
どれだけ立派な家であっても、築年数によって価値が低下するのは言うまでもありませんが、古い戸建て住宅を売却するにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、戸建てを売却する際に知っておくべき築年数との関係や、売却の注意点などについてご紹介します。
戸建ての築年数は売却価格に影響する?
単に土地だけの場合は、周辺地価の影響で多少上下するものの、よほどのこと(土地の前に駅ができたり、大きなプロジェクトが動くなど)がない限り、年数が経過しても売却価格は大きく変わりません。
しかし、土地に家が建っている場合、土地と家を合わせた価値で売却価格を考慮しなければなりません。
当然、「土地+建物」ということで、土地より高く売れると想像している方も多いと思いますが、それは建物が新しいことに限定されます。
建物は永久に使えるということではなく、年数が経過するごとに劣化し、あちこちに傷みが生じてきます。
建物の種類にもよりますが、新築から20年くらいまでは売却価格に建物の価値をプラスされたとしても、築30年程度で建物の価値はなくなると思った方がよいでしょう。
つまり、築30年以上経過した家は、建物はおまけでしかなくなり、さらに年数が経過している家については、買い手を見つけるのが困難になります。
築年数が古い戸建てを売却する方法
築年数が古い戸建て住宅の場合、まっさらな土地に比べて売却がとても困難である場合があります。
一般的にはリフォーム(キッチンやバスルームの交換、畳や壁紙の張替など)を行って、買い手を見つける方法がありますが、リフォームにはある程度お金が必要であるため、売り出し価格を高く設定しなければならないほか、売れない場合は損をしてしまう可能性もあります。特に躯体や外壁屋根等の大掛かりなリフォームともなれば多額の費用がかかってしまいますし、家が傾いている場合は簡単にはいきません。
また、完全に解体してしまって更地として売り出す方法もありますが、解体費用が高額になったり、土地のまま放置すると高額の固定資産税(建物があるときに比べて6倍増し)を支払わなければなりませんので、早急に手放す必要があります。
しかし、古くてもよいから安い物件を探してる買主も少なからず存在します。
リスクを背負ってリフォームや解体を行うのであれば、少し売却価格を下げてでも、建物付きで売ってしまう方法も賢い手段と言えます。
まずはさまざまな客層にアピールすることが大切です。
築年数が古い戸建てを売却する際の注意点
売主にとって不利な部分もしっかり話しておく
不動産を売却する際、売主側には契約不適合責任があり、売却した後でも問題があった場合は、売主が買主に対して負う契約解除や損害賠償などの責任をとらなければなりません。例えば雨漏りがあったり、シロアリによる被害などがある場合は、売買の段階で正直に話しておいた方が後々のトラブルも少なくなりますので、問題点などは包み隠さず査定時に話しておくようにしましょう。
境界の確認
築数10年経過している家では、土地や建物の図面が紛失しており、どこまでが土地の境界線か不明瞭な点も多いようです。売却後のトラブルを避けるためにも境界線は明確にしておきましょう。特に注文住宅用の土地として売却する場合、測量が出来なければ解約となる場合が多い為注意が必要です。
更地にしてしまうと同じ家が建てられない可能性も
今と昔では建築に関する法律が変わってしまったため、場所によっては道路に面していない土地では新たに建物が建てられなかったり、容積率と建ぺい率の制限で大きい家が建てられない場合があります。既存の家については問題ないものの、一旦壊して更地にしてしまうと、今の法律が適用されるため建てられないといったトラブルも考えられます。壊す前にしっかり確認しておくことが大切です。
このように築年数が経過している不動産ほど価値は低下し、売りにくくなるのが現状と言えますが、リフォームやDIYブームなどもあり、あえて古い家を探している人も少なくありません。
上記を参考に古い戸建て住宅を上手に売却してみてください。
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監修者

大沼 春香(おおぬま はるか)
宅地建物取引士
埼玉県・千葉県・東京都一部に拠点を置く
不動産売買仲介会社に15年以上従事。
自身も不動産購入を経験し「初心者にもわかりやすい」
実態に基づいたパンフレット・資料に定評がある。
最近はWEBや自社セミナーなどでの情報発信も行っている。