォームやメンテナンスの優先順位をつけてください。たとえば、築10年~15年の場合、家の構造部分となる屋根や外壁、床下などのメンテナンスを重視することです。費用は、工事内容によって異なりますが、屋根で約20万円~30万円、外壁で約100万円~150万円、床下で約20万円になります。築15年~20年の場合、水回りを全面的にリフォームしましょう。費用は、総額60万円~90万円程度を目安としてください。
築20年~30年の場合、これまでのリフォームやメンテナンス状況により、修繕箇所や費用が大きく異なってきます。過去に定期的な修繕をおこなっていれば、内装や水回りなどを重点的に250万円~400万円ほどの費用で家の寿命を延ばすことができるでしょう。
中古物件を選ぶ際の注意点をご紹介
築30年以上の中古物件を購入する場合、気を付けるべき注意点があります。
ここでは、戸建てのケースとマンションのケースに分けて、それぞれ見ていきましょう。中古物件選びに失敗しないためにも、このポイントをしっかりと押さえてください。
注意点① 戸建ての場合
購入を検討している中古物件が戸建ての場合、必ず建物の現状確認をおこないましょう。具体的には、家の体躯(くたい)といわれる基礎、柱、梁、壁、床などです。主要構造部分の屋根や階段などもチェックしてください。また、雨漏りの有無も重要なポイントになります。雨漏りする物件ならば、その程度や前所有者の修繕箇所などを調べることです。さらに、シロアリ被害や湿気具合なども、注意すべき点となります。
注意点② マンションの場合
購入する中古物件がマンションならば、大規模修繕工事の記録を調べてください。もしも、直近で工事がおこなわれていない場合、物件の購入後に、大規模修繕がおこなわれる可能性が高くなるため、高額の追加費用を負担させられるかもしれないからです。また、旧耐震規定の物件であれば、大地震に耐えられない危険性や住宅ローン控除などが適用できないことなどもあるため、必ず耐震構造をチェックしましょう。
まとめ
一般的に木造住宅の寿命は30年程度とされ、住み方次第で寿命は短くなることも、もっと長くなることもあります。
住宅の寿命を延ばし長く住み続けるには、外壁や屋根のメンテナンス、設備の更新、害虫の駆除などを定期的に行うことが重要です。
また、古くなった住宅をリフォームやリノベーションすれば、新築に近い状態で長く住むこともできます。
自己所有でも賃貸でも、快適に住み続けるために定期的なメンテナンスは欠かさないようにしましょう。
監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。